プロローグ
さて、まずは何から語るべきだろうか。
きっと語るべき言葉は陳腐で稚拙でくだらないものしかないが勘弁してほしい。
そうだな、まずは自己紹介から始めるとしよう。
俺の名前は獅子王 ガイ、勇気あるGGGの隊員……ではない。ついでに言うならサイボーグでもないから『イー●ィップ』もできやしない。普通の高校生だった。ちなみに本名だ。
名前の由来は実に安直なもので、俺の名前を考えているときに偶然やっていたテレビアニメの主人公らしい人物の名前をそのまま使ったらしい。ぶっちゃけ獅子王って名字だけでもイタイっていうのに(いや、名字に関してはどうしようもないかもしれないが……)
さて、それよりも本題だ。『普通の高校生だった。』という点に注目してほしい。そう、聡明な読者諸君ならお気づきだろう。過去形だ。つまり現在進行形では俺の職業は学生ではないということだ。
では、俺の職業とは何か。別にニートじゃない。パートタイマーでもアルバイトでもサラリーマンでもない。
あまり引っ張ってもしょうがないので俺の職業について説明しよう。俺の職業は元高校生、そして今は異世界に召喚されて勇者になりました。てへっ☆
申し訳ない、激しく自己嫌悪だ。
とりあえず重要な点はこの世界が地球ではなくロンダーシェルと呼ばれる世界という点。
この世界には地球でいう人間、人族のほかにエルフやドワーフの亜人種、ドラゴンなどの魔物がいる点。
そして何より、勇者が俺一人ではない!という点だ。