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その埋蔵金は呪われている ②

 私は気がつくと暗闇にいた。

 たしか地図の中に引き込まれたはず。ここはどこなんだろうか。死んだわけではないのだが。


「どこだここ……」


 辺り一面に広がる暗闇。私の未来か?

 いや、まあ、ここは宝の地図の中と考えるのが妥当だろうけど……。

 さて、と。


「どうやってここから出るかね」


 出る方法を探さなくては。

 とりあえず、歩き回ってみようと思うと、なにか硬いものに躓き、転ぶ。

 私は躓かせたものを見てみると。


「なんだこれ、金の延べ棒……?」


 金やら何やらが大量に置かれていた。

 なるほど、多分地図に描かれていたところに来るとこの場所に来る仕掛けになってたのかもな。

 だから私が引き込まれた……。


「ん?」


 すると、空中に何かモニターのようなものが。

 みると、剣を構えたグライドと、翼を生やした弓を持った女の影が戦っていた。

 その影は空を飛び、空中から矢を放っているようだった。


「あれ……もしかして私か?」


 グライドと戦っているのは私の分身体みたいなものか?

 もしかしてグライドがあの影を倒さないと私ここから出られない? そしてグライド、見たところ遠距離攻撃なんて持ってなさそうだから延々と飛んでいる私に対して攻撃手段がない?


「あ、これ詰んだか?」


 相性が最悪すぎる。

 私は攻撃当たらないためには延々と空飛んでりゃいいし、弓という遠距離攻撃で攻撃できる……。

 これ詰んだくさいなあ。


「何で私翼なんか生やしてるんだ……。クソ、今になって後悔してきた……」


 グライド、勝ってくれ。勝って私をここから出してくれ。

 私の願いは届くのだろうか。

 グライドは剣を振っている。当たらない剣を見て私の影はグライドを煽って近づいている。

 何をしてるんだ私の影……! 舐めプは重罪だぞ……! あ、いや、舐めプしてもっと近づいて切られろ。


「ゲームでもこんな感じかよ……。なんで私はこうも閉鎖空間に閉じ込められる系が多いんだ」


 私はこういう風にされなければならないという呪いでもかかってるのだろうか。

 私昔からこうだ。いつもいつも……。いつから気にしなくなったんだろうな……。


「はあー、早く出してくれないかな……」


 私は財宝の上で横になる。

 目の前のモニターでグライドの戦いの観戦をしていた。

 すると、グライドは木によじ登り大きく飛ぶ。私の影になんと手が届き、羽を掴んでいた。

 そして、グライドと共に私の影が落下。そして、グライドは私に剣を突き立てる。


 すると、私の胸のあたりに何かが突き刺さっていた。


「へ?」


 影はニヤリと笑う。

 私の体力が減っている。もしかして、私の体力はあの影とリンクしている?

 あの影が殺されれば私も死ぬ……?


「うわ、マジでえげつね……」


 死にたくない。私はとりあえずグライドにフレンドメッセージを送ると驚いた顔で剣を引っこ抜いた。影は悔しそうな顔をしている。

 体力がもう殆どなく瀕死状態だった。


「どうすりゃいいんだろ……」


 この宝は呪われているな……。呪われてるからこそ私がこんな目に遭うんだ。

 呪われた宝を取ることは間違いなのだろう……。クソ、こんなことなら協力しない方が良かったな。


「とりあえずグライドに他の方法がないか探してもらおう」


 私が死なない方法を。








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