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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第2章 俺は、生き延びる力を望む
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67話目 更に先へ

 あれから数十分後。予想通り2階層目は攻略が完了した。例え迷路のような道だとしても、それを全て把握した俺が居れば迷うことも無い。実に簡単な攻略だった。昔から迷路は得意だったんだよね。隊長さんにバレないよう注意を払いながら、アリエルさんにこっそりと道を教えて行った。


 『オーク』との戦闘も2回しかなく、罠という罠も存在していなかった。住居として活用するなら、人殺しの罠があるのは不便だろうからな。『オーク』の数が少ないのも、コイツらはただ警備しているだけなのだろう。もしかしたらこの拠点、俺が思い浮かべるダンジョンとはまた別の構造となっているのかもしれない。ただ下の下からはかなり強い気配がある。油断してはいけないことに違いは無さそうだ。


 進むに連れて先行きの暗さも薄くなったのか、それとも案外と危険が少なかったからか。騎士さん達の意気は高まっていた。少し前までは怯えていたのに、まったく世話が焼けるよ。


 まぁビクビク進んでくれるより、こうして快活良く進んでくれた方が見ていて精神衛生上良い。いざ3階層目へ突入だ。


 3階層目の入口は2階層目の中心付近。この層には階段が1つしかないようで、入口はかなり広い。今までの倍以上もの横幅に縦幅。階段数も増えている...気がする。


 正直に言えば3階層目も2階層目と同様な構造だ。単純に複雑な迷路となっているだけ。魔物の気配も少し増えた程度。戦意が高まった騎士さん達なら余裕だろう。


 因みにそろそろ道を忘れそうで、道案内してる時ちょっと自信無さげだったり。



 そしてまた2時間が過ぎた。



「ふぅ......サクサクと進めたな。ここらで一旦休憩を入れておこう。この下からは本格的に戦闘が増えそうだ」



 アリエルさんの一声で騎士さん達は休息の準備を始めた。彼等の表情に疲労は見られないものの、確かに休みを取らなければ危険に陥りそうだ。気の緩みと言おうか、少し安全に順調に進みすぎたせいで警戒心が薄まっている。


 3階層目も広いだけで魔物の数は少なかった。『オーク』以外の魔物が生息しており、そいつらとの戦闘には多少苦戦したが全員無事だ。油断するのも無理はない。そんな彼らの気持ちを一度リセットする為の休憩だ。是非とも気を引き締めてもらいたい。


 隊長さんはまた寝るらしいけどね。


 さて、騎士さん達が休息を取っている間に、俺は先に行ってマッピングでもしておこう。サポート役に徹すると決めた以上、やるべき事はやっておく。どうにも4階層以降の情報が一切入ってこなかったんだ。だからこの先に潜む強敵を確認していない。迷路の攻略、難敵の排除。この2つは俺の役目だと思う。


 4階層目へと続く階段には幻術らしきものはかけられていない。どうやら最初だけだったようだな。そう言えば、あれっきり魔道具も見ていないし。何か段々と味気なくなってきているこの遺跡。


 しかし俺は分かる。この先からが本命なのだと。アリエルさんもそれに気づいているようだった。と言うより、あのアリエルさんがそう言っているのだから、この下が本命なのだ。間違いない。



『って事で、先を見てくる』

「うん?...あぁ、気を付けて」



 アリエルさんに一言告げてから影を出る。特に説明がなくとも分かってくれるアリエルさんは流石だ。


 そのまま騎士さん達が準備する姿を横目にすり抜けていく。別にこの人達には気づかれてもいいのだが、スキルの練習も兼ねて誰にも気付かれないようにしている。


 タンタンッと軽く走れば直ぐに階段の場所まで辿り着いた。下を見れば先は真っ暗。《夜目》を持ってしても見通せない闇であった。


 何となく身震いしてしまうが、ここで怖気付いてしまってはこれから先には進めない。気合いを入れて階段を駆け降りる。


 シュタッと四肢で降り経てば、ここは既に4階層目。真っ暗闇こそがこの『影狼形態(シャウルモデル)』の活きる場所。《透明化》すら必要のない空間──って思ったら、視界に映り込むのは薄い明かりだった。


 階段を降り切った先には今までよりも広まった通路。そしてその壁に点々と設置されてある光源。魔力を備えた石──つまり魔石を灯りとして利用しているようだ。


 よく見れば壁の質も変わっている。今まではただの石だったのが、いつの間にかレンガのような壁となっている。


 そこはまさにダンジョンという通路であった。


 階段を降りただけで、層を跨いだだけで変わってしまった景色に、暫く呆然としてしまった。ハッとした要因は《気配察知》の範囲内に魔物の気配があったから。大きさからして『オーク』のもので間違いない。それも3つ、固まって移動している。今の俺なら何も問題はないが、めんどくさいので出会いたくない。


 とりあえず目的であるマッピングだけは行おう。そう決めた俺は入口からなるべく離れようと移動し始めた。ここでアレを使ってしまえば寄ってきて厄介だろうからな。魔力回復の食事は移動時間中に済ませてしまった。おかげで魔力は万全。有り余る魔力で分体を数体作って、分けてマッピングをしよう。そうすればまだ集まる数は少ないはず。

 

 適当な位置へと移動させてからマッピング開始。今回は前回よりも少ない魔力を注ぎ込む。半分も無い、4分の1でも無い、前回の8分の1程度の魔力を使ってそれぞれマッピングさせた。そうすると丁度良く地形の粗方を把握することが出来た。そして、幸いな事に魔物も寄ってこなかった。魔力を少なく、薄く伸ばしたのが良かったのかもしれない。これからはこの方法でマッピングをしよう。


 分体達は勝手に攻略させてようか、消そうかで悩む。見た感じ『オークリーダー』が数匹しかいなく、普通の『オーク』も200体ちょっとだ。広さの割に全然少ないと思うけど、この数いるなら何十匹か狩っても気付かれないと思う。良いよね?少し技の練習がしたくなっちゃってさ。


 何故か無性に狩りたくなってしまった。魔物の本能なのだろうか、抑えがたい衝動だ。これに負けて、一体だけをアリエルさんの下へと戻してから、残る3匹で狩りに興じるのであった。


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