表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/326

レインオルト

 レベル上げをしていると午後になる。

 二人は昼食を取ってくるというのでパーティを解散し、今度は私一人で魔物を狩ることにした。

 現在のレベルは15。レベルアップに必要な経験値量が増えてきて一レベル上げるのにもここら辺の魔物だと少し厳しい。


「場所変えるか……つっても変えたところでなんだよな」


 地図を開いて見てみると、行けない場所は黒く塗りつぶされている。

 なんらかの関係でいけないってことだろう。


「ならエリアを解放する方法を見つけるしかないけど……。こういうのって始まりの街にそういうキークエストがあるんだよな」


 私もシンゲンたちについていきゃよかったか。


「とりあえず戻るか……。素材も十分貯まったし売り払って武器でも買って、かな」


 私は始まりの街に戻ることにする。

 歩いてやっと見えてきた始まりの街。私は少し歩く速度を落としてゆっくり行こうとすると。

 突然空が曇る。そして、ポツリポツリと雨粒が私の頭に当たる。


「雨? なんでまた急に」


 その時だった。

 どこからか甲高い音が聞こえる。すると、私の目の前に何かが急降下し着地。砂埃が舞い散る。

 なんだ? 何が来た?


「キュアアアアアア!」


 天高く咆哮を上げるそれは。


「ドラゴン……?」


 肉厚で重厚感のある身体に鱗。トカゲと首長竜を足したかのような見た目をしているそれは紛れもなくドラゴン。

 ファンタジーでよくある存在が今私の目の前に。


「これ無理っしょ……。うち死んだくさい」

「キュアアアアアア!」


 ドラゴンは私を見る。

 鋭い目が私を見ている。


「あ、あれ? なんもしてこない?」

「キュアアアアアア!」

「うるっさ……!」


 なんで私の目の前に!

 こういうのって何か条件満たさないと出てこない奴なんじゃないの? ということはなんか条件を早くも満たしてしまったという感じ?


「何もしてこないなら今のうちに逃げるしか!」


 私は全力で走り出すと。

 私の体がどんどん空中に浮かんでいく。後ろを見るとドラゴンが私の服を咥えている。


「おわああああああ!?」


 私の体は上空に放り出された。

 私、死んだかも知れない。食べられるのだろうか。下ではドラゴンが大きく口を開けている。

 そのまま私の体はばくんと食べられたのだった。すると、私はどこかに着地する。


「ん? ここまだ喉程度じゃないか? なのになんでだ?」


 私は立っているものを見ると。


「なんだこれ。ドラゴンの大きな鱗……?」


 すると、ドラゴンが動いたのか地面が変わる。

 ドラゴンの鱗が刺さっている。喉に刺さっているからもしかして取ってほしくて飲み込んだ感じかな。

 しょうがないので私は力を込めてその鱗を取ってみる。


「ふぬ……!」


 全力で力を込めると。

 ズボォ!と勢いよく抜けた。私は鱗を手に持つと。突然前の方から強風が押し寄せる。私はそのまま地面に投げ出された。


「キュア」

「すっきりした?」

「キュア」


 それにしても雨が強い。まるで豪雨だ。


《レインオルトを助けました》

《レインオルトの加護を取得しました》

《スキル:雨ニモ負ケズ を取得しました》


 レインオルトの加護?


「キュア!」


 と、そのレインオルトと言われるドラゴンが大きく翼を広げる。

 それは困ったらいつでも助けに来ると言っているようで。


「助けに来てくれるんならありがたいね。ドラゴンは頼もしいから」

「キュアアアアアア!」

「いくのかい? じゃあね」


 ドラゴンはそう言って飛び去った。

 すると、雨が止んだ。どうやら雨はあのドラゴン付近で起きるものらしい。

 レインオルト……。調べてみるとしようかな。あれはいったいなんなんだ。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ