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もう無理ぽ~

 そのままミノルの家に行くと待ってたし!といって、部屋にあげる。

 重い荷物を持ち、階段を登る真田さん。見かねたミノルの弟が持ちますよとさりげないやさしさを見せ、大体持ってくれていた。

 当のミノルは気にせず登っている。


「マジで多いねー! すごいあるじゃん!」

「そりゃ必死こいて勉強してたからな……。一応大学卒業する範囲まではすでに頭の中には叩き込んでる」

「うへぇ……」

「嫌な顔すんな。お前はこれからこの参考書を開くんだぞ」


 そういって、真田さんは机の上に参考書を広げた。

 ちょっと古いけれど今でも割と通用する参考書。私は勉強は割と好きなほうだったからガチでいいのを選んだ記憶がある。


「その参考書、多分重要なところに蛍光ペンで印付けてるはずだから」

「あ、ほんとですね。歴史とかで覚えるべき重要事項はわかりやすくなってます。あと、何気ないところにも?」

「ん? ああ、それは比較的問われるところ。教科書って大体太字なのは単語だけだからな。なぜ、なにというのは太字と色を分けて引いてるはず」

「そうですね。へぇ、ここが重要なんだ……」


 と、さっそくペンを持って勉強をし始める真田さん。一方のミノルは。


「あ、落書きだー!」

「落書きじゃないっての……。なぜおまえは一番鬼門の数学から入った」

「見てみて、うち絵超うまいの」


 すでにやる気を失っている。勉強するつもりあるのかこいつ。


「あのなぁ。勉強でやる気なくなるのはわかるけど、ちゃんとやんないと本当に教えないからな」

「はい、やります!」


 そういうと、素直に向きあうが数分後。

 ぷしゅーというような音が聞こえるくらいにはダウンしていた。証明で行き詰っているという。証明は割と楽だと思うけど。

 

「無理ぽ~……」

「頭がショートしたみたいですけど」

「もうちょいがんばれよ……。名前こそそんな難しそうなもんつけてるけどやることは簡単でしょうが……」


 国語などと違って答えは確実にあるんだから。

 ま、一朝一夕でやれというのはさすがに無理があるか。真田さんも疲れてるだろうしな……。


「テストはいつからだ?」

「二週間後くらいでしょうか」

「わかった。じゃ、ヤマ張っておくからミノルはそれだけ覚えろ」

「それでいいんですか?」

「赤点採らなきゃいいんだよ。こうでもしなきゃミノルパンクするわ」

「優しいんですね」

「力量を見極めてるだけだよ」


 ミノルは限界だろうな。

 

「ほら、ミノル。ゲームやるぞ」

「げーむ!」


 ゲームというと、飛びおきて、ヘッドギアの準備をし始めた。真田さんもやれやれといった感じで、カバンからヘッドギアを取り出していた。

 なんだよ、真田さんもやる気満々じゃん。


「真田さん持ってきてたんだ」

「こういうことになると思ってましたから」

「さすが。わかってるね」

 

 勉強に耐えられなくなったミノルはそのままログインしたのだった。










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