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ドッキリ

 私は宿屋の前に行くとミノルたちが私たちを待っていた。

 私はそのままミノルたちに挨拶を。


「待たせたな」

「待った……っていやあああああああ!!!」


 と、ミノルが思いっきり飛び上がった。その姿が実に滑稽で思わずあははって笑ってしまう。


「な、なんだい? その姿は」

「幽霊……?」

「いやあ、探し物してたらね、ちょっと体だけ封印されちゃって。魂だけの状態なんだよ」

「だからそんな状態たんですね」


 今の私はミノルが嫌いとする姿。

 ミノルはビビってハルサメの後ろに隠れている。


「ま、しばらくはこの姿だから。戦いも多分できないんだよね」

「そ、そうですね。なんか魔物扱いになってますから……」

「そうなの?」

「アンデッドとなってます」


 そうなんだ。アンデッドってことはこいつらに攻撃できちゃうってこと?

 やってみたいが……。そうだな。


 私はハルサメに近づいて、胸に手を突き刺す。すると、ハルサメの体を通り抜け、ミノルの体を掴めた。


「ほわあああああああ!?」

「すごいでありますな」

「なるほど、すり抜けたいと思ったらすり抜けられるんだな」


 私はハルサメの体をすり抜けると、ミノルが涙目だった。

 ぷるぷる震えており、生まれたての子鹿のような感じ。すると、ひぐっ、ひぐっと初期微動。


「やべ」

「うわあああああああ!」


 と、大声で泣き始めた。


「やりすぎた」

「シグレさんって限度とか多分知りませんよね?」

「ミノルくん。泣き止みたまえ」

「ごめ、撤収するわ私」


 私は急いでイオリのとこに戻り、馬車に乗り込む。そして、イオリに急いで王城に戻ってくれと告げた。

 イオリはやれやれと言った感じで肩をすくめ、馬車を走らせる。


 これは後で何か埋め合わせしなきゃな……なんて、思いながら王城へ向かった。


 王城に入り、書庫に向かうとハピナが既に待機していた。


「遅かったですねー。どこ行ってたんですか?」

「まあ、ちょっと。で、わかったの?」

「もちのろんです! 意外と簡単で、封印されてるページを破り取ればいいんですよ」


 そういってページを破るハピナ。私の体がぽんっと飛び出していた。

 私は自分の体に触れると、視界が一瞬暗くなる。


「よし、戻った」

「良かったですね」

「ふぅ。騒動に巻き込んでしまいすいませんでした」


 私は立ち上がり、埃を払う。


「これ、その、お詫びと依頼料金ですね」


 と、金と、スキルの書を手渡してきたのだった。

 Bランクスキルの書ということで、割と強いスキルばかりなんだが、私はいいかな。お詫びとしてミノルに渡そうか。


「さて、帰るか……。疲れたし寝たいかな」

「送りましょう」


 私は宿屋まで改めて送ってもらったのだった。






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