図書館で
図書館に入るが、本当に誰もいない。
私は魔物図鑑を手にし、ぽんぽこの隣に座る。開いて、中をパラパラめくると、大イグアナだったりなどの情報が書いてある。
海辺だからか、ここは水を好む魔物、湿気を好む魔物が多く住むのだという。
「なるほど……。やはり海辺だけあってここは漁師が多いんですね……。ただ、海のほうでも海底洞窟などの名所があると……。潜るためのスキルが必要になりそうですね」
「ぽんぽこも情報収集はかどってる?」
「はかどってますよ。ここら一帯の地理は大体把握しました!」
「へぇ。すごいね。私も魔物調べてるけどさぁ……。結構数が多くて」
「魚系の魔物とか含めればものすごい数がいそうですからね。そういうときは自分が戦いそうな魔物だけを調べたらいいんですよ。自分たちが行く予定のないところは見ないほうがいいんです。必要な情報の吟味が必要なんですよ」
「それもそうだな……」
ぽんぽこは的確なアドバイスをくれる。
必要な情報を吟味すること。それが一番大事。
「ありがとな。私も必要な情報だけ選び出して調べることにするよ」
「はい。全部知りたいのなら本当に暇なときにやるほうがいいんですよ。ふふっ。夜桜さんは来栖さんと違って勉強熱心なんですね」
「まぁね。私はもとより勉強は好きなほうだし。ミノルは……。こういうの嫌いだからね」
「私、不思議だったんですよ。高校一年生の時の最初のテスト……。失礼なんですけど、ギャルの夜桜さんが学年一位だなんて……」
「あははっ。そうでしょ?」
私も先生から不正を疑われたからね。不正なんてしてないって実力でねじ伏せたけど。
「でも今ならわかります。同じ勉強が好きなもの同士仲良くなれそうです」
「そうだね」
「なので、今度でいいんですが一緒に勉強しませんか? ミノルさんは巻き込んでしまうんですが」
「いいよ。どうせテスト前になると私に教えてくれって言われるし。私もミノルのスマホの中で勉強だけはしてるからね」
気が合いそうだな。なんて思っていると。
「食用の魔物……。へぇ、食べられるんだ。たしかに魚は食べられるけど魔物って食べられるのかね? よくライトノベルで食べるとか言うけど、その魔物の魔力が毒になるから食べられないっていう設定もちらほら見るし食用とか分けられてるのかね?」
「たしかに分けられてるかもしれませんね。ファンタジー的に考えると、人間と魔物の魔力は違って、魔物の魔力は人間からしたら毒になるけど、一部の魔物は魔力が人間に似ているから食べられるとかなんですかね?」
「なかなかいい考察だね。この魔物は漁で獲れる時もあるっていうし、食堂とかにいけばあるかもよ。食べに行ってみる?」
「いきましょう! せっかくですからね。私も最近魚料理食べてないですし……」
「よし、じゃ、いこっか!」
「はい!」
私はぽんぽこと漁師の街のレストランに向かうことにした。
情報収集はまた後で。今は味を楽しみたい。




