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1-6 ゴーレムとはなんぞや

 『ゴーレムファイター』における『ゴーレム』とはなんなのか。

 ここらでひとつ解説しておこう。


 この世界において、まず『精霊』というものが科学的に確認されている。

 精霊というのはゲームや漫画に出てくるような、一般的にイメージされるものと相違ないと思う。物や自然に宿る超自然的な存在……魔法の世界にでてくるようなアレだ。正しいかはともかく妖精に近いような。

 この精霊、物体や自然現象にある程度干渉することができるのだが、実体がないので直接見たり触れたりすることは出来ない。人間とは互いに認識しあってるが、直接干渉できない存在だった。


 この精霊と触れ合いたいと願った科学者は何人もいた。

 やがてある1人がその願いを叶えた。

 精霊に人間と触れ合える体を与えて生まれたのが『ゴーレム』なのだ。


 ゴーレムを作るのに必要な道具は次の二つ。

 『精霊発見レンズ』と『メカキット』だ。



 精霊発見レンズは文字通り、精霊を視認できるようになるアイテムだ。理科の授業で使ったような折りたたみ式のルーペのような形をしている。

 原作ゲームではゲーム機のカメラ機能を使って発見する、という形式だった。


 メカキットは精霊に与える体である。精霊がメカキットのコアに憑依すると精霊の意志で手足が動き、物理的に世界に干渉できるようになるというなんだかすごい技術だ。

 見た目は強いて言うならプラモデルのパーツが一番近いだろうか。腕や足だけのパーツがセット売りされており、それを組み立てて小さなロボットみたいなものを作るのだ。

 組み立てられたメカキットは、大体チンチラくらいのサイズになる。


 このメカキットというのがなかなか奥深い物で、作中ではいくつかの会社がさまざまなシリーズを作って発売している。

 基本的に同一シリーズで組み立てるのが基本だが、互換性のあるパーツも多いので好みに合わせて組み合わせることもできるのだ。


 ゴーレムの作り方は以下の通り。

 あらかじめメカキットは組み立てておく。

 次に精霊発見レンズで精霊を視認できたら、レンズをメカキットに装着して精霊に話しかける。

 精霊がメカキットを気に入って憑依してくれたら『ゴーレム』の完成!

 好きな名前をつけてあげよう。


 ここで注意してほしいのが「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」という部分だ。

 精霊にも好き嫌いはあるので、持っているメカキットが気に入らなければ逃げてしまう。


 そこでキーになるのがメカキットの「シリーズ」だ。

 メカキットは「シリーズ」というなにかしらテーマを持ったパーツのセットがあり、テーマによって相性の良い精霊が設定されている。少し前に述べたようにこれがセット売りされているので、最初は同じシリーズだけでボディを組み立てる人が殆どだろう(詳しくは後述するがバラ売りパーツもある)。


 例えばゴウくんの持っていたメカキットは赫灼(かくしゃく)シリーズ。名前から察せられると思うが炎系の精霊と相性がいい。

 そんな感じで、メカキットのシリーズごとに相性の良い精霊が設定されている(設定されているというか、さまざまな精霊向けに開発・製作されているというか)。

 もちろん100%の確率で気に入ってもらえるわけではないが……。


 精霊の属性は完成したゴーレムにも反映されるので、炎系のゴーレムが欲しければ炎系のメカキットを、水系のゴーレムが欲しければ水系のメカキットを用意して精霊を探しに行けばいい。


 また、ゴーレムになった後もコア以外のパーツは交換できる。そのため、全パーツバラ売りの販売がある。

 パーツの性能は千差万別なのでゴーレムファイト大会なんかでは対戦相手に合わせてカスタマイズすることも多い。ただし、パーツの組み合わせに関して多少の規格があるので、絶対に組み合わせられないシリーズも存在する。

 ゲーム版は対人対戦用のガチ構成から見た目重視の構成だったり、何かしらのロマン構成だったり、いろんな組み合わせ方が楽しめるからもう沼で沼で……。


 さて、ではこのゴーレムは誰でも持てるのかというと、実はそうではない。

 精霊が呼びかけに応じてくれるのは基本的に子供だけなのだ。


 作中ではメカキットの技術自体はかなり昔に確立されていたらしいのだが、この『呼びかけに応じるのは基本的に子供だけ』という特性についてはなかなか判明しなかったようで、実用化したのは大体10年くらい前という設定らしい。

 そしてこの10年で日本では10歳以上の子でゴーレムを持っていない子はいないと言われるほど普及している。


 子供たちの良き遊び相手になり、常にそばにいて悪い大人たちから超人的なパワーで守ってくれる。

 そんな(うた)い文句もある程度には、この世界でゴーレムたちは愛されている存在だと私は認識している。


 また、第一世代の子供たちはそろそろ大人になっているはずだが、ゴーレムがどうなったかという話は聞かない。いずれ作中で扱うテーマなのだろうか?

 ただ、メカキットのコア部分の経年劣化で自壊して事実上の死を迎えたゴーレムがいるという噂話はゲームのモブから聞けたような気がする……。それが本当なら少し悲しい話だ。



 ちなみにミツルのゴーレムは漆黒シリーズというメカキットに闇の精霊が憑依して生まれたゴーレムらしい。

 そんなゴーレムに「タルタロス」と名付けるセンスたるや……厨二心をくすぐられますな。


 漆黒シリーズのメカキットは原作ゲームの2までに登場はしていなかった。きっと3から買えるようになるメカキットなのだろう。

 ミツルの記憶によれば、数年前のイベントで数量限定で先行販売されていたメカキットだったらしい。

 ただ、最近になるまで本販売されていなかったようで一部では『曰く付きのメカキット』とも言われているのだとか……。

 ミツルが名付けた当時はそう言われていなかったのだろうけど、曰く付きのメカキットから生まれた冥界の神の名を持つゴーレム……。意味深というか、少しぞっとしないというか。

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