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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

戦場とは

作者: 葉野菜
掲載日:2014/02/06

「くっ…どうしてこんな事に」


俺は辺りを見回して悪態をつく。

広い室内には、沢山の人間が転がっていた。

仰向けに倒れて、虚ろな目線を漂わせる者。うつ伏せになって、乾いた笑いを漏らす者。

横向きに寝そべり、ただ涙を零す者―――。

俺は、手に棒を持ち、壁を背に座っている。

額からは冷や汗が流れており、手は震えている。


「もう我慢出来ん!俺は行く!!」


Aが突然叫んで立ち上がる。俺はAの行動にぎょっとして慌てて止める。


「おい馬鹿やめろ!急に立ち上がったら―――」

「っ!!ぐああああっ!!」


Aはその場で叫んで、くずおれた。


「――――っ!Aぇえええええ!!」


Aは何も答えず、ただビクリと体を震わせている。

俺はそんな戦友の姿を見ていられなくて、視線を外す。

Aは馬鹿だ。無茶だった。Aの状態を良く知っている俺だから分かる。

先程のAの行動が如何に無謀であったかが…。


「フッ…A…逝ったか」

「B…」


俺の隣に来ていたBが暗い笑みを浮かべる。

Bは壁を支えに、ゆっくりと立ち上がる。

その顔は覚悟を決めており、彼が死を覚悟しているのがやすやすと分かった。


「B…!まさかお前!」

「すまんな。俺もいかせて貰う」

「おい馬鹿やめろっ!帰ってこれなくなるぞ!」


俺の言葉に、Bは以前見せていた優しい笑みを浮かべた。

暗い笑みではなく、本当に心からの、優しい微笑みだった。


「お前は、ここにいろ。犠牲は俺だけで十分だ」

「B…やめろ!B!」

「くっ…!うおおおおおっ!」


Bは敵に果敢にも向かって行った。しかし、敵の壁は厚く、

Bも帰ってこれなくなった。

俺はただひたすら涙を零す。


ここは戦場だ。


腰に重大な病状を抱える者が入院する腰痛病棟という名の戦場。


Aはトイレに行こうとして撃沈し、Bはジャムの蓋を開けられずに撃沈した。

俺は棒を支えにフラフラと戦友達の元へと向かう。


「ふっ…俺も、お前達だけに辛い思いはさせないぜ…。

俺ももうすぐ…お前らの元に…」

誰か助けて。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 表現がいい感じに話を勘違いさせているところ。 [気になる点] タイトルと作者さまだけ見て、読んで裏切られました(いい意味で) [一言] 時々無性に読みたくなる、面白い作品で… 毎度毎度、…
[良い点] 朝から笑わせてくださった事 [気になる点] ないです♪ [一言] ぶはっ(笑) 見事に引っ掛かりました!やられた〜 自分も腰痛あり。介護は膝と腰 痛めつけます(>_<) 名前 A〜とかB〜…
2014/03/25 08:09 退会済み
管理
[良い点] 同感です。 [気になる点] 特になし。 [一言] お互い、しばらく安静にしましょう!
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