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翼ある騎士団の伝説  作者: 葉月秋子


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「今日は能力の定期検診だよ。皆、学院の医務室に集まるように」


 検診。検査される。見つかる。調教される。


 医師の聞き取りと能力検査。

 能力を持つ医師が、相手の心に触れていく。

 ミアンはしっかりと心を閉ざす。表層を吹き荒れる恐怖の嵐。


「ハーミアン。ただびと。能力なし」

 医師が書き込む。

 何十人も見なければならないのだ。使用人のちょっとしたひっかかりにかまっている時間はない。

「しかし、臆病だね、この子は。診察がそんなに怖いかい?」


 逆に、食い下がったのはカナだった。

「駄目なんですか、私、これっぽっちも力はないんですか?」

「諦めるんだね、きみはただびとだよ」

「父はただびとだったけれど、母には力があったんです。きっと、きっと私にも!」

「こればっかりはね、遺伝じゃないのだから」


「カナ」

 夕食に出て来なかったカナを心配して探した少女たちは、大階段の陰でしゃがみ込んでいたカナをみつけ、部屋に連れ帰った。

「私だって、私だって、母様みたいな能力があっていいのに。

 能力さえあれば、学院生になれるのに。

 貴族の血を鼻にかけて威張っているやつらを見返してやれるのに!」

「能力を持ってたって、そんなにいいことはないわよ」

 エレという少女が慰めようとする。

「うちは兄さんだけが能力者で、院生になれたの。力を引き出す訓練は大変よ。

 結局たいした力はなくて、うちに戻って商売を継いだわ」

「それでも!能力さえあれば、こんな生活から抜け出せるのよ!

 他に方法はないわ!」

「やーね、もとお嬢様は。こんな生活で悪かったわねぇ」

「家や家族をなくしたのはあなただけじゃないのよ」

「親の七光りなんかない子のほうが多いんだから」


 空気が。


 ぎすぎすした空気が、ミアンを取り巻き、息が苦しくなる。

 もう、やめよう。喧嘩は止めよう。

 歪みが、歪みが大きくなるよ。


『歪み』


 ふっと出て来た、その言葉。

 どうして?

 なん・・・だったっけ・・・?









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