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暗殺者ギルドのリデル

 私たちは喫茶店に移動した。

 目の前の女の子はココアを頼んでいた。私はカフェオレを頼む。


「まず自己紹介しないとね。私はリデル。暗殺者ギルドのメンバーさ」

「暗殺者……」

「名前からして分かるでしょ? 頼まれたら暗殺するギルドだよ」


 だと思ったよ。見るからにその方の人だもん。

 

「君のその影になる魔法いいね。私らのギルドに入らない?」

「いや、いい……」

「そう? なら仕方ないね」

「私を殺すのか?」

「なんでそうなるかな。嫌って言ってる人を入れたらウチのボスに怒られるから入れないよ。まあ、でもスキルとか知りたくなったら来てよ。君は大歓迎」

「はぁ」

「君に免じてあの男の子は許したげる」


 私に免じて、ねぇ。


「そんな飄々な口調で私を探ってるのか?」

「お、いいねえ。早速私を疑ってる?」

「まあね」

「その警戒心いいよ! 実に暗殺者向きだ! ほんっとに入るつもりない?」

「ない」


 こいつ……。

 こういうウザいの嫌いなんだけど。黙らせるにはどうしたらいいかな。

 私は目の前のウザ絡みしてくる女を見る。


「……お前ってよく見ると可愛いんだな」

「……ふぇっ?」

「すげえ顔整ってる。モテるでしょ」

「……やだぁ、そんなお世辞言ってもダメだよ」

「いや、世辞とかじゃなく」


 私は女のマフラーを退ける。

 うん、確かに可愛い。NPCだからと言うのもあるのか? うん。可愛いもの見れた。


「…………褒め殺しとはやりますね!」

「照れてんの? かわい」

「ち、ちがっ……」

「お待たせいたしました、ココアとカフェオレで……」

「ココアってのも可愛いよね」

「うあああああああ!!」


 リデルはココアを一気に飲み干した。


「あつっ!」

「そりゃそうだろ」

「このリデルちゃんを褒め殺しするとは油断ならない! くうう、覚えてろーー!」


 と、言ってしまった。律儀に代金置いていってる。

 褒め殺しに弱いのか。理解した。まあ、実際可愛いから褒めただけなんだけどな。私はノーマルだが、可愛い女の子も好きだ。ラブ的な意味ではないが。


「さてと。ゆっくりカフェオレでも飲んで……。ミコトだなあれは。私を探しにきたか?」


 私はミコトにフレンドメッセージを送る。

 すると、ミコトは喫茶店の中に入ってきた。男の子を連れて。スリの男の子を席に座らせる。


「んで、こいつどうすんの?」

「そりゃあこの店の店長とかに突き出すしかないんじゃないか?」

「そうだな」


 と、話していると件の店員がやってきた。


「お客様、捕まえてくださったんですか?」

「ああ。ま、コイツも反省してるからそこまで厳しい罰は与えるなよ」

「わかってますよ。僕、もうスリなんてしないで真っ当に稼ごうね」

「……ガキの俺がやる仕事なんて」

「そんな風に思ってるからダメなんだよ。うちに来なさい。ちゃんと働かせてあげる」

「……いいのか?」

「いいよ。ほら、この人たちにごめんなさいをしようね」


 そういうとごめんなさいと謝ってくる。私は気にしないと返した。


「これは少ないのですがお礼として……」

「ん、ありがとさん」


 2000ブロンを貰った。


「では、ゆっくりおくつろぎください」


 そう言うので、私は再びカフェオレを飲む。


「あ、そうだ。ちょっとシグレに相談したいんだけどさ」

「相談? ミノルのことか?」

「いや、違うんだけど……。その、僕って女優であると同時に配信者なの」

「配信? ヨウチューブの?」

「うん。生配信でいっつもゲームとかやっててさ。このゲームも生配信でやりたいなって思って」

「まあ、いいんじゃないの?」

「君たちの顔も映るけど……」

「私元々死んだ身だし構わないけど。ミノルとかは大喜びするだろうし、ぽんぽことハルサメの許可もらったらいいんじゃない?」


 私はそう言うと、早速許可取ろうと言うので私は二人の元に向かった。

 ぽんぽことハルサメとミノルは東の方でクエストを探してるはず。そう思い向かって探すと。


「いた。けど何やってんだ?」


 ミノルが虫取り網を持って何かを追いかけていた。


「あ! シグレー! 今珍しい蝶々追ってんの!」

「お前クエスト探してないのかよ……」

「いや、私たちは探してたんですけど……。その……」

「わかってる。あいつ集中力ないから」


 すぐ飽きるんだよコイツ。


「ミノルー、話あるってよ」

「話? 今行くし! あ、蝶々もそっちいった!」

「お前こっち向かって……。何するつもりだ?」

「えいっ!」


 私めがけて虫取り網を振り下ろしてきた。

 私はミノルを殴る。


「ごべんなざい」

「ふん」


 ミコトを前に押す。


「その、ミノルさん。僕はこのゲームを配信したいんだけど……」

「配信?」

「ああ、見たことありますね! ミコトさん、たしかヨウチューブで生配信でいつもゲームしてますよね。このゲームもやるんですか?」

「ああ。だが、君たちはどうかなと思ってさ。顔出ししたくないだろう?」

「私は構いませんよ。やりたいと言うのならどうぞ」

「配信とはなんであるかわかりませんがよろしいですよ」

「うちもいーよ! うち有名人になるー!」


 と、全員許可だした。








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