天使となりて
新たなエリアが解放されたというアナウンス。
私は地図を開いてみると始まりの街の次のエリアの地図が現れたのだった。
「次のエリアね……。ま、それはみんな来てからでいいか」
私は花びらを採取し、女の子の元に向かうことにした。
私は雨の中外で待ち侘びる女の子のもとに。
「お姉さん……。手に入れたの……?」
「うん。ほら」
私は花びらを見せた。
女の子は嬉しそうに受け取り、わーい!と家の中に入っていく。私も家の中に入ると、女の子は母親に花びらを嗅がせていた。
母親の方は苦しそうな表情から、やすらかな顔になり、目を開ける。
「あれ……私は……」
「お母さん!!」
「ユーリ……」
感動の対面と言ったところか。
「お姉さんが薬を取ってきてくれたの!」
「まあ、あなたが……?」
「はい」
「ありがとう。お礼をしなくちゃね……」
と、立ちあがろうとしてふらついた。
「無理しなくていいですよ。お礼もいりません」
「ですが……」
「いいですよ。病み上がりは無理せずに」
そういうが女性は引き下がらない。
すると、女の子は何か箱から取り出した。
「じゃ、ユーリの一番大切な宝物あげる」
「いいの?」
「うん。たすけてくれたおれー」
純白の羽。
鳥の羽では無さそうだが……。これは何なのだろうか。
鑑定スキル持ってないからぽんぽこに後で頼んで見てもらおうか。
「娘さんから貰いましたよ。この羽でいいです。綺麗な羽……」
「それ前拾ったんだー! 白くてきれーなの!」
たしかに……。
白くて綺麗なこの羽。ただの羽では無さそうだな……。少なくとも依頼の報酬というのなら少なくともただの羽ではないだろうな。
「うん、ありがと。これは私の宝物にしよう」
「うん!」
私は女の子の家を後にする。
この羽なんなんだろうなー。なんて思いつつ、拠点に戻ろうとすると。
突然、羽が宙に浮かびだす。
「えっ?」
すると、一筋の光が私を包み込んだ。
羽が私の背中に刺さる。何が起きてるんだろう?
《種族が変更されます》
「はあ?」
街中で突然そんなアナウンスが。
異様な光景に通行人の人たちも足を止めて私を見ている。一筋の光は私を包み込んだその時。
バサァ、となにかが背中の方で羽ばたいた音がする。
《種族:天使 となりました》
「…………」
天使という単語が聞こえた。
私は恐る恐る背中を見ると。純白の羽根が私の背中に生えている。
いや、私は悲しみのない自由な空へ翼はためかせるつもりないんだけど。
「……あのー、大丈夫ですか? 何があったんですか?」
「……種族変わっただけです」
「ええ!? 種族が!? なんで!?」
「わかんない……」
《スキル:翼飛行 を取得しました》
なんだか、今日は意味わかんない事ばかりです。




