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俺、ゾンビの能力で最強になります。  作者: 雨流 丁亜
第二章 俺、能力者と出会います。
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第21話 隠された真実

「有栖を治すだと?」


  俺が見た限り、有栖の怪我はこの上なく重傷だ。少なくともこのまま行くと死に至るのに十分な怪我。それを治してくれるのであればこちらとしても助かるのだが。


「ああ。そうだ、もう1つ条件を加えよう。今日1日お互い手を出さない。これが彼女を治す条件だ」


 黒スーツの男は表情を一切変えず、冷淡な表情でこちらを睨み続ける。


「……なら先に有栖を治して。そうでもしないと仲間を殺しかけた相手の事なんて信用出来ない」


  俺より先に口を開いたのは架純。いつもの架純とは思えない態度に少しばかり驚く。


「か、架純!?」

「先に…か。生憎、俺の能力は1日1回が限度でな。同時でも構わないか?」

「……紀行、どうする?これはリーダーの紀行が決める事」


  勝手にリーダーにされているのは置いておいて、こちらとしては有栖が治るのであれば嬉しい。しかし相手の能力を知らずにあっちからの提案にやすやすと乗るのは危ない気もするのだが……


  じっくり考えようと思った矢先に、黒スーツの男が口を開く。


「俺も急いでいるのでな。決断は5秒以内に決めてもらおうか」

「5秒!?」


  ちょっと待て、相手の能力とか考えてる暇ないじゃん、それに有栖だってすごい怪我してるし……


「時間だ、答えを聞こう」

「バ〇ス」

「……は?」

「……すまん、忘れてくれ。俺は……有栖を治してほしい。それでいいか?架純」


  横にいる架純に問いかけると、優しい笑みを浮かべる。


「……私は紀行が決めた事ならそれについて行く……みんなもそう言うと思うよ」

「そうか……なら良かった。黒スーツ、有栖を治してくれ」

「了解した」


  そう言うと、一瞬この辺りの時が止まったような感覚に陥る。黒スーツが能力を発動したのだろう。


「……終わりだ。あの少女も治っているだろう」

「もう終わったのか?信じられないが…っ!?」


  半ば疑心暗鬼で後ろを向くと、肉塊だったものが少年として何一つ傷が無い状態で蘇っていた。


「おい、α(アルファ)。今日は撤収だ。こいつらには手を出すなよ」

「……うん、分かった」


  アルファと呼ばれた少年は俺達を気にする事無く横を通り過ぎ、黒スーツの元へ走っていった。


「約束通り今日の所は引き上げよう。行くぞ

 、α」


  黒スーツと少年は踵を返し、入り組んだ路地へと姿を消した。それと入れ替わりに会長と有栖がやって来た。


  「紀行殿!小川がどういう訳か元通りに」

「紀行君!ウチの身体は一体どうなって」


  この2人は何も聞かされていない為、何が起こったのか分からず混乱しているようだ。


「落ち着け2人共。ちゃんと説明するから」

「紀行君……」


  何か言いたげな表情で俺の前に有栖が来る。心無しか顔が赤い気もする。


「その……ウチが悪かった。変な意地を張ってもうて、その上こんなウチを助けてくれて」

「気にするなって、喧嘩を気にしてたらチームなんてやって行けないぜ?これからもよろしく頼む、有栖。俺らにはお前が必要だ」


 実際、有栖がいなくなった事で他の能力者とばったり出くわすなんて事を恐れたり、敵の正確な位置が分からないのは辛かった。それに、大事な仲間を失うのは俺にとってはもっと辛い事のだ。


「紀行……君」

「うおっ!?」


 有栖がいきなり強く抱きしめ、お互いの息が感じられる程まで顔を近づけてくる。


「ありがとう……大好き、紀行君」

「あ、有栖……!?」


 ◇


 夕方の人気の無い寂れた公園のベンチに影が2つ。αと呼ばれた少年と黒スーツの男は焦燥と不安に虐まれていた。


「おい、α。"ナンバーズ"の能力者はみんなああなのか?」

「僕は知らないよ……それより、もうあいつらに手を出すのはやめた方がいい」


 今まで見た事も無い怯えた表情で少年は語る。


「僕だって最初は"ナンバーズ"の能力者がいると聞いてとっても嬉しかったんだよ?けど、能力を無効化する上にあんな狂った化け物なんてかないっこない」

「能力を無効化?アレの能力は【ゾンビ】だろう?何かの間違いでは無いのか?」

「ううん、確かに僕の能力は発動していたよ。その上で一切効いてなかった」


  黒スーツは眉間に皺を寄せ、謎の能力に対して必死に考え込む。


「もしかして能力が間違っているのか……?いや、あの人が調べた情報に間違いはないはずだ……」

「お兄さん……とりあえずおうちに帰ろう?みんなで考えればアイデアが出るかもしれないし」

「そうだな……とりあえずこの事はリーダーに知らせなければ」


「その必要は無いわ」


 少年と黒スーツの男は声のした方向を反射的に向く。声の主は妖艶な女性。


γ(ガンマ)さん……何故ここに」

「あなた達の戦いはアタシの能力でちゃんと見てたわよ。しっかりとね」

「聞いてお姉さん!あのねあのね!僕の能力があの化け物に」

「それも分かってる。α(アルファ)β(ベータ)、あれの能力に関してまずアタシとリーダーの結論から話していいかしら?」


 ドスの効いた声に少年と黒スーツの男は思わず息を呑む。


  「あの子の能力の秘密はね____」

久々の4時半投稿です。

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