深夜 エメラルド・シティの夜を彩る、ドンパチ花火
2015/05/31 あとがきに、用語&人名紹介を追加。
2015/06/03 加筆修正。
その後、気分転換ということで飯を食べに行った。
またもガイドブックのお世話になった。
ガイドブックのおススメは『ジュドー&マリア』。
写真を見て、パッと思った感じは、一般大衆向けの定食屋。
変に高級気取りの飯屋に行って、何を食べたか思い出せないようなモノを食べるよりは気が楽であろう。
念のために多数決をとってみる。
特に反対はなかった。
パートナーズ曰く「どこに食べに行くかでウジウジと迷うよりははるかにマシ」とのこと。
さて、行くか! という段階になって、今まで意識を飛ばしていた皇太子が急に目覚め、猿ぐつわをしているからモゴモゴとしか言えないのだけれど、それでも何か言いたくて、椅子から飛び出さんばかりに暴れた。
自分は皇太子にしゃべらせる権限を与えたうえで、落ち着くよう命じた。
上から目線の発言に皇太子は顔を真っ赤にしてまたぞろ何かを言おうとしてきたので、鉛筆を見せた。
皇太子が意味が分からずボウッとしている瞬間に、皇太子の鼻の側面から鉛筆を一気に突き刺し、貫通させた。
それはまるでバーベキューの串刺し? あんな感じにしてあげた。
当然、彼は痛みから声にならない悲鳴を上げ、味わったことのない出血に驚いていた。
椅子がバタバタと激しく揺れ、壊れてしまうのではないか? というぐらいに暴れた。
自分は、そんな皇太子の狂乱状態のときにさりげなく鉛筆を引っこ抜き、ウィン(エルフのお医者さん)に指示して、回復効果のある注射を施しておく。
しばらくして、彼は実感したはずだ。
声にならないほどの痛みがマヒしたかようになくなって、血も止まり、何よりも穴が開くわけでもないところから穴が開いたことによる、呼吸するたびに起こる不思議な異音を聞くことがなくなったことを。
「治療しておいた。お前が大事だからではない。俺のバスがお前ごときの貧しい血で穢れるのを防ぐためだ。さて、もう一度聞こう。充分に落ち着いたうえで俺に語れ」
言い聞かせておいてなお、その眼には反抗心が宿っていた。なので、先ほどの、血でべっとりした鉛筆をひらひらと目の前にみせておく。すると、先ほどの痛みがフラッシュバックしたのか、反抗心が鳴りを潜め、コクコクコクと頷いてみせた。
カム(専属メイドA)に命じて、猿ぐつわの解除を頼んだ。
その間、チェスター(専属メイドB)が、血まみれの皇太子の身分を示す装束に代わる別の衣服を用意してきた。
それは、観光旅行に行くとよくお目にかかる、微妙なセンスが光るTシャツ(今回は『吸血鬼VSほら吹き男』)と単色のハーフパンツの組み合わせ。
早い話、衣服のセンスに無頓着な自分の寝巻みたいなもので、たくさんある。そのうちの一つをチェスターは持ってきて、自分の許可を得たうえで、着替えを促した。
皇太子はあまりのダサさにこれまた抵抗したが、軍人ベネリの格闘術を仕込まれた二人のメイドによる暴力にあっさりと屈し、成すがままに衣服をはぎ取られ、お仕着せは成功した。
どうでもいいが、16歳の反抗期真っ盛りの少年が年齢の近い少女に身ぐるみはがされて、自尊心を傷つけられたらしくこの上もなく情けない顔をしていたが、少し興奮したのは内緒である。
まぁ、他にいろいろな問答があったが、要はカツトシも腹が減ったから一緒に飯が食べたかった……そう云う理由だった。
ああ、そうだ。カツトシという名前であるが、皇太子の本名がビクトリー云々とやたら長かったので、自分権限で『ビクトリー=勝利=カツトシ』という経緯で、カツトシとした。
それと頭にやたらと長いタオルを巻く風習があるらしいが、やめさせた。それでも思い入れのある品だとか何だとかごねるので、首に巻かせておいた。やたらと長いせいか、タオルの両端が地面すれすれではあったが、それが原因で他人から踏まれてカツトシが首を絞められようとも自己責任である。
「マスター、踏んでます踏んでます」
イサカがみんなを代表するかのように指摘し、ようやくクソ長いタオルを離してやる。
九死に一生を得たカツトシは、お気に入りのタオルをじっと見つめた後、衣服の片づけをしていたチェスターにおずおずとタオルを手渡していた。
今度はキチンと、下手に出た対応で接したので、チェスターも悪い反応はせず、タオルを受け取ると、バスの中に設置されていて、今から稼働するところであった洗濯機の中にそれを詰めてくれた。
ボタンが押され、洗濯物が回っていく。
出来上がるまでには、しばらく時間がかかる……。
「よぉぉし、すべての準備は済ませたな。アンキモ、飯を食ってくる」
「ああ、旦那。留守は任せておけ」
人形ゆえエネルギー摂取の必要のないアンキモに見送られ、ようやく食堂へと足を運んだ。
―
>夜。超高級ホテル『バベル』貸し切りホールにて
新規オープンしたホテルのホールには、大勢の財界人や各界の著名人、芸能人、その他もろもろの方々が集められ、創業者による挨拶が始まるまでのあいだ、歓談にふけり、美食を味わっていた。
やがて、照明が落ち、マイクのテストの後、ドライアイスの煙とともに、この『バベル』のオーナー、泥門エンキがさっそうと現れ、ちょっとしたジョークで観客を和ませた後、本題に入った。
「皆さん、エメラルド・シティは素晴らしいところです。どの辺が素晴らしいかはあえて言いませんが、残念なことに治安の悪さがネックです。特に『夜10時以降の外出禁止』という暗黙のルールは、経済的にも非常に惜しいとしか思えません。これを撤廃して、不夜城の名にふさわしい、宝石の街へと作り変えたい」
と、泥門は一度、集まったゲストたちを見渡した。
一部を除き、反応はおおむね上々だったので、彼は持ち前の爽やかスマイルを崩すことなく次の話へと進んだ。
「ばっかもーん! この国の事情も知らなそうなクソガキがたまたま金を持っとるだけで(モゴモゴ)何を言っておる(モゴモゴ)」
「ゼニー警部、せめて食べ終えてから話をしてください。全然聞き取れません」
「おお、すまない、美咲くん。ちょうど腹が減っていた時に、こう豪華な料理を見せられては我慢できなくてな」
「わかりました。ゼニー警部はしばらく食事を楽しんでください。私は、少し外に出ますね」
いつもの刑事二人が『バベル』にいた。
紹介でここに来たのではなく、ここのオーナーの要請で警護にあたっているのだ。というのも、本来ならばエメラルド・シティの治安警察がこの役割を担うはずだが、犯罪者の島として名高いエメラルド・シティにおいて警察組織というのはお飾りでしかなく、警察官は上から下まで汚職でまみれている。なので、彼らバベル側は大陸の方から優秀な警察組織を連れてきて、警護に当たらせた。
それが、彼ら2人の刑事率いる警察団である。
バルコニーにて、心地よい風に目を細めていた美咲は、人の気配を感じてゆっくりと見開いた。
そこには美咲と同じくシャンパンを片手にまぶしい笑顔を送る青年実業家がいた。
さきほどスピーチを終えたばかりの、泥門エンキその人だった。
「こんばんは、美咲さん」
「で、ででいもんさま、あなたはクライアントですからそんなに親しそうにしなくても」
「落ち着いて、美咲さん。ここでは立場を意識せず、気軽に接してほしいんだ。だから、様付けもいけない。僕のことはエンキと呼び捨てにしてもかまわないよ」
と、泥門は慌てふためく美咲の口に指を軽くあてて、落ち着かせ、泥門の考えを彼女に伝えた。
「いえ。やはり立場がありますので、泥門さんと呼ばせてください」
「……仕方ないな。わかったよ、美咲さん」
機嫌を悪くするでもなし、美咲の笑顔にほだされてか泥門もつられて笑顔のやり取りが行われた。
「そう言えば、君たち。怪盗を追いかけて世界を回っているんだってね」
いくつかの会話の後、バルコニーの下を見つめていた泥門がボソッと美咲に伝えた。
「はい。泥門さんもご存知の通り、3日後の夜12時にここ『バベル』の特別展示場に安置されてある『魅惑の口づけ』に対し、予告状が送られています」
「君たちは命は惜しくないの? ここエメラルド・シティの『夜10時』のこと、知っているよね?」
前述したが、エメラルド・シティの夜10時以降の外出は困難を伴う。
その理由は、見通しのかなり悪い霧とともに現れる『人外』の存在だ。
人外とは、大雑把に説明すると、人の形を保てず他の物の形をした何かである。
「何か」の部分はそれこそさまざまで、その日、上半身が人・下半身が蟻という存在に出くわしたよそ者が威力の強い銃を持って同じ場所を訪れたら、動く鋼鉄の金庫に閉じ込められ窒息死した……という話があるぐらい、幅が広い。
そして、それらの存在をエメラルド・シティ側は黙認している。
彼らが夜10時に昼間の主な住みかである『Z地区』からここ『観光区』に足を延ばしていることに対して、何の処置も行っていない。
理由があるからだ。
人外のエサは、人間の死体である。
エメラルド・シティの自由さにあこがれて、大勢の犯罪者たちがここを訪れる。
当然、曲者たちばかりで、いざこざと無縁でいられない。毎日、どこかで小競り合いが繰り広げられ、1日と生きられなかった者たちの死体が各地のあちこちで転がる。
それを食べに、人外たちがやってくるのだ。
だが、人外たちは道路上に転がっている死体は食べても、民家のドアを蹴り破ってまでして生者に襲い掛かるようなことはしなかった。
「これは、このエメラルド・シティを陰で支配する側が、人外の長達とのあいだに決めたルールなんだよ」
泥門はナンセンスだとばかりにわずかに顔をゆがめている。
美咲はそんな泥門に対してかける言葉が見つからなかった。
と。
ホールの方からいくつかの叫び声が聞こえた。
美咲と泥門が駆け付けると、体長3メートルほどのイモムシのような化け物が人間の手をムカデの足のように生やし、手当たり次第にそばで固まっているゲストを無造作につかむや、凶悪な顎を開き、頭から生きたまま食べ始めた。
「くっそがーっ! 小銃では威力が不足しておる。おい、泥門、貴様の私兵のアサルトライフルを貸せぇい」
「その必要はない、ゼニー警部。お前たち、『ヤレ』」
と天井からロープを伝って降りてきた特殊部隊を思わせる格好の兵士たちが、的確な命中率とときおり混ぜる爆発物とのコンビネーション攻撃で以て、わずか15分ほどで騒ぎをおさめた。
周囲が落ち着きを取り戻そうとしていたその時、今度はホテル内の電気が失われた。
途端に闇に覆われ、再び恐怖が彼らの心の中にざわめき始める。
そして、落ち着きがなくなったのを見計らうかのように、死体となった人外の周りだけ電源が回復し、人外の背中から新たな人外が姿を現した。
「こんばんは、ニンゲンの皆様。私の名はメイ。この羽からわかるように蛾の人外でございます」
そう自己紹介しながら、彼女? は、軽く羽ばたいた。
するとゼニー警部の近くにいた特殊部隊の兵士たちが身体を震わせて倒れ始めた。
この人外蛾はまず、脅威となりえる者たちから速攻で排除したことになる。だが、警察団には彼女の鱗粉は振る舞われなかった。これは、彼女が幼虫の姿のとき、その手にしていた小銃が何のダメージも与えられなかったことからだと思われた。
(まずい、まずいぞ、美咲くん)
ゼニー警部が彼女を探しながら、この危機的状況をどうするか頭を働かせているとき、どこからともなくジェット機が地上が迫ってくるかのようなあり得ない大音響がやってきた。
―
自分たちは『ジュドー&マリア』の閉店時間ぎりぎりまで、様々な料理に対して舌鼓をうっていた。
会計を済ませようとした時、時計の針をチラリと眺めた褐色美人が「エメラルド・シティの夜の10時はかなり危険よ。すぐにホテルに戻った方がいいわね」と忠告してきた。
カツトシが、10時に近づく針を見て、またも奇声に近い声をあげて、バスに乗り込んでいた。
「あれが、普通なのか」
「ええ。ホテルによっては夜10時を過ぎたら玄関を固く締めて入れないようにしているところもあるわ。だから、早く戻った方がいいわね」
そうは言いつつも、褐色美人は自分のクレジットの色を見て軽く口笛を吹いていた。
口調は緊張感を走らせているが、レジでの対応はすこぶる軽い。
だからだろうか、何だかなぁ……という印象を受けた。
『バベル』へと向かうあいだに、夜10時が過ぎた。
カツトシの顔色が悪い。が、乗り物酔いというわけではなかった。
「わふー♪」
「おい、フェゴール、霧が出て来たぞ」
「うわー、もうダメだ。ヤツが、奴等が出てくるーっ!」
ステアーとシグ(美少女系メイド)が外の様子を教えてくれているのに、一人カツトシがうるさい。
なので、メリー(青竜偃月刀の龍娘)に目で合図して、意識を飛ばしてもらう。
「イモムシさんが歩いているですぅ」
「いっぱいいるのニャ」
今度はベレッタ(ロリ巨乳系メイド)とラムが教えてくれた。
どれどれ……と窓の外の様子を見てみる。
先ほどまでただの道路だったはずだが、霧に運ばれてやってきたという言い方を肯定するかのように、いつのまにかバスの周囲はイモムシだらけだった。
それも体長3メートルほどある。
そしてすべてのイモムシが、自分たちが向かうホテルの方向と同じなのが気になった。
何もしてこなかったので、大人しくホテルへと到着した。
一方、イモムシの方は……というと、ホテルの出入り口から帰宅しようとしていた人々を襲い始めた。
ホテルの関係者と思しき者たちが捕食された客を助け出そうといろいろしていたが、ほとんどが助からなかった。また、ホテル関係者もエサになった。
食べ終えた奴から順に動きを止め、その後、間もなくしてイモムシの背中から、蛾の羽を持ち人の姿をした連中が現れた。
「………………」
「………………」
そいつらと自分の視線が合う。
エサだと認識されたのか、蛾人間になった奴から順に、バスに向かっての体当たりが始まった。
「あーーっ、もう。ここに来て、銃火器をぶっ放さない時はないな」
「面……倒?」
メリーが人の顔を覗き込みながら聞いてきた。距離近いよ。チューしちゃうよ。
「まさか。むしろ腕の振るい甲斐がある。というか、さっきもそうだが、道端にあんなに死体を放置しておいて、何のお咎めもないとか、ここは天国か?」
「いいえ、現実です。お気を確かに」
すぐさま万能執事の指摘が入った。
その間にも、数の増えたモスマンたちがバスを押し倒そうとしているのか、さっきからバスに対するぶつけ方を変えてきた。
「よし、今回も殲滅だ。各自、自由なやり方で抹殺せよ。世の中にはケンカ売っちゃあいけない奴がいるということを思い知らせるんだ」
「死なせたら、理解する機会もないけどニャ」
「ヒャッハー!!」
「あ、都合が悪くなったらコレだよな」
「そうですね。でも仕方ありません。マスターは頭がいい方ではありませんから」
パートナーズが何か言っているが、気にせず自分はサンルーフからバスの屋上へとやってきた。
火炎放射器で、そこのバカどもを燃やすためになっ!
しばらくしてのことである。
消し炭になった奴らをウィンが今後の参考程度にとサンプル調査しているとき、自分の頭に鋭い痛みが走った。それはまるでかき氷を食べたときに走る痛みのようなもので、自分がホテルの上を意識すればするほど痛みが増してきた。
間違いない。
イサカにも内緒の新しいパートナーズが極大ピンチだ。
聡子先生にジェットパックの整備をお願いし、自分はバスの中の特別室のボタンを開いた。
扉の向こう側には普段あまり使用しないガトリング一式が安置しており、迷わず装備し、外に出た。
自分の重武装な出で立ちに数人のパートナーズが少し驚くも、すぐさまジェットパックを装着した自分を特に責めるわけでもなく見送ってくれた。
理解が早くて助かる。それとも、もう何度も繰り返された光景だから慣れたか?
まぁ、ともかく。
最大出力状態のジェットパックとともに、自分は該当する階層目指して飛び立った。
―
「何なんだ、アイツは」
ワシことゼニー桑田はバルコニーの外側から突如、スコールのように盛大に降り注いだ銃弾に驚いた。
それはちっぽけな人間相手に優位さを振りまいていた蛾女を、何事かと状況を把握させるヒマも与えずに、切り裂いた。
外も暗いとはいえ、電源が落ち、さらに暗いはずの室内にもかかわらず、だ。
雨が止み終わり、どんな奴がこんなことをしているのか気になったワシはすかさずバルコニーをめざし、そこで初めてジェットパックを装着し、ガトリングガンを所持する奇妙な男に出会った。
奇妙というのは、何だろうか。
今、ワシは確実にこの男をしっかりと見ているのだが、記憶に残らないでいる。
一方の、あちらの男はワシを見てもさして興味がないらしく、サッサと視線を室内の方へと向けている。
無視されて、カッとなりそうになったが、それよりも前に室内でバラバラにされたはずの蛾女が、目に赤い光をたぎらせて、高速移動するや、ジェットパックの男との距離をゼロに等しくさせ、鋭く伸びた爪で男の首筋を狙っていた。
男は大人しくその攻撃を喰らい、同時に刺された首筋をきつく締め、うまいこと爪を固定した。
まさに、肉を切らせて骨を切るやり方だ。
やろうと思ってそう簡単にできることではない。ワシは感心してしまった。
ほんの一瞬、蛾女は動きを止め、その状態のまずさに気付いたのか爪を空いた手で強引に叩き割るや、再び距離をあけた。だが、ここで蛾女に異変が起きた。
ワシには蛾女がどうやってあの銃弾バラバラ状態から元の身体に戻ったのかはわからんが、その身体が再びバラバラになりかけていた。蛾女が何やら力を込めて元の身体に戻そうとするものの、その力自体が空中分解するかのように働きを失っていき、やがて彼女は、声にならない断末魔とともに空から落ちた。
ここの階層は79階。地表から確か100メートルは優に離れていたと思う。
その空をただの女に戻ったそれが落下していった。
普通に助からないだろう。
そして、ジェットパック装着だったにもかかわらず、あの男はいつの間にか姿を消していた。
(……まさか、アイツが例の怪盗かっ!)
確証は全くないが、ワシの本能がやかましく叫んでおった。
ワシは、急速に記憶から消えていくあの男の特徴を少しでもつかんでおくべく、メモ帳にいろんなことを書き殴っておいた。
※赤井作品の用語&人名紹介※
◎カツトシ
カツトシは、『底辺の誇り』に出てくる主人公・夏目正義の友人である。
設定によるとかなりの筋肉バカとのことだが、作中の筋肉豆知識はタメになると同時にカツトシがムキムキになりながら豆知識を披露している光景を思い浮かべると、かなり笑えた。特にマリアとの掛け合いは絶妙で、筋肉同士の化学反応はここまで読み手の腹筋に作用するモノなのか!? と驚きを禁じ得なかった。もとい、腹筋崩壊が止まらなかった。
よって、この作品を読んでの一番のお気に入りがカツトシになり、コラボしたのをこれ幸いとばかりに、登場人物の一人の名前を勝手にカツトシと改めてしまうDQNっぷりが炸裂してしまった。
これを『作者の暴走』と言う。誰得なので、真似しないように。