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白内障と緑内障の手術  作者: 夏目 碧央


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困った事はありませんかの人が!

 午後は3時の目薬まで部屋にいようと思った。その前にシャンプーの順番がくるといいな、と思っていたら1時台にヘルパーさんが呼びに来た。待ってました!今日は女性だった。私より少し年上のおばさんだった。前回はおじさんで、頭を洗ってくれている間は黙っていたが、おばさんはおしゃべりをしながらだった。そして、顔に被せる紙をガッチリ貼ってくれて安心だった。おばさんのヘルパーさんはトリートメントを手に取った時、

「トリートメント、いい香り!」

と言った。私はその匂い嫌いなのだけれど。いかにも髪に良い薬が入っていそうな変な匂いが混ざっているのだ。が、美容院っぽい香りではある。ヘルパーさんはそのトリートメントをまるで手にすり込むみたいに高速で手を擦り合わせ、それから私の髪に塗った。

「トリートメントすると、髪質がガラリと変わりますね!」

と言われた。私の髪はくせ毛だから、シャンプーをすると毛先がこんがらがってひどいが、トリートメントでするりと指が通るようになるのだ。みんなそうなのかと思っていたが。

 昨日既におでこの上が痒いと思っていたので、そこにお湯をかけてもらうと気持ちが良かった。ああ、これから5日間洗えないのだ。嫌だなあ。

 シャンプーが終わり、借りたタオルで拭いたあと、ドライヤーを掛ける前に一度部屋に戻り、乾かす前につけるトリートメントを髪に塗りつけた。その時、隣のカーテンのところに男性がいて、

「困った事はありませんか?」

と聞いているではないか!右目の時、私の所には来てくれなかった所長みたいな人。その人は一瞬私の事を見たようだった。そして、私がまたドライヤーを掛けに部屋を出て行き、ドライヤーに手を掛けたところでその所長が通りかかった。

「あ、夏目さんですか?明日退院ですよね?」

という。ハイと答えた。そうか、前回はまた入院する事が分かっていたから聞きに来なかったけど、今回は最後だから聞きに来たのか?相手は名乗って挨拶をした。もし困った事を聞かれたら、本を読む為に電気を点けると寄りかかる所がない、と言いたかったのだが、その人が私に言ったのは、

「何か分からない事があったら言ってください。」

だった。え……もう分からない事などない。後で看護師さんに困った事はと聞かれたけれど、看護師さんに言う事ではないと思って電気の事は言わなかった。電気は所長に言って、薬の事とか分からない事は看護師さんに聞くよ。逆だよ。



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