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ごめんなさい

 私はログアウトするとミノルがニヤッと笑ってこちらを見ていた。

 ミコトたちも集まっていて、なんだと考えていると。


「ねえ、みんなで生前にシグレが住んでたアパートに行こうってことになってさ!」

「私の?」

「そう。部屋とかワンチャンそのままじゃないかって!」


 あー。そうかも。

 そのままかもしれないしいずれ片付けられるかもしれない。

 だがしかし入れるのだろうか。


「入れんの?」

「鍵だけ持ってきたんだよね」

「それ犯罪」


 なんであるんですか。

 ミノルたちは妙に乗り気のようで早速行こうと言って靴を履く。


「ねー、真田さーん。シグレって中学の時どんなんだったの?」

「途中から転校して来たのでよくわかりませんが……」

「転校してきてたの!?」

「……まぁ。色々あってな」


 思い出したくもない過去だ。

 そう思いながら私の住んでいたアパートに近づくと。


「あれ、シグレの部屋の前になんか知らない人たちいるよ? やっぱ取り払われたのかなあ」

「…………」

「あ、目があった。ども……」


 すると、カツ、カツとヒールの音を鳴らして近づいてくる。

 その女性はミノルの肩を掴んだ。


「あ、あなた……夜桜 時雨って女の子を知らない?」

「え、シグレ知り合いなの?」

「…………」

「知ってるのね! あの、ここに住んでいたはずなのだけれどどこに行ったかわかるかしら」


 そういうと、馬鹿なミノル以外はなにか察したようだ。みんなの間に沈黙が流れる。

 会いたくなかったなあ。なんて思いながらも私はただひたすら黙っていた。


「えっと、シグレは死にましたよ?」

「え……」


 そういうと、その女性は崩れ落ちる。


「嘘……」

「えっと、どちらですか?」

「あ、私たち……その、シグレの家族です」


 今目の前にいるのは私の家族なのだ。


「ふむ、夜桜という名前は聞いたことあったが……。なるほど。シグレは名家の生まれだったのか」

「えっと、不死帝家の分家でしたっけ」

「……不死帝家は自分も耳にしたことがあるくらい有名な富豪の家ですが」

「その分家の出?? シグレが??」


 知られてしまった。隠しておきたかったのに。


「えーと、その夜桜さんがここに娘さんが亡くなってることも知らずきた、と」

「……はい」

「一言言わせてもらうが、それでもシグレの親なのですか?」


 ミコトが強い口調で責め立てる。

 これは後で追及は免れないなと思いつつ、私は仕方ないので声を上げる。すると、母さんがどこと言いながら私の名を呼んだ。


「このミノルのスマホの中。ミノル、もういいから私を見せてやれ」

「……うん」


 ミノルは私を家族に見せる。


「し、シグレ!」

「ったく、何のようだよ……。私のことなんかとっくに見限ってるくせにさ」


 私は突き放すようにそう言うが、母さんは私が入っているミノルのスマホをガシッと掴む。


「シグレ!」

「もう白けた。行こうよ」

「でも……」

「いいから」


 私はそう促すと、ミノルたちは後ろに踵を返し、歩いて行く。背後からごめんなさい、ごめんなさいと必死に謝る声がする。

 

「ごめんなさいと謝っているが……あの方達は君に何かしたのかい?」

「……なーんもしなかったさ(・・・・・・・・・・)


 しょうがない。

 私のことを少し話すとしようか。私は自分のことそこまで言いたくないんだけどな。

 ミノルたちにならまあいいだろう。知られてしまった以上、母さんたちが自分たちの持てる力を使ってくるかもしれないしな。


「しょうがないから話してやるよ。私が転校した経緯」











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[一言] 不死帝家って弥勒のかな!?フォーー!
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