突然の脱獄
『おいおい、そんなことできるのか』
そう言うと、突然じいさんは呪文を唱えた。
『我、フランシス・マーリンが命じる、我が祈りにこたえてかの敵を燃やしたまえ、ファイヤーボール』
そう唱えると、じいさんの手から炎が飛び出し、
牢を破ってしまった。
『すげーこれが魔法ってやつか』
俺驚いていると、じいさんは先に牢から出て言った。
『早くしないと衛兵がくる。それにわしはこの外れない腕輪のせいで初級魔法しか使えない。』
『腕輪で力制限されるほどってこのじいさん何者だよ。』
こう思ったが、急いでいたのでこのことは後で聞くことにした。
階段から外に出るとそこは城の敷地内だった。
どうやら牢は城の地下にあったらしい。
城門を越えて脱出するため城門まで走っている途中に、じいさんが何か渡してきた。
『これは強力なマジックアイテムだ。これがあれば恐らくどんな敵にも勝てる。だが代償が伴うからいざと言う時以外使うな。』
こう言って渡してきたのは仮面だった。日本の兜と一緒に付けるような口を隠すタイプのやつだ。
『よくこんなの隠し持っていたな』
俺はそう言いながらそれを受け取った。
そうやって城門まで行くと人が一人立っていた。
『あれは誰だ』
そう思っているとじいさんが驚きながら口を開いた。
『エレナ、お前なのか…』
どうやらじいさんはこの人物と面識があるらしい。
見た目は黒髪の長髪で赤い瞳に軍服を着ている、恐らくこの国の兵士の人物なのだろう。
そしてエレナという人物も話し始めた。
『もう寿命まで出てこないでくださいと言ったではないですか…先生』
読んでいただきありがとうございました。
もし少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマークと評価をお願いします。