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拷問か?

 気がつくと真っ白の空間に戻されていた。

 ピンクの扉が目の前にあるけれど、開きそうにない。ゲームの世界から閉め出された?

 いや……。


「デスペナかこれ」

「みたいだよん!」

「おわっ、いきなり話しかけてくんな!」


 画面いっぱいにミノルの顔が映り込む。


「死んだら一定時間ログイン出来なくなるっぽいよ? 公式サイトで10分間ログインできないってさー」

「へぇ。テロ行為の反省かな」

「かもねー。強制的にログアウトさせる手段を作ったから閉じ込められることはもうないんじゃないかな?」


 なるほどな。考えてるもんだ。

 私たちは10分間ログインできないというわけかー。その間私はここでずっと暇してろと。

 すると、ミノルの部屋の扉の外から声が聞こえてくる。


『ミノルー、ご飯よー』

「飯!」

『おう、食べてこい』

「シグレも来るの!」


 いや、私見てるだけになるけど。

 だがしかし、抵抗はできないので仕方なく連れられる。私が入っているスマホをミノルは食卓に持っていく。


 カレーライスのようだ。


「これもう半ば拷問じゃんかよ」

「ん? どしたん?」

「ごめんなさいねえシグレちゃん」

「あれ、シグレさん連れてきたんだ姉ちゃん」


 この家族に私が認知されてるのもおかしいけどさ。

 いや、私は飯食えないのに目の前で美味しそうに食べるとこ見せられるのマジで嫌なんだけど。

 私はこういう存在だからお腹は空かないけど味は感じたいし……。


「ねーねーシグレー。カレーに生卵ってあうとおもうー?」

「知らん」

「よっしゃ、物は試しでやってみよー!」

「なんでお姉ちゃん聞いたの?」


 弟くんのツッコミがマトモなんだよ。


「ここ一年は私味なんも感じてないからマジで飢えてんのにミノルのやつ……」

「うちのお姉ちゃん馬鹿でほんとすんません」

「まったくだよ」


 まあ、あんな馬鹿だからこそ何も考えずに付き合えるんだけどさ。

 ミノルは生卵を持ってきてカレーに割って入れている。スプーンで黄身を割り、ルーに混ぜ込んだ。


「うーん、美味い! まろやかー!」

「食レポすんな」

「漬物もおいしー!」

「なあ弟くん。食べてるところ悪いんだがこの食卓から私を離してくれないか?」

「うん……ごめんなさいほんとに」


 私は弟くんの手で部屋に運ばれた。

 くそ、見てるだけで食べたくなってくる! マジでふざけんな……よ?

 ん、いや、待てよ? 前回のゲームでも食べれたんだよな、ゲームの中で……。となると、今回も食べ歩きできるよな?


「食べ歩くためだけにゲームか……。それもそれでどうかと思うけど……。でも味を感じたいのは事実なんだよな」





 と、色々考え込んでいるとミノルが食べ終わったのか食った食ったーと帰ってきた。

 

「さ、ゲームしよー! シグレのスマホも繋いでぇー」

「…………」


 扉が開いた。

 私は扉の先に行くと、服が強制的に変化する。復活した場所は噴水の前。

 地図を開いてみる。噴水広場という場所で、この始まりの街の真ん中にある広場。


 リスポーン地点はここらしい。


「お、レベル8まであがってんじゃん」

「えー!? なんでー!?」

「そりゃ……」


 熊を相討ちに持ち込んだからだろうな。

 あの熊の討伐の経験値は凄かったんだろうな。スキルポイントなんていうものもある。

 

「さて、と。ま、今日は職業つけるか」

「職業?」

「私たち今無職だから職業補正とか何もないし、職業スキルもない」

「いらなくない?」

「いるっての。そういう補正とかスキルはのちのち大事になるんだよ」


 私がそういうと。


「あーーー! スキル販売所だああああああ!」

「馬鹿ーーー!」


 私を引っ張ってミノルはスキル販売所という場所に行った。

 強制的に中に入らされる。


「おい、私の話聞いてなかったのか!」

「えへへー。でもこういうのドキドキするっしょ? 有用なスキル売ってるかもよ? ほら、初期金で……買えないね」

「そらそうだろ。でて……」

「あ、でもこのランダムスキルの書はギリ買えるよ!」

「全財産使うじゃんか!」

「こういう博打ドキドキするじゃん! ひこーよ!」


 と、私の体を揺さぶってくる。

 何度ワガママを聞けばいいのか……。まあ、仕方ないか。


「わかったよ。引いていいから」

「シグレも!」

「私も?」


 私も引くの?

 いや、イノシシの素材を売れば無一文というわけにはならないけど……。

 ま、いいか。時には冒険することも大事だな。


「よし、引こう!」

「おー、めっちゃいい笑顔!」

「笑っといたら福が来るからね」


 私は店員の人にランダムスキルの書をくださいと頼む。ランダムスキルの書はFランクスキルからSランクスキルまであるらしいが、高ランクに行けば行くほど確率が低いのだとか。


「こいこい! Sランク!」

「じゃ、使うか」


 私はランダムスキルの書を使用した。







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