表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/326

スコーピオン

 あの老婆……。ミノルをスコピオンという種族にしていくだけしていったのか?

 何が目的で……。私の弓矢もガードされた。レベルが違いすぎるのだろうか。まぁいろいろ考えることはあるけれど、まずは目の前のことだ。


「新たなスキルももらったよ! 毒突きだって!」

「蠍だからだろうな」


 毒突きはその尻尾に毒をまとわせて突く攻撃だろう。

 ミノルは変わった種族になった喜びがあるのか随分と嬉しそうだった。だがしかし、あの老婆は一体何だったのだろう。

 王騎士の詰め所にでもいって聞いてみようか?


 私はそういうと、背後から誰かが近づいてくる音がした。


「あれ? 君たち……」

「イオリさん?」


 鎧を着たイオリさんが騎士たちを連れてきていた。


「その尻尾……! あの老婆と出会ったのか!」

「知ってるんですか?」

「ああ。彼女はですね、Aランク指名手配犯です。種族を変えるという研究をしていて人体実験を繰り返して人を殺しているという……! どこにいったかわかりますか?」

「またこの路地裏通ってどこか行きましたけど」

「情報ありがとうございます! おい、この路地裏の出入り口をまずは封鎖しろ!」


 なるほど。指名手配犯か。

 かなり凶悪なマッドサイエンティストみたいなものか。人体実験ねぇ。種族を変えるというのならたしかにそれがよさそうだが……。人をマウス実験のネズミと思っているのだろうか。それはなんともムカつくな。


「さっそくスキル使いたいからモンスター狩りにいこうよ!」

「お前随分と楽観的だな……。ゲームの中とは言え犯罪に巻き込まれてんのに」

「だってスコピオンなんて種族に変えてもらったもん!」

「それで喜ぶのお前位だろ」


 私はスコピオンなんかになりたくないよ。

 虫そこまで得意なほうじゃないし。カブトムシとか蝶とかそういうかっこいい、かわいい系の虫以外は本当に苦手なほうだ。蜘蛛はいけるけど。


 だがしかし、ミノルは違うようだからなぁ。

 私はミノルに半ば強引に連れていかれる感じで、王都郊外の魔物が出る森の中へとやってくる。すると、でかい熊とまた出くわしたのだった。

 熊は私たちを見て襲い掛かってくる。ミノルは熊の攻撃を正面から受け止めた。


「毒突き!」


 と、蠍の尻尾が熊の脇腹を突く。

 どうやら毒状態になったようで、少し苦しそうな顔をしている。じわじわと体力が削れて言っているようだった。

 そうか……。ミノルは防御だけは高いから受け止めて毒を入れるということができるか。受け身のミノルにとっては割といいカウンターかもしれないな。

 ただ、毒耐性があった瞬間に終わりだけど。


 そして熊は、毒で体力が尽きたのか地面にドシンと倒れこんだのだった。


「よっしゃー! 一人で倒せなかった熊も倒せるようになったー!」

「おめでとさん」


 熊にはたくさん殺されてきたからね。それは喜ばしいことなんだけど……。


「さっさとポーション使って回復しなよ。無傷じゃないんだからさ」

「はーい!」


 ミノルは受け身の戦いなのでどうしてもダメージが入ってしまう。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ