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弥勒さんが訪ねてきたらしい

 ゲームでアーガイルというグループが粛清された。

 SNSでノーハートエンジェルの祭りという単語がトレンド入りしてるくらいには有名になったらしく、私を見かけると心無き天使と呼んでくる人が増えた。


「うちらがログアウトしてるときにー! 有名になってずるいー!」

「いや……なるつもりはなかったんだけどね」

「そんな面白いことをしていたとは……。実に面白い!」

「面白くねえっての」


 こちとらそこまで有名になりたくなかったんだけど。


「あ、そうでした。シグレ殿。なんだか昨日、弥勒さんが家を訪ねてこられましたよ」

「家を……?」

「シグレ殿はおるかと聞いてきたのでゲームの最中だと告げたらまた来ると言っておられました」


 弥勒さんが? 私に何の用だろう。

 わからないな。また来るって言ってもいつ来るかわかんないし……。


「ミノル、ちょっとお願いしたいことがあるんだが」

「なにー?」




 私はミノルと……なぜかミコトとハルサメもついてきて、弥勒さんの会社に来たのだった。

 記憶だよりというか、調べたら普通に出てきたので、ここなのだが、問題は入れさせてもらえるかどうかなんだよな。

 ミノルは躊躇せずに中へと入っていく。


「いらっしゃいませ。本日はどのような御用でしょうか」

「社長さんに会いたいんでーす!」

「アポはとられましたか?」

「とってません!」


 素直にそういうので、すいませんがと断られる。

 すると、ミコトが。


「夜桜 時雨が来た、と電話してくれれば社長もわかります」

「は、はぁ」


 と、受付の人が電話をかけると、すぐにはい、はいとかしこまった対応に。


「わかりました。そのような旨を伝えておきます」


 と、電話が切られた。


「通せということでしたので、どうぞ。社長室は最上階にありますのでエレベーターをご利用ください。それと、これを首に下げてから入ってくださいね」


 と、入館証を手渡された。

 重要お客様と書かれた入館証。


「これがありませんとエレベーターも利用できません。では、どうぞ」


 そういって、私たちは歩き出した。

 自分で来られればよかったんだけどな。私はこの体だし誰かに連れてきてもらうしかないんだよね。休みの日でよかったと思う。

 

 エレベーター前につく。


「えっと、ボタンないけど?」

「そうだね……」

「その横のパネルに入館証をタッチするんだよ」

「そうなの?」


 ミノルがかざすと、少したってピンポーンと音が鳴り、エレベーターの扉が開く。


「うわぁ、ハイテク!」

「入館証が必要なのはこのせいだ。最上階に弥勒さんがいるから……」

「この会社って割と高かったよね?」

「だからちょっと時間かかるぞ」


 エレベーターの扉が閉じる。

 しばらくして、ミコトがある疑問を口に出した。


「止まらないね。誰も乗り込まないのかな?」

「止まるわけがないんだよ。これは本来社長専用のエレベーターだからね。一階と最上階しか行かないんだよ」

「ほかの人とか上に登るときどうしてるの!?」

「ほかにもエレベーターがあるんだよ。このエレベーターは重要お客様と書かれた入館証か、社長の入館証がなければ乗れない激レアエレベーター」

「へぇ。よく知ってるね」

「そりゃ小さいときに連れてこられたことあるし」


 昔と変わってないのが怖いけど。

 すると、ピンポーンと音が鳴り、扉が開いた。


「社長室はまっすぐ行けばいいよ。社長室って書いてあるから」

「おーけい!」


 それにしても何のようなんだろうな。









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