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王の帰還

 私は扉を開けて中に入ってみる。

 中には天蓋付きのベッドがあり、王冠が無造作に開けっぱなしのクローゼットの中にあった。ここは王様の自室だったようだ。

 私はとりあえず王冠を持ち上げてみる。


「この王冠……。もしかしたらどこかで使うのかもしれないな」


 持って行こう。

 ただ、王冠の下にはなにもない。王冠がかぶっていた埃を払い、私は今度はベッドの下をのぞき込んでみる。ベッドの下は何やら紙きれがあった。私は手を伸ばし、紙きれを手に取る。


「数年間、王がいなかったこの国は滅びを迎える……」


 暗号か?

 まぁ、言いたいことはわかるし、これが暗号だとするのならやはりここにきて正解だったかもしれないということだ。

 というのも、王がいなかったということは玉座に座る人がいなかったんだろう? 私が王様となればいいのかもしれない。


 私は頭に王冠をかぶる。


「ハルサメ、玉座の間に戻るぞ」

「了解であります」


 私はハルサメと共に玉座の間に戻る。

 そして、私はゆっくりと玉座に近づいた。カツン、カツンとゆっくりと。すると、少し空気が変わった感じがする。

 私はゆっくりと玉座に身を落としたその時だった。


《スキル:王の威厳 を取得しました》


 そういうアナウンスが聞こえた。

 王の威厳、か。効果はというと、受けるダメージが常時半分になり、一度だけ一瞬の間相手を行動不能のデバフをかけられるという。

 なんとも強力なスキルだ。一瞬だけだろうと行動不能にできるのはいいんじゃないか?


「王冠をかぶって王の貫禄があるでありますな」

「だろー?」


 すると。

 私が座っていた玉座の後ろから何かがはじけ飛ぶ。私に向かって破片のようなものが落ちてきた。私はその破片をキャッチすると。

 それは黄金に輝く金の鍵。


「鍵、ゲット」


 どこの鍵かは知らないけれど、鍵を手に入れた。

 あとは脱出する場所を見つけなければいけないな。そして、これを守りながらいかなければならない。

 他のプレイヤーたちは鍵を手に入れたのだろうか、そう思っていると再び玉座の間が開かれる。


「げ、先客が居やがった」

「見ろよあいつ。鍵もってるぜ?」

「……奪い取るしかなさそうね」

「やるかぁ!」


 と、男二人のペア、女二人のペアが私を見て剣を構えている。

 奪い取ろうという判断か。だがしかし、フレンドリーファイアには気を付けたほうがいい。私は光陰の矢を構える。


「今の私はテンションが高いんだ。返り討ちにしてやるよ」

「悪い笑顔でありますな。ですが、この昂りはわかる気がするであります」

「鍵をよこせ、素直に渡せば俺らは何もしねえ」

「……答えはわかっているだろうけどノー。私だって弱くはないんだ。そう簡単に奪えると思うなよ盗人が」

「そうかよ! 俺らだって伊達にゲームやってるわけじゃねえぜ!」


 男たちは武器を構える。

 魔法職が一人、剣士が二人、狩人が一人。私は影魔法を使用する。屋内だから影が多い。私は潜伏し、男たちの背後に回り込んだのだった。


「全力で守り切ってやるさ」








シグレのような不遜な王様好きですよ

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