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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第1章 俺は、安定した生活を望む
5/152

5話 ステータス

 ま、まぁね!俺が最強のスライムに至れば、概ね夢は叶うってもんだよね!...でもなぁ。やっぱりテイマーをやりたかった。主従の絆とかさ、そういうのに憧れていた節があったのに。今更文句も言えないだろうけど。もしその願いを通すのなら、俺はペット枠か...。ご主人様は美少女なら許そう!男は駄目、絶対!



 因みにベイビーホーンラビットは完全に食べ尽くしました。味は無かったです。食感すらも...溶かして飲み込んだからね、無かったよ。


 そして、ピロリンという機械音のようなものが聞こえた気がしたんだ。おそらく...レベルアップ。幻聴かもしれないけど。


 と、来たら。見てみたいよね。俺のステータス。さっきは"ステータスチェック"を考えていた。けど、見れなかった。これは俺がスライム(モンスター)だから、という理由があったのかもしれない。人間だったら見えた、とかね。そもそも魔物が自身のステータスを確認しながら闘う姿なんて想像出来やしない。言ってみればゴブリンが


『やったぜ。遂に《剣術》のレベルが3に上がった!』


 とか


『俺の筋力値がようやく平均を超えた...長い道のりだったぜ』


 とか考える姿を思い浮かべろよ、という事だ。...転生者は例外ね。


 そういう理由で、魔物には自身のステータスを簡単にチェックするモノがない、と思われる。人間にも無い可能性はあるけど、魔物に無いことは察した。


 んで、ステータスを見たい俺には──そう、《鑑定》がある。《鑑定(それ)》を自分に使って見れば良いと思うのだ。


 まぁ、ベイビー()ホーン()ラビット()のステータスを見たあとだから、《鑑定(見て)》も大した情報は得られないかもしれないが、ここは使うべきだろ。もしかしたら、『スライム』だけで終わるかもしれないけど、それでも確認は重要だ。確認は重要、なのだ。



 さぁ、いざ鑑定していこう!




 種族:リトルベイビーコアスライム

 称号:異世界からの来訪者

 レベル:3/5

 ランク:G-


 体力:G-

 魔力:G

 攻撃:G-

 防御:G-

 俊敏:G

 運力:C


 スキル:《鑑定 Lv.2》《アイテムボックス Lv.1》《言語理解 Lv.10》《溶解液 Lv.2》《吸収 Lv.2》《体当たり Lv.1》《疾駆 Lv.1》





 自分の体の中を覗き込むように《鑑定》を発動させる。目を合わせる、という条件を達成出来るわけ無かったが、一応発動しているようだ。ぽわっと先程と同様に文字がつらつらと浮き出てくる。どうやら自分のステータスはしっかりと見れるようで、情報は俺が望むものを揃えていた。


 何故、これほどの情報が見えるのだろうか?自分に対して行使している訳だから、抵抗とかをしていないからかな?気になることではあるが、今はどうでもいいか。



 そしてステータスに目を向けて......まず一言いいかなーっ!?種族名が長過ぎるよねーっ!?何さね、リトルなベイビーでコアを持つスライムて!...生まれたばかりだし、俺の身長は直径10センチもないから、あながち間違いでもないんだけどさ。


 でもなぁ。「私の名前は○○!種族はリトルベイビーコアスライムだよ!」とか自己紹介したくないなぁ...。する機会なんて来る事は無いだろうけど。



 まぁ、種族名(それ)はさておき、次はステータスの方を...あーうん、弱いよね。弱小スライムですよね。知っていました。


 見れるステータスは体力(HP)魔力(MP)攻撃(STR)防御(VIT)俊敏(AGI)運力(LUK)の6つ。よくある魔法適性あるいは知力(INT)的なものや、精神力(MND)器用さ(DEX)の表記は無いようだ。まだまだ技量(スキルレベル)が足りないだけの可能性もあるけど。



 はぁ、とため息をついてしまう。知ってはいたが、俺のステータスは貧弱だ。ランクG-とか最低なんだろうな。Gのベイビーホーンラビットと大差なかったんだね。


 ...と言って、あんまり具体的にどれくらい弱いか分からないな。なにを基準にしてのGなのかとか、最高位は何なのか、とか。まぁ、数値にされていたとしても分からないだろうけど。せめて一般男性のステータスを覗きたい。...な、なんか変態に聞こえるな!?そういう趣味じゃないからね!平均値を知り、己の強さを十全に理解したいだけだから!



 コホン...次にスキルを見ていこう。


 俺がお願いしたスキル(やつ)は確かに入っている。あれだね、《鑑定》に《アイテムボックス》、《言語理解》だね。嬉しいよ。有難いよ。


 でもさぁ...なんで《言語理解》だけがレベル10なの?それはそこまで上げないと使い物にならないから?って言うか、俺魔物(スライム)なんですけど?人と話す機会無くね?魔物達と会話しろってか。ふざけんな。どうせなら他のも上げといて欲しかったなー。《鑑定》とか《アイテムボックス》とかさ。そっちの方が便利だよねー。だよねぇ、ねぇ?どうなの?上がらないの?チラッチラッ...上がらないのね。分かったよ。



 他には...おっと、他にはスライム()固有のスキル──《溶解液》と《吸収》だろうな──がある。生まれた当初から持ち合わせている、先天的スキルなんだろう。だって、戦闘時に訳も分からず使ったからね。使い方が手に取るように理解出来たことも、生まれながらの才能と言われれば納得だ。...生まれながらの才能が《溶解液》と《吸収》と言うのも悲しいけどな。それがスライム。スライムクオリティと言われれば押し黙る他ない。


 一応詳細と言おうか、説明文と言おうか、そういうものが見える。目を凝らしていると、ぽわっと頭に浮かんできたのだ。




 《溶解液》

 溶解液を生成。

 魔力を消費。

 (レベル)に応じて溶解の強さが変動。


 《吸収》

 《消化液》及び《溶解液》にて溶かした生物を体内に取り込む。

 確率で吸収した生物が所有するスキルを得ることが出来る。

 (レベル)×10%で成功。




 大雑把だが、何となく分かる。これが俺の持っていたスキルである。まぁ、スライムっぽいスキルだよね。《消化液》は無いけど、《溶解液》と大差はないだろう。実際《溶解液》は強力な武器であったし、《消化液》が無くとも問題はない。同格以下の相手なら《溶解液》で闘り合えそうな自信さえ湧いている。


 それで、《体当たり》と《疾駆》はベイビーホーンラビットのスキルかな?一応説明を見てみよう。




 《体当たり》

 指定した方向へと速度を与える。

 使用間隔(クールタイム)は(レベル)回/10分。

 衝突時に自身への反動を軽減する。

 レベルに応じて威力が変動。


 《疾駆》

 接地時のみ使用可能。

 魔力を消費。

 自身の速度を(レベル)×10%増加させる。

 (魔力)×(レベル)秒使用可能。




 なんとも、まぁ、兎が使いそうなスキルだこと。ベイビーホーンラビットの詳細を《鑑定》出来なかったから確かじゃないけど、奴から奪った可能性は十分に高い。ってか、それを望む。


 だってさー、他の魔物からスキルを奪うってのは、定番中の定番だよね。それくらい無かったら、スライム最強伝説の幕開けにならないし。食った敵の能力を奪うか姿を奪うか、どちらかは必須案件だよね。


 まぁ、《吸収》の説明には確率でスキルを奪えるチックな事が書いてある。恐らく100分の1を引いて2個とも当てたのだろう。もしかしたらあと何個か奴が持っていた可能性もあるが...知らないものは仕方ない。そして、《吸収》を成功させたお陰でスキルのレベルがアップした、ということかな。



 やはり最初に見ておくべきだった。色々と分からない事だらけだ。初期状態を知っているのと知っていないのとでは、自身のステータスの読み取りにも大きく差が出来るな。


 実を言うと、俺はファンタジーは大好きだが、ゲームなどには疎い。こういう状況の時、現実的に食料だとか、寝床だとかを考え始めるあたり、まだまだファンタジーに馴染めていないのかも。だって一番始めに見ておくべき知っておくべきステータスを、後回しにしちゃっているのだもの。ここは元の世界とは違うのだ。その意識だけはしっかりと持っておかねば、この先大変だ。

書けるとこまで...

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― 新着の感想 ―
[一言] もうちょっと落ち着いて書いたらいいと思う ずっとハイテンションで滑っててすごく寒い 主人公のキャラクターに人間味が無く、共感も出来ない
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