神々しいダイヤモンド
グルッグル鉱山は意外と近くにあった。
私たちはピッケルを持ち、中に入っていく。リンドウが欲しいのは鉄鉱石と宝石類。防具や武器に使いたいということだった。
「ここは魔物も出るので、用心していきましょう。僕もレベル低いのでサポートをお願いします」
「わかったよ」
暗いグルッグル鉱山内を進んでいく。
鉱石採取ポイントは鉱山というだけありたくさんあるようだった。宝石の類は出るのが稀だというので、結構粘ることになると思う。
私は採取してみると。
「あれ、なんか宝石出たぞ」
「もうでたの!?」
「うん。エメラルドみたいだけど」
エメラルドのようなきれいな緑色。
もしかしたらヒスイかこれは。ヒスイも緑色だしな……。宝石は詳しく知らないんだけどどうなんだろうか。鑑定スキル、持ってないからなぁ私。
「これはグルッグエメラルドっていう宝石みたいだね。早い……」
「宝石って何に使うの?」
「これは魔法使いの杖に使えるんですよ。設定上では宝石が魔法の威力を高めてくれるということでして」
「へぇ」
「エメラルドは風魔法の威力を強くしてくれるらしいんです」
エメラルドは風魔法?
「え、もしかして宝石によって威力強くしてくれる魔法違うの?」
「みたいですね。赤い宝石なら火の魔法や爆発魔法、青色系統なら水魔法というように変わってるらしいです。全部の魔法の威力を強くしてくれる宝石もあるようですが……。それはどこで採取できるかがいまだに不明です」
「へぇ。その宝石の名前とかはわかってるの?」
「ディヴァインダイヤモンドという宝石らしいです。宝石には大体とれる鉱山の名前がつくことが多いんですが、ディヴァインという鉱山はないんですよね」
なるほど。だからどこでとれるかわからない宝石か。
「もしかするとどこでも取れるけど確率がめちゃくちゃ低いだけじゃない? だからこういう風にがむしゃらに、掘ってくしかないと」
私は再び採取ポイントにピッケルを振り下ろす。すると、透明な何かが落ちた。私はそれを拾い上げてみると。
「えっ」
「なっ……!」
ダイヤモンド……? 話していた時に? 私はそのダイヤモンドを鑑定してもらうことにした。すると、それは間違いなくディヴァインダイヤモンドというものらしかった。
私の考察があっているかもしれないということだろうか?
「嘘……。えっ、もしかしてどこでも出るけど本当に確率低い……? なのに一発で……?」
「最近の私の運勢バグってるからなぁ。これはさすがにあげたくないかも」
「売るとしても本当に高価ですからもらおうとは思えませんよ……。欲しいですけど」
「あはは。欲しいというのは本音だよね。私も掘れるとは思ってなかったわ……」
最近の私が怖い。
「確率ってどんなもんなんだろうな。1%もあればいいほうか?」
「わかりません……。ただ、1%でももしかしたら高い可能性がありますね。0.02%とかそんな感じでは……」
「低すぎない?」
「最高レアの素材ってそういう確率なんですよ……。あながち低いわけではないんです」
な、なるほど。
じゃあ私はそのめちゃくちゃ低い確率を引いたということか。こわっ……。
「……さすがにもう一個、はできそうにないな」
「そうですね。二連続で当たる確率は本当に低いですから……。計算とか苦手なんでやんないんですけど、それでもめちゃくちゃ低いです」
「だろうね。これはあきらめて宝石ざっくざくを狙うしかないか」
「そうですね……」
なんていうか、豪運すぎて私が怖い。
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@mayo_narou




