スイーピーが仲間になった
スリープバタフライはその目でこちらを見つめる。
仲間にしますかというアナウンスがあり、私はどうしようかと悩んでいる。仲間にするのはいいけどどうやって連れ帰るのか。
「……ま、いいか。考えるのは後にして仲間にしよう」
「するのー?」
「ああ。ま、眠りというのは厄介なものだからな……。味方になるなら心強い」
そういうと、やったぁーといわんばかりに飛び回る。
《スイープバタフライをテイムしました》
《名前を付けると召喚できるようになります》
《名前を付けてください》
と、名前を付けるように言われたのだった。
名づけるにしても、私は正直言ってネーミングセンスはほぼほぼない。割と安直な名前を付けることが多い。
そうだな……。
「名前か……」
「このちょうちょさんの名前決めるの!?」
「ん? ああ」
「ならスイーピーちゃんがいいと思います!」
「あ、それいいな。採用」
私はミノルの意見を採用することにした。ミノルはノリで出しただけだが、一番しっくりきた。私はスイーピーと名付けると、蝶は嬉しそうに舞う。
そして、私はスイーピーが召喚できるようになったというアナウンスを聞き、その後ろにある薬草をつませてもらった。
「さて、帰るか」
「そうだな! ははは! 楽で助かったよ。君に相談して正解だった!」
「そりゃどうも……」
たしかに楽に終わったがそれは私の捨て身の攻撃があったからだろう。あの捨て身の攻撃で一撃で沈めたのだから早くないわけがない。
あれで私も一度死んで蘇生魔法かけてもらったぐらいだからな。
「でも捨て身だけであんな威力でるものなのですか?」
「あれは一応スキルになったよ。身を焦がす流れ星って言ってね……」
あれは飛んでいるときにしか使用できないと書いてあった。飛んでいるときに真っ逆さまに捨て身で突進する技。
魔法陣を生成し、それを蹴り加速する。魔法陣は小さな爆発を起こすらしく、その爆風も加算されて加速するらしい。そして、使用者にも大ダメージが与えられるという本当に捨て身の技。
デメリットがある技なので威力も段違いだ。
「なるほど。それならばあの威力は納得でありますな」
「だろ? ま、あれはもう二度とやりたくないけど」
きっとHPを高めれば死なずに済むのかもしれないが、今の私はHPは低いので使うと確実に死ぬ。蘇生魔法がないと普通に死んで10分間ログインできなくなってしまう。
なのでまぁ、これは負けが確定した時の奥の手のようなものだ。共倒れという選択肢をとることができる。共倒れ、あるいは道連れともいうが。
「でも魔法陣を蹴って加速するのはなんかすごいかっこよかったですよ」
「わかる!」
「あれは僕でも美しいと思ったね」
あれかっこいいか?
「あれもっかいみたいなー!」
「バカ言うな。今度こそ死ぬわ」
蘇生魔法使えるMPもぽんぽこには残ってないだろうしな。




