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8話 初めて仕事をすることになりました


 (前略)


 昼過ぎになって武器屋を後にした俺は昨日も訪れた冒険者ギルドにやってきた。昨日はばるなんちゃらの騎士団がやってきたんでパレードをやっていたらしくほとんど人はいなかったが今日はそれなりににぎわっている。


「すいません、昨日ギルドカードの登録をしたんで取りに来たんですけど」


 俺はとりあえず出来上がっているはずのギルドカードを受け取るためにカウンターに向かった。アリアさんは非番と言っていたのでカウンターにいるのは当然別の人だ。


「はいはい、獅子王さんで間違いないですか?」

「はい」

「では、確認のためギルドカードに触れてください」


 言いながら差し出された昨日の板に触れるとどうしたわけか文字が浮かび上がる。


『獅子王 ガイ ランクG』

 

 それ以外にはほとんど何も浮かんでこなかった。上に詰めるように文字が並んでるのに下には何もないのはどうしてだろう。


「はい、オッケーです」


 カウンターのお姉さんは俺にカードを渡すのと一緒に薄い冊子をカウンターの上に置いた。


「では、詳しい説明をさせていただきます」


 お姉さんはさっきアリアさんが言っていたのとほとんど同じことを俺に説明する。なんとなく説明はアリアさんの方がわかりやすかったので確認したいことがあったらアリアさんに聞いた方が賢明だろう。


「なにか質問はございますか?」


 一通りの説明を終えたお姉さんは形式通りにそう言った。


「ギルドカードに表示される文字が上の方だけなのは何でですか?」

「あぁ、それは下の方にはまだ表示される内容がないからです」

「?」

「下の方に表示されるのはその人の功績……たとえばいくつの仕事をこなした、成功数は?失敗数は?だとか今までに討伐したモンスターの中で代表的なものなんかが表示されるんですよ。まだ仕事をしていない獅子王さんは表示される内容はありませんから」


 なるほど、仕事の内容までギルドカードに表示されるのか。詳しい話によれば、討伐したモンスターは申告制ではなくギルドカードが自動的に登録してくれるらしい。ギルドカードってどんだけ高性能なんだよ。

 とりあえず説明も終わり俺はギルドカードをポケットにしまうと仕事が掲載されているという掲示板の前まで移動した。

 下位の仕事、なんとなく言いにくいから下位クエスト(モン●ンみたいだな)が掲載されている掲示板の前には一人二人しか人がいない。というか、それぞれの掲示板が似たような状態だった。上位の掲示板の前だけは人っ子一人いないし、仕事自体も張り出されていないが、アリアさんの話では上位の仕事が受けられる人間自体が希少だからしょうがないことなんだろう。

 俺が掲示板の前まで来たことを受けてか、先にいた一人は掲示されている1枚の紙を取ると受付まで行ってしまった。仕事を受けるには掲示されている紙をカウンターに持っていけばいいようだ。

 とりあえず掲示されている仕事を確認しよう。危険が少ない仕事を選ばないといけないから慎重に。


『求む、鹿3頭 依頼主:料理屋 大衆堂』

『ドメドメ草 20株 依頼主:医者 リンゲル』

『うさぎ1ぴきください 依頼主:みるか』

『商品搬送の護衛 隣町まで 依頼主:商人 ガメツキー』

etc.etc...


 下位でも護衛の仕事なんてあるんだな。隣町までだったら危険が少なかったりするんだろうか?

 この中で受けるなら鹿が一番妥当っぽいけど、鹿を捕まえたことなんてない俺には難しいかもしれない。ドメドメ草なんて見たことないしこれもやばいだろう。

 あれ?俺の受けられそうな仕事がない。これはゆゆしき事態だ。

 いや、なにごともやったことがないのならこれから経験すればいいだろ。

 とりあえず俺は最初に目に入った鹿3頭の仕事を選ぶことにした。紙を掲示板から取り受付に向かう。まぁ人生なるようになるだろう。

 受付を済ましてギルドの外へ、初めての仕事だし緊張してるがきっと大丈夫だ。


 で、森はどっちだ?




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