嬉しい知らせと悪い知らせ
ガンッガコンッ
車が色んなところに当たりながら走っている。
今は、妹に運転を頼んでいるのだが、一つ大事なことを忘れていた。
それは、妹が、ペーパードライバーだったことだ。
あぁ、どうして頼んじゃったんだろう。こんなん、修理費いくらになるの。お金に羽が生えて財布から飛んでいきそうだよ。
そう考えていると、後から、ドタドタと走る音が聞こえてきた。
「茉奈!」
後から、大声で呼ばれて、後を振り向くと、父が立っていた。
「お父さん、どうしたの?」
「あのな、急なんだが、良い知らせと悪い知らせがあるんだ。どっちから聞きたい?」
唐突だな。うーん、良い知らせと悪い知らせか。迷うな。
「なら、良い知らせから教えて。」
「分かった。良い知らせは、そろそろ、キャノラ帝国につきそうだ。」
もう、そんなに走ってるのか。思ってたよりペースが早いな。
「次に悪い知らせだがな。」
父が間髪入れずに話してきた。
「悪い知らせは二つあってな。一つ目は、この車の修理費を見積もってみたんだ。結果は、約150万だ。」
「……ひゃ、150万?!」
余裕で、中古車一台買えるかかるじゃん。
ちょ、貯金が消える
「嘘。じゃないよね?」
「本当だ。フロントと、バックのフレームの歪みに、ヘッドライトの損傷。他にも、細かい傷があって、諸々計算したら大体150万以上になった。」
どうしよう。
お金がほんとに消えてく。もう、中古車買おうかな。でも、また改造するの面倒だし。あぁ、修理しなきゃなのか。
「それで、もう一つの悪い話なんだが...」
そ、そうだった。もう1個、悪い知らせがあるんだった。
「なに?」
父は、黙って目の前に紙を差し出してきた。
その紙には『婚約破棄の手続き』と書いてあった。
「これなに?」
「前、決まっただろ。茉奈と誰だ。えー、そう。ノエル様?とかいうやつとのだ。はぁ。やっと、茉奈にも春が来たと思ったんだが。」
...あー。そういえば、確かに、そんなのをした気がする。
でも、あんまり、興味なくて、忘れてた。
その紙には、続けて婚約破棄の理由として『職務怠慢。品が欠けている。』などが何個も並べてあった。
だが、私の心にはあまり響かなかった。
特に、何かやっておけばよかった。などとも、思わない。
ふーん、そうなんだ。という気持ちだけがある。
なんなら、怒りまでわいてきた。
ファックスで、書類を送れと言ったのに送られてこない。これが初めてのファックスだ。
それに、予定表とかも貰ってないから会議とかわからんわ。
そして、紙の最後の文を見て私は驚いた。
『つきましては、一度王城にお越しいただき破棄の書類にサインをお願いします。』
相手から婚約破棄を言い渡してるのに、私が出向くのか。普通、相手から出向くのが筋ってもんじゃないの?
はぁ。めんどくさい。こんなんだったら押し切られずに断っておけば良かった。私は今更ながら後悔した。
まぁ、過ぎた物はしょうがない。どうせお呼ばれされていくんだったら、一泡吹かせてやりたいよね。
さぁて、何しようかな。




