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俺、ゾンビの能力で最強になります。  作者: 雨流 丁亜
第二章 俺、能力者と出会います。
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第11話 交錯する能力者達

「……じゃあチームを組んだ所で改めてお前の能力を詳しく知りたい。能力者の場所が分かるんだったよな?」

「せやで。30m以内に入ったなら能力者の位置が見えんねん。たとえ間に壁とかあってもその位置がピンポイントで見れんねん。FPSでいうウォールハックみたいなもんや」


  結構便利だなその能力。それを聞くととっても強そうなんだがなぁ。


「言っとくけどそれが強いのはお互いがほぼ同じ条件やからや。素手とアサルトライフルじゃ流石にかなわへんで」

「なら相手と対等になれば……」

「せや。それ以上に相手に近づかずに遠くから殺れる相方がおるならウチの能力は最強やと思うで。まあ贅沢は言えへんけどな」


  それを聞いてなんだか申し訳ない気持ちになってきた。まあ今更どうこうできる問題じゃないので仕方無いと受け入れる他無いのだが。


「ならその条件の奴を探すしかねえな……まだ初日だし仲間になりたい奴も多いだろうしな」

「せやなぁ。早めに仲間になってくれる人見つけんと」

「あ、それで思い出したが……お前相手の能力についても分かるんだよな?」

「せやで。けど分かるのは能力の名前までや」

「そうか……まあそれだけでも充分だな」


  そこまで話して授業開始5分前のチャイムが鳴る。結構長い時間話していたものだ。


「ほなまた用事があったら紀行君の教室行くわ。流石に学校内の人のおる所なら仕掛けてこーへんと思うし」

「というかその前に俺の教室知ってるのか?」

「知らへん!ちなみにウチは2-4や」

「俺は3-4……ってお前、後輩だったのかよ!」


  完全にタメだと思っていた。マジかよ。


「知らへんかったん?ウチはタメは全員知っとるけん、すぐに先輩って分かったわ」

「つーかお前、そのエセごちゃまぜ方弁をなんとかしろ。気になって仕方がない」

「しゃーないやろ、小さい頃からいろんな場所引っ越してんねんから勘弁してな!ほな、さいなら!」


 と言うと一目散に屋上から出ていった。


「ちっ、もっと言いたい事が……ってやべえ!俺も急いで帰らないと!」


  時計の針は授業開始まであと3分の所を刺していた。急いでいても屋上から自分の教室まで約2分かかる。


「ここは俺の全力ダッシュを……!?」


  と全力ダッシュをぶちかまそうと地面を踏みしめた瞬間、身体が空へ浮く。身体が軽い……というよりいつも以上の力で走れる為身体が浮いたような気分になっているのだ。


「やべえ……超すげえ」


  結局所要時間はいつもの半分程だった。ゾンビの能力……正直俺の考えているゾンビと全然違っている。この調子じゃまだまだ俺の知らない能力が沢山ありそうだ。



 ◇


「……なんでこの女がいるの」

「まあまあ、そう言わんといて?」


  俺は今、凄い気まずい。


  というのも有栖がちょうど家も俺の帰り道の途中だし危険だからついてきて!って頼むから架純と3人で一緒に帰っている最中だったのだが……学校からここまで来るのに架純は無言。その無言の圧力にに逆らえず俺らも無言。ようやく口を開いて第一声がこれだ。


「ちょうど帰り道も一緒やし!お邪魔させてもらおうと思って!」

「……本当に邪魔だから消えて。ね、紀行もそう思うでしょ」

「え……!?俺は……その……」

「…………」


 急に話を振られ戸惑ってしまう。架純はかなり殺気立った目でこちらを見てくる。


「ほ、ほら!実はこいつ、最近来た親戚の奴でさ!俺も知らなかったんだよ!」

「せや!ここの地理感覚分からへんから迷いそうやし案内してもらおうと思って」

「……紀行、嘘をつくならもうちょっとマシな嘘をつきなよ」

「普通にバレた!?」


 おかしい。完璧な嘘だと思ったはずなのに。


「……けど、何か事情があるのは分かった……紀行が私に嘘をつく時はそういう時だけだもの……」

「……そうなんだ、架純。頼む、ここは目をつぶってくれ」

「仕方が無い……紀行と3000m離れるなら許す」

「架純さーん!?それ全く許してないですよね!?」


 架純さん、かなりのご立腹のようです。これは俺にもどうしようも……


「ほ、ほら架純先輩!ウチのおやつあげるから!釜焼きプリン!これで堪忍してくだぁさい……」


 そう言って高そうなプリンをカバンから取り出す。


「釜焼きプリン……!」


 ここで有栖選手、絶望的な状況を変える一打を放つ!架純はプリンが大好物なのだ。特に釜焼きプリン。偶然か能力で知ったのか知らないが、やるじゃないか有栖。


「……毎日くれるなら……1mで許す」

「おおきに! やったで紀行君!」

「……あと必要以上に紀行に話しかけないで」


 なんとか和解できたようだ。よかったよかった。


「ならちょっとだけ話すの許してくれへんか? 10秒以内に終わらせるから!」

「……ちゃんと計るから」


  そう言うとわざわざ俺の隣に来て俺だけに聞こえる声で囁く。


「架純先輩と話してて言うの遅くなったけど、能力者が近くにおるで……!北東の住宅街の方や」

「何……!?」


 安堵していたのもつかの間、俺達の間に緊張感が走る。


「分かった。とりあえず相手にバレないように迂回して……」


 と言い終える間も無く俺達の見ていた方面から大きな火柱が上がるのが見えた。

明日は色々改稿したいのでお休みさせていただきます……

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