グループを作ろう
私がミノルのいそうなところに行くと案の定ミノルがいた。
ミノル、ハルサメ、ミコト。その三人が何かを話している。
「じゃグループつくろー!」
「反対はしないさ」
「わかりました」
と、グループ作るような話をしていた。
私は除け者か。ま、こんな単独行動するやつを入れたくはないか。
「じゃ、シグレ帰ってくるのをまとーね! シグレ帰ってきたらその話しよ!」
「いや、私は無理だと思うけど」
私はそう言って出て行く。
「無理? グループを作るのが?」
「何故なのですか? 私を快く思ってないのはわかっておりますが」
「いや、もっと単純明快にメンバー足りないじゃん」
「あーーっ!?」
グループは五人から作れる。私たちは私を入れて四人なのでグループは作れるわけがない。
「一人足りない!? シグレ分身して!」
「できるか!」
「一人どうする? 私は誘えるようなやつはいないが」
「残念ながら……」
「うーん、どうするシグレ」
「私に聞かれても人数の問題は解決できんぞ」
あと一人をどうするか。
男ならフレンドにいるんだけどそれだと男一人の女二人ということになりそうだし。
私たちが悩んでいると。
「あれ? もしかしてあなたミノルさんですか?」
と、背後から声をかけられた。
「うちの名前知ってんの!? てか、真田さんじゃん! 本の虫の真田さんもゲームしてんだ!!」
「はい。ゲームでゲームの世界の歴史とか見るの好きなんです。プレイヤーネームはぽんぽこって言うんでそっちで呼んでください」
「ぽんぽこ! いいとこきたし!」
と、ミノルは真田さんの手をがっしり掴む。
「ふぇ!? なんですか!?」
「うちと同じグループ入るつもり、ない?」
「グループ、ですか?」
「そ。この四人とぽんぽこで」
「四人……? 椎名さん!? えっ、夜桜さん!?」
「どうも〜」
「はっはっはっ! 椎名さ!」
私は笑顔で対応。
「実はメンバー一人足りなくてねー! ぽんぽこが来たのはもうそういうこと!」
「ええ!?」
「私たちを助けると思って入ってくれないかい?」
「グループ出来たら私色々やることやるから」
「自分もそれでいいでありますよ」
ぽんぽこは困惑している。でも、流石にミノルの圧に断りきれなかったのか頷いた。
ごめんね。グループ作るためなんだよ。許してね。
「よし、グループこれでできたし! しんせーしてもいーい?」
「いいけど、その前にグループ名を決めなくちゃいけないんじゃない?」
「チームギャルズ!」
「私なんかギャルとほど遠いですよぅ!」
それもそうだ。ギャルと言えるのは私とミノルだけだろう。
「ならいい案ないー?」
「いい案つっても……」
そうだな。
グループ名か。名付けるの得意ってわけじゃないんだけどな。
「んー、なら適当に……ムーンとか?」
「それにしよう! なんかエモい!」
「いや、エモくはない」
エモいの基準がおかしい。
ただムーンとかだけだとなんか寂しい気がするな。
「ふむ、ブラッディムーンとかどうだろう?」
「厨二?」
「自分は……。レッドムーンとかでいいと思いますが」
「レッドムーン! 私もそれがいいです!」
「そお? じゃレッドムーン! うちらはレッドムーンです!」
レッドムーンが今、始動となる。




