表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/326

日記を探せ! ②

 ハピナさんは禁書庫に向かった。

 私は一冊一冊タイトルを確かめては、わかりやすいように分類し、ジャンルごとに分けていく。片付けの基本はまずわかりやすくすることがから始まる。

 タイトルが書かれていない本は中を少し読んでみてどういうジャンルなのかを把握しておくのが大事だったりする。


「これいつ終わるか未知数だな……」

「本当ですね。私はあのハピナの自室を少し調べてきます。ここは任せてもよろしいでしょうか」

「まぁ、いいですよ」


 そういって、私は一人取り残されたのだった。

 次々片付けていき、私は埃かぶった一冊の本を手にした。真っ白な表紙で、中を開いてもなんにもない。

 なんだこれは。と思っていると。突然その本が光りだしたのだった。


「え?」


 私の体はそこに吸い込まれていく。


「ちょ、なにこれ!?」

「どうしたんです……って、ほわあああああ!?」

「え、え、なにこれなにこれ!?」


 私は全力で何かにつかまって吸い込まれるのは阻止しているが、もう下半身吸い込まれているので救いようがありません。

 ハピナさんは本を引っ張り、出そうとしてますが出ず。


「何の騒ぎで……って、なんですか今の状況は」

 

 イオリさんが私を引っ張り上げる。が、その抵抗もむなしく、私の体は吸い込まれていったのだった。そして、その時私の意識がぽんっと、飛んでしまったのだった。

 

 私はしばらくして目を覚ますと、本の上にいた。


「あれ、ここは?」


 周りを見ると、驚いたような顔をしているイオリとハピナがいた。


「どうなってるんだ? 私吸い込まれて……」

「……あ、あの、幽霊になってますけど」

「幽霊?」


 私は自分の体を見ると体が透けている。

 え、なにこれ。


「体だけがこの本の中に封印されたんでしょう。これは禁書ではないのですか?」

「どうだろう……。私禁書だけは持ち込まないようにしてますから……。多分私の前の司書さんが持ち込んだ禁書かもしれません」

「えっと、私どうすりゃいいんだ」

「封印する禁書にはもちろん解除する方法もあるので、少し待っていただけると! 禁書を漁って調べますから」


 そういってハピナが行ってしまう。

 イオリさんは私が封印されてる本を手に取り開いてみていた。すると、その本の中には私の顔をした人物が描かれており、綺麗に体だけ封印されたのだとわかる。

 ぺりぺりと爪ではがそうとしているがはがれるわけもなく。


「しばらくはその姿で過ごしてもらうことになりそうです」

「やっぱり?」

「探し物してもらってこんな目に巻き込ませてすいません」

「いや、いいけど……」

「この件が片付いたらお礼とお詫びいたしますので」


 といって、深々と頭を下げる。

 私は本の山に目を向けると。


「ん、あれ日記じゃない?」

「どれですか?」

「その、これ」


 と、一つの本を手に取ろうとするとすかっと通り抜けてしまう。


「あ、これですね。どれ……あ、これです! お手柄ですね」

「普通に置いてあったけど……」

「焦ってると見落とすものですね」


 イオリはそういって笑う。


「これで依頼は完了なのですが……。その姿を戻さないといけませんね。ハピナが禁書を漁って解決方法を見つけるまで一時間はかかるでしょうから……その間は王城内を私と歩いて見学するとかしかできません」

「いいです……あ、一つだけいいですか?」

「一つだけ?」

「友達を驚かせたいんですよね」

「あなたって見かけによらずサプライズ好きなんですか?」

「脅かすのは好き」


 特にミノルを。


「わかりました。影ながら見守ってます」


 と、少しいたずらのように笑うイオリ。

 ちょうどミノルから終わったよという報告があったので宿屋で集合しようと告げて、私はいざ宿屋へ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ