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鬼とは何か、どこから来たのか、いつから人間と共存しているのか、誰も知らない。
人間がこの世界に現れた時、すでに共にあったのだとか、この世界の魔が人にとりつくのだとか、憶測はさまざまだが、結局は謎なのだ。
狡知にたけ、力に溢れ、憎悪に満ちて、人々の間から突然立ち現れる、鬼。
その優れた身体能力に対抗できるのは、鍛え上げられた王国の守護騎士たちだけ。
また、人に紛れた鬼を見つけ出せるのは、見鬼と呼ばれる能力を持つ者だけだ。
ここ、エウロラ王国では、能力者とただびとが交じり合い、平和に暮らしていた。
子供たちは法で定められた定時の検診を受け、能力者とわかれば王立の学院に迎え入れられ、学者、治療師、兵士などと、個々の才にあった力を伸ばしていくのだ。
厳しい鍛錬に耐えた一握りの優秀な兵士は王立騎士団に迎えられ、その出生、血統にかかわらず、守護騎士に任命される。
中でも飛翔の能力のある者は、王直属の「翼ある騎士」となることが出来るのだ。
賢明な王と強力な騎士団に守られて、王国は長く平和だった。
五年前、大地震でエウロラの首都が壊滅するまでは。
王都アルハは全壊。
混乱に乗じて鬼の大軍が現れ、大乱戦となった。
かろうじて勝利はしたが、国王エリアス四世、主だった貴族たちと、騎士団の大半を失うと言う大きな代償を払う事となる。
新王ミカイル一世は瓦解したアルハを放棄。南のナイシアに遷都する。
国中がいまだ混乱の只中にあった。




