拷問具
私たちは先へと進む。
脱出口は一体どこにあるのだろうか……。それらしきドアはあるのだが、カギ穴がなく、開かないままとなっている。
「ん?」
と、なにかハルサメが気になっているようだった。
廊下で立ち止まった私にハルサメは足で床をどんとたたいている。
「どうした?」
「いえ……。ここだけ妙に音の響きが違うなと」
そういうので、私も床ドンしてみる。
そして、ハルサメのいるところで床ドンすると、なんだかこっちは下が空洞になっているかのように感じ、私は光の矢を地面に向けて放つと。
その地面は崩れおち、穴が出てきたのだった。
「おー、出てきたな」
「では、行ってみましょうか」
「そうだな……。だが、ハルサメがここに落ちたら落下ダメージで死なないか?」
「そうでありますな……。なら梯子のようなものがもしかしたらこの城内にあるかもしれないでありますな」
そうだろうが……。もたもたしてられないんだよな。
私はハルサメを抱える。
「なにをするのでありますか?」
「私が連れてくしかないだろう」
私は翼を広げる。そして、滑空の要領で降りていくと、地面が見えてきたのだった。地面にストン通りたつ。
薄暗い。私はとりあえず近くにあった照明魔道具を起動すると。私の目にはなんともむごいものたちが目に映る。
というのも。
「なんだこれは? 拷問器具か……?」
「いえ……処刑用の道具でありますな」
ファラリスの雄牛などのものがあれば、電気椅子のようなものもある。なんなんだここは。電気をつけてみてわかったが、この黒い染みというのはもしかして、処刑した人間の血だろうか。
なんともむごい。これは少年少女には見せられないだろう。いや、見せたとしても何の道具かはわからないだろうけどな。
「どうやら……処刑好きの王様のようだったらしいでありますな。血の匂いがこの部屋に張り付いております」
「そうだな……。とりあえずここを一刻も早く出よう。なんとも居心地が悪い場所だし」
私は翼を広げハルサメを持ち上げようとした時だった。
なにやら穴のようなものを見つける。それは人為的に開けられたような穴だった。私は翼をたたみ、その穴をのぞき込む。
「これは一体どこにつながってんだぁ?」
わからないこの穴。まだ未知数だった。
私たちはこの穴の先へ進むことにした。だがしかし、ハルサメはとてつもない嫌な予感があるという。
ハルサメの予感を信じるならば進むべきではないだろうけど……。
「……どうしたい?」
「……調べるためにはいくしかないであります」
「そうか」
私は行くといったハルサメの意思を尊重し、そのまま穴を這いずった。




