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 恵美とニャオス、そして弁財天ROCKは、謎の荒野へと降り立った。


「この先を真っ直ぐ行けば、船着き場があります。元々は違う用途の船ですが、最近はビジネスの幅を広げているそうです」


 車掌が荒野の向こうを指す。


 頭上では、翼を持った双頭の怪獣や、空飛ぶカメの怪獣が元気に旋回していた。


「大丈夫かな?」


「行くぞ」


 怖がる恵美を、ニャオスが急かす。


 恵美とニャオス、弁財天ROCKは荒野を歩きだした。


 ニャオスによると『混沌』に近づくほど、世界は理屈を無くすという。


「助けてー!」


 女の悲鳴がした。


 前方から、スクール水着姿の美娘が走ってくる。


 そして、その後を奇妙な2人組が追ってきた。


 左の男は顔が「へのへのもへじ」の「へのへのも」で、かわいい虎の顔を描いたダボッとした服を四角い身体に着て、下半身は小さな象の顔で股間だけを隠している。


 右側の男は頭がニワトリで身体は裸だが、股間だけは微塵(みじん)も見せない絶妙な動きで、右手に大きなフォークを持っていた。


「「待ってー! お嬢さーん!」」


 スクール水着美娘が、恵美の後ろに隠れる。


「あの人たち、しつこくて!」


「ええ!?」


 先頭に立たされた恵美が焦る。


「お! 新しいお嬢さんが2人も!」


「ソーラーパネルに興味はありませんか!」


 へのへのもとニワトリ頭が、恵美の肩を掴んだ。


 すごい迫力だ。


「わー!」


 さすがに怖い。


「私に任せて!」


 弁財天ROCKが琵琶を持ち、弾き始めた。


「Everything is My biwa! 私の琵琶を聞いて!」


「「おお!」」


 へのへのもとニワトリ頭が驚き、すぐに盛り上がる。


「ビワビワー!」


「「ビワビワー! イエイエーイ!」」


「ビワッ、ビワ! さあ!」


 弁財天ROCKが恵美に目配せする。


「ここは私に任せて先に行きなさい!」


「ええ!? 急に!?」


「ありがとう! 今まで楽しかったわ!」


 涙ぐむ弁財天ROCK。


「知り合ってから、そんなに経ってないよ!?」


「いいから! また来世で逢いましょう!」


「死ぬの!?」


「本人が言ってるから、いいだろう。先に行くぞ」とニャオス。


 すると、スクール水着美人がついてきた。


「ありがとうございました」


「いえいえ。弁財天ROCKさんのお陰なので」


 恵美が後方で、やたら盛り上がっている3人をチラッと見る。


「あたしは反乱軍のスクールスイムスーツ真田(さなだ)といいます」


「名前、長くない!? てか、反乱軍!?」


「はい。仲間たちといっしょに、悪のロボット帝国と戦っています!」


「悪のロボット帝国…?」


「はい。奴らは人間を支配しようとしています。あなたたちも反乱軍に参加しませんか?」


「いえ…よく分からないので、やめておきます」


「そうですか。残念です」


 しょんぼりするスクールスイムスーツ真田、略してスクスイ真田は恵美たちと共に歩いた。


 彼女たちの地下アジトも、同じ方向にあるという。


 しばらくすると突然、大勢のロボットたちに包囲された。


「え!? 何々!?」


 慌てる恵美に、スクスイ真田が「悪のロボット帝国です!」と教える。


「これが!? ニャオス!」


「やるか?」


 ニャオスの3つ眼が光った。


 その時。


「「俺たちに!」」


 急に声が響き、ロボットたちを飛び越えた2人の男が、恵美たちの(そば)に着地した。


 1人は金髪のターザンのようなマッチョ。


「ブレイン森田!」


 もう1人は眼鏡をかけ、黒い制服を着ている。


「マッスル豪田!」


「誰!?」


 恵美が、眼を丸くした。


「あたしの仲間です!」


 スクスイ真田が喜ぶ。


「攻撃なら、俺に任せろ!」


 ブレイン森田が、ムキムキな左腕の拳を握り締めた。


 そして右手の人差し指をこめかみに当て、両眼を閉じる。


「過去のデータから、こいつらはさほど高性能なタイプではないと分かる。数で押し切るつもりだな! だが個々の判断が弱い奴らには、必ずリーダーロボが居るはず! そして俺の計算によると、それはお前だー!」


 ブレイン森田が太い腕を振り、ロボットたちの最後方のひときわ大きな個体を指す。












































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