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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第2章 俺は、生き延びる力を望む
71/152

71話目 ボス部屋

 休憩、終わり。アリエルさんが眠り始めてから早4時間。俺は寝ることに躊躇いがあるので、この層に蔓延る『オーク』を狩り尽くす事で時間を潰していた。まぁ、4時間の狩りといえども今の俺にとっちゃ軽い運動程度だな。と言うか、騎士さん達もかなりの数を狩ったと思っていたのだが、まだうじゃうじゃと居たのだから厄介な魔物である。


 使い過ぎた魔力の回復だけは済ましてある。俺を初めとした魔物にとって魔力は源だ。生命活動、戦闘行為。全てに於いて魔力を要する。そんな魔力を沢山ため込めるスキルは優秀なものなのかもしれないな。今更ながらそう思う。


 休んだことでまともな顔つきに戻った騎士さん達が鎧を見に纏い、武器の手入れを終えた。アリエルさんも起きた時は焦り顔を見せていたが、今はキリッとした顔で命令を出している。切り替えが早い上司は良いよね。


 因みにこの層でお宝を見つけられなかった隊長さんは、気持ちの切り替えも出来ずにぶつくさ文句を言っていた。


 準備が整い、火の始末を行ってから行動は開始された。


 階段の前に立った騎士さん達が、遂に足を踏み入れる。カツン、カツンと音を立てながら長い階段を下っていく。ここまではこれまで通り。不気味な雰囲気も、肌を刺す寒気も。しかし、次の層に降り立った瞬間、酷く嫌な予感を覚えた。



 いや、ここは次の層じゃない。ここは──()()()()()()()()()()()だ。



「なん...だ、これ...大きな門...?」

「......これって、ボス部屋...ってやつじゃないか...?」



 そう。ゲームやアニメ、漫画の知識を持ち合わせる俺の頭にも、その単語が浮かんでいた。この、『オーク』よりも大きな大きな、不気味気配を漂わせる鉄の扉を前にして。


 奥になにか居る、それは分かるのだが力量を測定できない。何らかの効果で気配が読み取れないのだ。それはこの扉のせいなのか、それとも魔物の仕業なのか。


 もしかしたら、この先に居るのは全ての元凶かもしれない。そう考えると身震いしてくる。


 予感からして、少なからず『オークリーダー』よりも強い、格上の魔物が俺達を待ち構えているはずだ。となると、騎士さん達だけでは相手にならないだろう。


  一先ず上で待つアリエルさん達に無事だと合図を出し、彼女達が降りてくるのを待つことにした。こういう時、上司の判断を仰ぐのが適切だ。



「これは......実物を見たことはないが、情報として聞いていたボス部屋の前にある扉と同じだ」

「えぇ、この扉を開けなければ奥は何も分からない、というのも一緒すね」

「って事は、間違いなく──」

「強敵のお出まし、だな」



 と、アリエルさん達もこの扉をボス部屋に繋がるものと判断した。やはりボスという事は、強敵が出てくるのだろう。


 ここに来て、急転直下のボスバトルなのだ。可能性としては門番と言おうか、ちょっと強いだけでその先にはまだまだ〜〜みたいな事もある。どちらにしろ苦戦を強いられそうかな。


 余裕のある俺ですら警戒をするのだ、命を懸けている騎士さん達が震えない理由がない。ダンジョンに関しては知識しかなく、ボスとの戦闘は経験が無いらしい。それが先の見えない恐怖を助長する。


 皆が全身を躊躇う中、アリエルさんが口を開いた。



「......覚悟を決めろ。我々には使命がある。退く事は決して許されない」



 アリエルさんも理解している。人間では勝てない魔物も存在していることを。この先にそのレベルの魔物が居ても可笑しくない。出会えば最期。生存率は0に等しいだろう。


 だが、それでも。彼女達は市民を護る騎士であり、国に忠誠を誓っている。その命でここに居るのだ、撤退する選択肢は、無慈悲な事にない。



「当たり前っすよ。俺たちゃ死ぬ覚悟でこの任務にあたってんすから」

「はい。ここまで来て帰るってのも、後味悪いですからね」

「副隊長に言われなきゃ帰ったんだけどなぁ」

「俺もだよ...ちくしょう。進む他ねぇな」

「ははは...臨時報酬とかでないですかね...」

「出る訳ねーよ。うちの国ケチだから」



 と、軽口を叩きながらアリエルさんの言葉に同意を示す。快諾と言うよりは渋々、だけど信頼関係は窺える。常に前線で引っ張るアリエルさんだからこそ、部下は着いてくるのだと思う。これが後ろで騒ぐだけの隊長さんだったら、うるせぇ黙れ、と一蹴されるんだろうなぁ。



「すまない、皆。......行くぞ」

 「「「おうっ!!」」」


 

 盾を構え、前に立つ2人が重たい扉を押す。代の大人が2人がかりで押さなければ、この重量感溢れる鉄の扉はビクリともしなかった。


 ギィィギィィと軋む音を立てて、扉はゆっくりと開いていく。


 隙間から見えた奥の部屋は、とても暗く、広い部屋だった。


 が、確かに気配を感じることが出来た。やはり扉が気配を遮っていたようだ。俺は即座に《鑑定》を発動させて、待ち構える魔物を把握する。




 種族:オークリーダー

 レベル:26/65

 ランク:C+


 スキル:《体当たり Lv.4》《悪食 Lv.4》《繁殖 Lv.3》《指揮》《再生(弱)》


 危険度:低



 種族:オークキャスター

 レベル:39/65

 ランク:C+


 スキル:《悪食 Lv.4》《繁殖 Lv.3》《再生(弱)》《念力 Lv.3》《幻術 Lv.4》


 危険度:中



 種族:オーククイーン

 レベル:42/70

 ランク:B-


 スキル:《体当たり Lv.6》《悪食 Lv.6》《繁殖 Lv.9》《指揮》《再生(強)》《女王の采配》


 危険度:高



 種族:オークキング

 レベル:59/80

 ランク:B


 スキル:《体当たり Lv.8》《悪食 Lv.7》《繁殖 Lv.10》《指揮》《再生(強)》《怪力 Lv.4》《咆哮 Lv.5》《王の権威》


 危険度:高




 ......こりゃ、やべぇな。扉の先には絶望が待ち構えていた。

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