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3.牢獄の老人

俺が目を覚ますと、そこは薄暗い牢だった。


『ふざけるな!俺をここから出せ!』


こう叫んでいると後ろから声がしてきた。


『無駄じゃよ、ここは国家秘密レベルの重要犯を収監する地下50階の牢じゃ、並の人間はまあ抜けられぬ。』


そう聞こえたので、振り返ると白髪に長い髭が生えた身なりのボロいじいさんがいた。


どうやら牢の中は俺だけではなかったらしい。


それから俺はこのじいさんに自分の境遇を説明した後、この世界についてのこととこの牢での生き残り方を学んだ。


まずこの世界では、異世界の定番と言える魔王や勇者といったものは存在してはいたが、今はもういないらしい。


もう何年も前に魔王は異世界から召喚された勇者によって倒され、勇者パーティーもバラバラに解散してしまったために消息不明なのだとか。


だけど、魔王が死んだ後、この世界の大陸はほとんど人間が支配し、


魔王軍が支配していた土地も新たな人間の土地となり、そのことで各国の領土問題が激化した。


その問題が大きくなり今世界各国は戦争状態らしい。


そしてこの国の王は自分の国を戦争で勝たせるためにかつて存在した伝説の勇者の力を手に入れるために異世界召喚したのだろうとのことだ。


正直かなり理不尽を感じた。


さらに、この牢はかなり劣悪な環境だ。どうやら王様は最悪俺たちは死んでもいいと思っているのか、見張りもほとんど来ず、食べ物の配給もない。


ので、じいさんに牢にたまに湧いてくる虫やネズミ、雑草を食べるのだと学んだ。


正直3日ぐらい嫌すぎて食べれなかったが、流石に限界が続いたので泣く泣く食べた。


そんな日々が続いて2ヶ月が経った。


じいさんともだいぶ仲良くなり、脱獄の計画も考えようとしていたある日、


『英治よ、ここから出たいのか』


じいさんが俺に尋ねてきた。


『当然だろ、こんなところで一生なんて俺には耐えられない』


俺がそう言うと、じいさんは俺に言ってきた。


『わしはお主と会話することで久しぶりに、人との繋がりの大切さを学んだ気がする。ほんとは一生ここからでる気はなかったんじゃがな…』


『本当に出たいならワシが外に出してやる』


じいさんは突然突拍子のないことを言い出した。



読んでいただきありがとうございます。

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