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プライドの戦い方

 孤児のプライドを武器屋に連れていく。

 プライドは数ある武器の中から両手剣を選んでいた。プライドの体格と同じくらいの両手剣。持てるのか不安だったが、余裕で持てていた。

 というか。


「すげえな。両手剣を片手で……」


 バカでかい大剣を片手で軽々しく持っている。これがさっきまで飢えていた子供とは到底思えない。今、魔物を狩らせてみてるのだが。

 雄々しく大剣を振り回し、魔物をいともたやすく切り裂いている。


「うへぇ。まじか」

「想像以上だね!」

「身のこなしが自分と同じくらい良いでありますな」


 ハルサメがそういうのなら本当にいいのだろう。

 プライドという男の子は戦闘することに関してはものすごく秀でているようだった。というか、ハルサメと同じような気迫を感じる。

 赤い目がきらりと光る。それは獲物を狩るような目。


 魔物との戦闘を終えて、返り血にそまった男の子は私のほうを見て笑顔を向ける。


「どうですか! 僕なりに頑張って戦ってみたのですが!」

「……ハルサメ。総評してやれよ」

「了解したであります。まずプライドの動きはとても良いでありますな。戦闘面に関しては天性の才能があると思ってよいでしょう」

「本当ですか!」


 嬉しそうにしているプライド。

 敵に回したくないな。この子は。私が戦ってもスキルなしじゃ絶対勝てる気がしない。私はいたって普通の女子高生なので勝てるわけがない。


「己の感覚を頼りに戦っていけば強くなれるはずでありますよ。言うことは……そうですな。己の力を過信しすぎるなということだけでありましょうか」

「はいっ!」

「引き際を見極めることも大事であります。命失くしては戦えませんからな」


 それは軍人生活における体験談か?


「はい! あ、ありがとうございます!」


 そういって深々とお辞儀。

 

「あ、あの、恐縮なのですが、お三方の戦い方も参考のために見ておきたいのですが!」

「私たちの?」

「はい!」


 そうキラキラした笑顔で言うプライド。


「つっても三人とも得物が違うしなぁ」

「もしかしたら魔法も弓も触れるかもしれないので!」

「……まぁいいだろう! 手ごろなモンスターを探そうではないか!」


 そういうので、王都付近を歩く。

 すると、目の前にクマのような魔物が再び現れた。


「まず私が行くよ」


 私は弓矢を構える。

 このクマはタフそうだから急所を狙っておこうか。威嚇のためかクマは立ち上がっている。私はそのまま矢を放つ。

 矢は勢いよくはなたれ、クマの心臓部分に当たり、クマを吹き飛ばす。一撃で倒れたのだった。


「よし、今日も絶好調」


 私は弓矢をしまう。

 これは割と普通の戦い方だった。プライドに見せるのならこれがいいだろうと思っているだけ。ほかの戦い方は影魔法で潜伏して不意をつくか、空を飛びながら光の弓矢を放つとか、絶対に他の人にはまねできない戦い方だからだ。


「ならお次は僕だね! あの上空を飛んでいる鳥でも狩ろう!」


 そういって杖を構える。


「スーパーノヴァ!」


 そういってスキルを使うと。

 上空で大規模の爆発が起きた。爆風が私たちを襲う。ミコトははーっはっは!と高笑いしながら立っていた。

 ノヴァでいいだろ。スーパーは使うな!


「爆発は派手でいいね! これが僕さ!」

「す、すごいですね……」

「めっちゃ燃費悪いからマネするなよ」


 私はプライドにそう言い聞かせた。


「最後は自分でありますな」


 そういって、ハルサメは突然後ろに走り出す。

 背後にいた謎の男の首を掻っ切っていた。


「これでよいでありますか?」

「うへぇ!? いつの間に背後に……」

「最初からいたでありますよ」


 嘘。気が付かなかった。


「とまぁ、戦いにおいて大事なのは周囲の気配を読み取ることですな。不意を突かれたらまずいでありますから」


 一番ためになります。










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