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一部過激な映像があるため視聴される際にはご注意ください

ひっそりとやる

これ2年前なの?すげえわ自分の執筆の遅さが





「お!マジで!?」

「1ヶ月ぶり!」

「動神さんキターーーーー!!」




ドウガミで皆思うままに好きな動画やイラストを見ている中、画面には動神による生放送の告知バナーが浮かび上がった。それを見て、皆はクリックする。




「余裕で振り込む!」

「相変わらず安すぎワロタwww」

「もっと金額あげてもいいのよ?」




そこでは300円を支払う画面が展開される。そこで払うことにより、生放送の閲覧ができるようだ。20:00に始まる生放送に向けて、視聴者は着実に増加していった










動神こと、溜池語呂之介が捕まえてきた、利用規約を違反したa(ユーザーの男のハンドルネーム)がある場所で寝ていた。それは、2.5メートル四方の立方体の中である。そしてそれは、立方体の上の面を除いて透明なガラスでできていた。上の面は、鉄の棒が格子状になっており手でつかんでぶら下がることはできそうだ。脱出はできそうにない。ガラスの立方体は、すり鉢状のアリーナの真ん中に、ぶら下がっている形で設置されており、全方位からカメラが向けられていた




「あっあー、マイクテスマイクテス」


「音声オッケーです」


「時間はどれくらいですか?」


「1分前です」


「とりあえず45℃のお湯を」


「はい」




ユーザーaの男が入った立方体を、語呂之介たちは確認しながら機器のチェックをしている。そのアリーナを、まるでごみ焼却場の管理室のような場所から見ていた。アリーナの壁のガラス越しに、語呂之介たちが座っていた




「10秒前」


「お湯がかかったら何て言うと思います?」


「あっちい!!って言うんじゃない?」


「ですよねー。インラ、今更ですが無理して見なくてもいいですよ?これから多分見苦しいものがあるかと」


「ほんっと今更ねゴロー。もう慣れたわ。それに、判定は私がいないと務まらないでしょ?」


「わかりました。ありがとうございます。2、1…」




ゼロになる前に、ガラスの立方体の上の面から液体が降り注いできた。この面だけガラス張りではないため、液体の侵入が可能だ。その液体は、風呂にしてはかなり熱い温度の湯だった。それが、容赦なくユーザーaの顔に降りかかり




「あっちい!!」


「はーいみなさんこんばんはー!お久しブリーフ!溜池語呂之介でーす」


「インラよ」


「どうも!スタッフたちでーす!」


「今時、かわいそうな人が来ましたので、なんやかんやしながら脱出を見守りましょう。お仕置き内容をコメントでどうぞー。可能な限り、叶えまーす」


「な、な…なんだここは!!?おい!!」




ユーザーaは、反射的に強制的に起こされた。自分がとても狭い空間に閉じ込められており、混乱しながら壁を叩きまくる。




『わこつ』 『動神様ー!!』 『インラちゃん結婚してくれー!』

『申し訳ないが、NTRはNG』 『ウホっ♂』




緩いあいさつで始まった放送。皆はそれぞれ自由にコメントをしていく。そして、このユーザーaはもう一つ、恐ろしい目に合わされている




「あ、おはようございます。起きました?」


「あ!!?てめえ!?さっきのドウガミのやつか!?」


「服は着て寝た方がいいですよ?」


「…は?………うわああああ!!?」




そう、ユーザーaは全裸だった。ここでようやく気付いたのか、慌てて股間を手で抑えて隠した。だが、様々なところからカメラが押さえているためあまり意味がないように見える。急激に恥ずかしさが襲い、うずくまった




「な、なんだこれは!?おい!このカメラはなんだよ!!?」


「あー、生放送中です。私の番組の」


「ば…ば…馬鹿じゃねえのか!?こ、こんなのが許されるわけあるか!!てめえ、訴えるぞ!?常識的に考えろや!!」




BANとか、そういう問題もあるはずだ。こんな放送NGなことをやるなんて狂っている。それは合っている。でかい声で怒りの声をぶつける。なお、うずくまりながら。そう言ったとき、立方体の中で濡れている水に電流が流れた




「ぐがっ!!?」


「訴える?やってみますか?」


「…!!?」




語呂之介は椅子に座りながら、黄色いボタンを押していた。その表情は眉根をひそめていた。突然のことに、ユーザーaは驚いて再びうずくまった。手足が衝撃の余韻で震えていた




「ゴロー?」


「…失礼しました。あー、話長いの嫌いなんでルールを言います。あなたはここから脱出して下さい。脱出方法は、『ある一言を私に言う』、それだけです。バカでもわかる簡単ルールです。では、よーい、スタートー」




緩いスタートの掛け声から、アリーナの壁の大きな電光掲示板にデジタル時計の表示がされた。残り時間ではなく、経過時間の表示だ。つまり、一秒一秒カウントされて行っているのだ




「お、おい!脱出ってなんだよ!!こんな格好で生放送とか違反だろうが!!」


「頭悪いですねえ。私は一応シャッチョさんですから、違反かどうかは私が決めてるんです。恥ずかしいならルールに則り、とっとと脱出…いや、再生数稼ぎたいので居てていいですよ?」


「はああああ!!?くそ!!」


「まあ、頑張りなさいよ。うずくまりながらとかダサいですねえ。さて、皆さん。安価取ります。キリ番300、このコメント番号にやってほしいお仕置きを書いてください。5分後に執行します」


「書いてなかったら、301、302ってずれるわよ?あと、わかってるわね?外傷を伴うものや即死するものはNGね。それだけ徹底して頂戴」




そう言うと、全国のユーザーたちは一斉にキーボードを打ち込み始めた。皆がコメントを打っていくことになる。打たれたコメントは、右から左へとコメントが流れていく。アリーナの壁の大画面には、うずくまる全裸のユーザーaが納められた箱が映されており、コメントががんがん流れていく




「ほうほうなるほど。みんな酷いですねえ」


「動神さんが企画したんじゃないっすか!」


「他人事っぽい棒読み好きですわ」




視聴者画面は、全裸のユーザーaがカメラが切り替わりながら基本映されているクッソ汚い画面となっている。その右上には、語呂之介たちがワイプで映っており、左上には時間が表示されている




「な、なんだお仕置きって!?これはなんだ!?」


「あー、5分ごとに視聴者さんから送られてきたお仕置きをやります。でも、安心してください、死ぬのは絶対にないので」


「はあ!!?冗談じゃねえぞ!!ここから出せや!!」


「…ルールちゃんと覚えてくださいね?もう取り合いませんよ?さて、とりあえず新作ゲームの話でもしましょうか」




語呂之介は呆れた顔をしながら、ふかふかの椅子にゆっくりと座った。それから、同じくくつろいでいるインラや白い服のスタッフたちと談笑をし始めた




「おい!おい!!くっそ!聞いちゃいねえ…(なんでこんな目に…あの野郎…ふざけやがって…絶対に許さん!!)」




理不尽な目に遭っているこの状況に、大変腹を立て怒りに満ちあふれている。自分は全裸で身動きはとれずにうずくまっているだけだ。




「(しかしこのコメントはなんだ…?電流…衝撃波…水責め…動物…?まさかこれを俺にするってことか…?マジでか…!?)」




アリーナの大画面に映されている自分自身を見る。そこには、お仕置き内容みたいなものが流れまくる。中には『顔wwwww』『野郎の全裸とか誰得』『掘りたい♂』といったコメントも見受けられる




「(本当に見てやがるのか!?くっそおおお!!見んじゃねえええ!!)」




ますます羞恥と怒りがこみ上げてくる。ここで




「あ、決まりましたねどうやら。お仕置き内容は、また電撃です。キリ番300を取った、『右腕が掃除機』さんおめでとうございます!便利か!名前が面白いこともあるので、広告ポイント5000あげちゃいます」


「大盤振る舞いね」


「動画広告ポイントで、80%引きクーポン券とかゴミじゃないですか。そんなんしたくないので、ポイントが手元に来た方が嬉しいじゃないですか」


「言えてますねえ」




どうやらお仕置き内容が決まったらしく、『電撃』と大きな文字で現れた。『ありがとうございます!動神さん!!』というコメントもしれっと流れていた




「は!?なんだ!?電撃!?おい!これをやるのか!?」


「はい。あと30秒後ですよ?さっき電流やっちゃったので、被っちゃいますね。なので出力上げて5秒連続にします」


「お、おい!!本気かよ!?やめろや!!」


「脱出する気概を見せて下さい。脳死んでるんですか?さて、あなたはオティ〇ポを隠すのか、水につからないでぶら下がるのか、どっちでしょうねえ」


「…!!」




そんなことを話している内に、デジタル表示の時間は、04:50という風になっていた




「10!」

「9!」

「8!」




『7』『6』と、コメントでもノリがよく流れている




「く、くそ!くそお!!」




ユーザーaは、ジャンプして収容されている立方体の上面の、鉄格子にぶら下がった。そのため、自分の局部は露わになってしまうが、電撃を逃れようとした




「お?うわ、きったないですねえ。インラ、目を背けて下さい」


「もうやってる。終わったら言ってね?」


「はいはい。1!Go!」




そのかけ声と共に、水でひたひたとなっている床に黄色い光が走り、バチバチと音が鳴った




「がっ!!?おごがあああああ!!」




ただし、鉄格子にも。手に衝撃が走り、床に落ち、追加で電撃を全身に浴びることになった




「がばばばばばば!!!」


「おー、痙攣してますねえ。いやあ、こうはなりたくないですねえ。こわ」




とても長く感じた5秒がようやく終わった。ユーザーaはハアハアと息切れし、語呂之介を睨む




「て、てめえ…!はあ…!床だけじゃ…ねえのかよ…!!」


「あ、言ってませんでした?そこはちゃんと聞いてるんですね。そんな緩いわけないでしょ。でも初めてあなたを面白いと思いましたよ!あっはは!」


「笑うな!!てめえ悪趣味だろうが!!」


「知ってますよそれくらい。バカな人に指摘されるほど落ちぶれちゃいませんて」


「誰がバカだ…!!」


「煽るわねえゴロー。彼、相当心の中が荒れてるわ。しかもまだ『何が悪いか』わかってないみたいよ」


「やっぱバカですね。まあ、解ってたらここに来ませんわな。さて、では次はキリ番500のコメント拾いまーす」




語呂之介はのんびりとマイペースに、次のお仕置き内容を募ることにした。コメントでは、ユーザーaが電撃でのたうち回った姿を笑う余韻が見て取れた




「ま、まだ何かやるつもりか!?」


「さーて、次は何が来ますかねえ?」





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