奴隷オークション
女「キャ―!!泥棒!!誰かあのひと捕まえて!!」
男は、女の鞄を持って駆け出した。女はそのあとを追いかけた。
真夜中の商店街は、すべてのシャッターが閉まっていて町内会本部の明かりだけがついている。電灯はついたり消えたりを繰り返している。まだ夏になったばかりというのに、その電灯に吸い寄せられた蛾たちが仲良さそうにたむろしている。
男「はぁ、はぁ、はぁ。もう少し、もう少しで目標が見える。」
男は、必死で走った。盗んだ鞄を抱えてひたすらに。
男は、黒のフリースにジーンズ、真っ黒のスニーカーといういかにも怪しげな雰囲気を醸し出していたために真夜中であったが特に目立っていた。男にとって幸いなことにこの商店街の近くには交番も、町役場もないため、女の叫び声に反応する人は一人もいなかった。
男「はぁ、はぁ、はぁ。やっと着いた。」
男は足を止めた。バーの前に立っていた。男がバーに入ると一人の女が迎えてくれた。
女店員「いらっしゃい。また来たのね。」
男「ああ、楽しみだ。」
女店員は真っ赤のドレスを着て、足のスリットはお尻の付け根まで伸びていて艶やかであった。男は少し緊張しながらも女店員と熱いキスを交わし、スリットの裏にチップを挟んだ。女店員は、男を裏の部屋に案内した。
裏部屋は、周りが金の宝飾品で彩られ、ステージが用意されていた。ステージの真ん中には一人の女性が両手両足をクロスさせて縛られている。
男は言われるがまま、案内されるがままに席に着いた。周りを見渡すとゲルマン系の女性を連れた白人男性が数名と大きな会社の会長らしい人たちがこっちを見ながらせせら笑いをしていた。
女店員「さあ、始めましょう。奴隷オークション!!!」
周囲の歓声が広がった。歓声があたりを包み、ステージ上の女の顔を蒼白にさせた。
女「奴隷オークション?なによそれ、放しなさいよ。」
女店員「それでは、まずこちらの奴隷さんでございます。あちらの日本人男性から出品していただきました。飯島由美子さん26歳、都内の会社でOLをしております。上司からのセクハラに耐え兼ね、訴訟を起こし見事勝利、2000万円の損害賠償を手にしています。」
女「な、なんでそんなことまで知ってるのよ。」
男「くそみたいな女だな。500円からスタート。」
女「くそってなによ。こんなことして、あんたたちのほうがくそだわ。」
1000円、2000円と徐々に上がり最終的にあるロシア人が20000円で落札された。
女「」
男「俺はお前みたいな女が一番嫌いだ。妙に自分は優れていると思い込んでいる奴が嫌いだ。知ってるか?お前の上司、あの後死んだんだ。獄中で。冤罪の証拠が見つかった直前にだ。」
女「だ、だからってこんなことする必要はないでしょ!人でなし!!」
男「悪いが、人でなしはあんただ。あんたは人を殺している。これからはあのロシア人の奴隷として生きていくんだ。」
女がうなだれていく中、客席にいた女を買い取ったロシア人が女を連れていった。
女店員「どうしたんですか。なんかむきになっちゃって。」
男「頼まれたんだ、あのロシア人の友人があの女の上司だったんだ。いいやつだったのに、冤罪で捕まって獄中死ときちゃ友人として腹が立つのも無理はない。」
女店員「でも、あなたいかれてるわよ。自覚ある?」
男「君ほどいかれてはいないさ。俺を奴隷にしているんだから。」
女店員「そうね、じゃあその鞄預からせてもらうわね。一応、商売だから。」
男「はいよ。」
男は女店員に鞄を渡し、また夜の狩猟に出かけるのだった。
初稿なので稚拙な文章であることにはご勘弁ください。結局何を言いたいのかわからなくなったので、これから頑張っていこうと思います。
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