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幸先

 ランダムスキルの書で手に入れたものはなんだって記念になる。

 ま、こういうのは本当に運がよくないと当たらないだろうけどさ、高ランクのは。だがしかし、夢は見たっていいよね。

 来い、高ランク!


《スキル:影魔法 を取得しました》


 影魔法?

 私は店に置いてあったランク表で確認してみる。すると、影魔法はなんとSランクという項目にあった。

 ま、まじで?


 影魔法について調べてみる。

 影魔法は他人や物の影の中に身を隠したり、自分の影を操作して相手を縛り付けたり、自分の影に潜り移動したりなど割と特殊な魔法らしい。

 また、影魔法を使っている間は実体がなくなるので物理攻撃は受けないとも書いてある。だがしかし、影になっている状態だとMPが徐々に減っていくという。


「強そうなスキルでまさかの高ランク! っしゃあ!」

「えー! ずるい! うち風魔法だったのに!」

「やっぱ笑う門には福来るんだよ!」


 私は運がいいな!

 

「で、なんていうスキルなん?」

「ちょっと使ってみる」


 私は影魔法を使ってみた。

 すると、私の体が黒く染まる。そして、私はミノルの影に思い切り飛び込んでみると地面が丸でプールのような感じになっており、影に潜り込めた。

 ミノルがなにと移動すると、私の体もそれに合わせて移動する。なにもしてないのに移動する。


「潜伏解除」


 そういうと、私の体が浮き上がり、地面に立てるようになった。

 今度は自分の影に……。すると、地面がまた液体のようになり、今度は自由に移動できるようだ。すいーっと地面の中を移動してるような感覚になる。


「すげー! これ便利だな!」

「ちょ、シグレどこいるん!」

「ここだよ」


 私はミノルの後ろに立つ。

 私は影魔法を解除した。


「影魔法つって影の中に入りこめたり……あとは」


 影魔法で自分の影を伸ばす。影は地面から飛び出てミノルを縛り付ける。


「う、動けないい!」

「こうやって縛り付けたりできるんだ」

「うちで試す必要ないじゃん!」

「あはは。自分で体験したほうがわかりやすいっしょ?」


 私は影魔法を解く。


「いいなーーー! うちもほしいー! おじさん! もっかい!」

「次からは百万ブロン必要になるけど……」

「百万!? 無理っしょ!」

「初回だけめちゃくちゃ安くなってるからね。初回で当てなくちゃダメなんだよこういうのは。割とこれはクソなシステムな気がするけど」

「うううう、もういいもん! 風魔法だってすごいもんね! たぶん」

「そうかもな」


 ランクが低いからって外れというわけではないだろう。

 私たちはスキル販売所を後にする。次に行く場所はどこにしようか。そろそろ職業を決めたいんだけど……。

 ミノルは少し不満げな顔なんで少し慰めるものが必要だよな……。


「……じゃ、もっかい引くために私たちで百万貯めようか。それでいいだろ?」

「うん! でもシグレも引くなら二百万だね?」

「私はいいよ。影魔法だけでまだ十分」

「いいの?」

「いいよ。ま、その代わりそれで外れたとしても恨みっこはなしな」

「うん!」


 というので、私たちの目標は百万ブロンを貯めることになった。

 

「ま、まず目標達成のための必要な準備をしておこう。職業とか武器とか……。私たちは無一文だからまず金を稼がないとな」

「バイトかー。コンビニならできそう」

「コンビニバイトなめすぎっしょ。っていうかバイトじゃなくてモンスターを狩るんだよ。モンスター狩って素材を売って武器や防具を新調してっていう感じ」

「そなの!? じゃ、さっそくいこー!」

「の前にもう夜遅いから明日な。明日学校終わってから」

「えー!」

「えーじゃない。私には必要ないけど生身のあんたは必要なんだよ。私も基本ミノルがいるときにしかやらないようにするから」

「わかった。じゃ、ログアウトしよっかぁ」


 そういって、私とミノルはログアウトしたのだった。









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