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星の守り人

 星空をハルサメと眺めていると。きらんと何かが光っていた。


「流れ星だな」


 流れ星。だがしかし、なんだかその挙動がおかしい気がする。

 というのも、消えることがなく、こちらにめがけて落ちてきているような気がする。気のせいだろうかと思っていたが……。

 その瞬間、王都門前付近から轟音が聞こえてきた。


「なんだ!?」


 私たちは門を飛び出すと、そこにはでかく空いた穴。隕石が降ってきたようで、大きく地面がえぐれていた。

 私とハルサメはその隕石に近づく。


 すると、その隕石から何か黒いものが飛び出してきたかと思うと、私とハルサメを包み込んだのだった。


《天使の力が未知の力を跳ね返しました》

《未知の力は屈服しスキル:心無き天使 を取得しました》


 未知の力を天使の力が跳ね返した? スキル心無き天使?

 心無き天使の詳細を見てみると、私の攻撃の威力が全体的に上がるということだった。煌雨の弓の矢の威力も、光陰の矢の威力も総じてあがるのだという。これは妨害されることはないということだった。


「なんなのでありますかこれは」

「……うおっ!? ハルサメ、なんかめっちゃ髪が宇宙色に……」


 ハルサメの髪が宇宙のような星空になっている。

 髪の中で星がきらめき、目の瞳孔も星形のようになっていた。


「なんか種族が変化したようなのであります。星の守り人という種族になったようであります」

「へ、へぇ……」


 種族の変化。この隕石に触れただけで起きる。

 私は隕石のほうを見ると、なにやら風化していき、チリとなって消えていったのだった。もしかしてこれ最初に触れた人にこうやってスキルとか種族を変化させる感じなのか?

 私の場合天使の力が跳ね返したようだが……。


「あ、いた! ハルサメさん、シグレさん!」

「おお、なんと美しい姿! 僕は嫉妬してしまうね!」

「天使と宇宙?」

「あー、ずるーい!!!」


 と、ミノルが駆け寄ってきてハルサメをじっと見ていた。次第に頬を膨らませていき、ミノルはずるいとぽこぽこハルサメをたたく。

 

「なんで二人ともそんなに運がいいのーーー! 私も天使になりたーいー! そんな宇宙のような髪になーりーたーいー!」

「運の良さはわかりませんな」

「翼ちょーだいよ!」


 と、ミノルが私の翼をひっぱってくるが当然取れるはずもなく。


「なんで私だけぇ……」

「いいじゃないか。ミノルだって王騎士になったんだろ? それだって十分特別だよ」

「そうだけど、そうだけどぉ。見た目変わんないじゃん! 天使とかのほうが可愛いもん!」


 見た目の問題かい。


「何がトリガーで変わったんですか?」

「隕石を触っただけでありますが」

「隕石か。ふむ、先ほど流れ星が落ちたからね。その流れ星の影響だと考えたほうがいいだろう」

「よし、流れ星落ちてこい!」

「そう願ったところで落ちてこないでしょ」


 流れ星というのは私も見たことがないからな。


「いつか私だって特別な種族になってやるぅ……」

「頑張れ」

「むぅーーー」


 頬を膨らませてるミノルは可愛いな。










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