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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第1章 俺は、安定した生活を望む
49/152

49話目 オークの波は止まらない 3

訂正させて頂きました。

 これで、第一の撹乱は成功だ。未だに10体未満しか狩ってはいないが、その倍以上の足止めには成功したから。続いて豚長形態(オーダーモデル)の突撃だ。一目見ただけでは仲間からの裏切り。更に混乱を与えられるだろう。期待しながら前へと動かした。


 この分体には様々なステータス上昇系のスキルを上掛けしている。オリジナルの『オークリーダー』よりも高ステータスである可能性すらあるのだから、サシで奴らに負ける道理はない。


 その上に改良版【溶解液結界(スライムアーマー)】を発動させるつもりだ。体に纏わせるのではエンチャントと変わりない。なので周囲に張る方針にした。術者を中心とした半径2メートルの球体状に薄く溶解液を浮かばせる。精密操作なら成る繊細な技。効果の程はこれから試す。まぁ中々結界という名称通りの出来栄えだ。うん、アーマーじゃねぇな、という訴えからスフィアとかにしようかな。燃費が悪い技の為に継続させるのは難しい。


 さぁ突撃だ。木々をなぎ倒しながら進めば視界に『オーク』達が映り込む。その顔には驚愕と言った言葉を貼り付け、突進を止めてオドオドとたたらを踏んでいる。


 先頭にいる『オーク』の顔面目掛けて拳を振るう。あまり力入れないで、軽いジャブを仕掛ける程度。しかしそれだけで『オーク』の体は2、3メートル吹き飛び、後方に控えていた『オーク』達と激突した。それでも勢いは止まらず4体近く巻き込んで転倒。周りに居る『オーク』は何が起きたか分からない、と言った顔で俺と殴られた『オーク』を見ている。混乱しているようだ。前から現れた同族に仲間が殴られたのだ。ピクピクと痙攣しており、まだ死んではいないようだがかなりのダメージを負わす事に成功した。


 続いて左右に居る呆然とした『オーク』達へと腕を伸ばし、その頭を掴んで持ち上げた。体躯はこちらに利がある。数十センチ程浮かばせて、頭から地に叩き付けた。


 ドンッと地面が揺れる。痛みを気にせず叩き付けただけあって、地面に小さなクレーターを作ってしまった。叩き付けた『オーク』達はどちらも頭部を破壊されて絶命している。血が飛び散った様、赤く染まった手を見て少し罪悪感が生まれてくる。


 それを掻き消すように吼え声を上げ、近くに居た『オーク』に殴り掛かった。躊躇いを無くすよう我武者羅に暴れる。


 ようやく我に返った『オーク』だが、事態を理解するまでは至っていないようだ。『オークリーダー』の見た目で暴れる俺に対し、応戦するか撤退するかで悩んでいる。


 そこへ別の『オークリーダー』が現れる。その顔には怒りが見受けられ、どうやら殺る気満々のようだ。俺も一方的な暴力に嫌気が差し、サシでやり合いたいと思っていたところ。やってやろうじゃねぇか、かかって来い。と挑発してみた。



「グォォォォッ!!」



 するとどうだろう。めっちゃ吠えた。その声に周囲の『オーク』は震え上がり、鳴き声を上げながら俺へと突進してくるでは無いか。慌てて俺は【溶解液結界(スライムスフィア)】を起動させる。


 展開された透明な銀色の球体。それを視認しながらも『オーク』達は飛び込んで来て──ジュッジュッ、と音を立てて骨を残して消えてしまった。いや、その骨すら溶けて無くなりかけている。危険を察知して急ブレーキを掛けた者も居るが、当たってしまった腕は溶け消えた。


 なんなんだと恐慌状態に陥る『オーク』達を尻目に『オークリーダー』と目を合わせる。奴は飛び込んで来るようなマヌケなことはしないだろう。...しないでくれよ?



 さて、実は効果の程に俺も驚いている。この結界、まるで膜のような薄さを誇っているのだ。なのにこの威力。と言うのも、薄いように見えるのはレーザー同様圧縮しているから。それを全面に施しているのでガンガン魔力は無くなっていく。かなり強い防御にして攻撃技だが、持続力に

問題がある。要改善だな、と簡潔に纏める。



 結界を消しても『オーク』達は寄ってこない。あの光景を見れば誰もが恐れ慄くだろう。突然消える怪奇現象とでも言っていい。


 1体1が出来る場が整った。それに喜びを抱きつつ、一歩『オークリーダー』に近付く。


 奴は威勢を無くしたのか、じりっと後ろに下がってしまう。表情も怒りから恐怖に近いものへと変わっていた。


 いや、闘おうよ。そりゃー『オーク』をいとも容易く消滅させられる技を持っているけど、数が多いんだから仕方ないじゃん。もう使わないからさ、ほら?


 そう思いながら近付いていく。奴の後退よりも速く近づき、遂に互いの拳が届く手前までやってくる。こうなったら奴も逃げから攻撃の姿勢、いや虚勢を出して殴り掛かる。


 拙いジャブ(それ)を軽く弾いてから、カウンターで胸へとストレートを叩き込んだ。力をそこそこ込めた一撃に、奴は数メートル後ろへ下がる。しかし体は持ち上がらず、何とか踏ん張りで堪えていた。流石は同格の魔物である。一筋縄じゃいかないな。


 畳み掛けるように踏み込みからの左フック。腹部へと狙った拳はギリギリで阻まれるも、それを貫通して衝撃が伝わる。



「グォォッ!」



 痛みで呻きながらも、奴は反撃と言わんばかりに殴り掛かる。拙いジャブ(それ)を弾きながらお返しに顔面を殴り付けた。


 ダンっと背中から地面へと倒れ込む。重い巨体が倒れた事でかなりの振動が広がり、それから辺りは静まり返る。そこで勝負は決した。


 なるほど、と思いながら俺は周りに目を向ける。すると次は俺から逃げるように、慌てて森の奥へと飛び出した。その勢いは脱兎のごとく。あまりの速さに俺も手出しが出来なかった。


 先程地に沈めた『オークリーダー』へと一瞥した後、まだ戦禍の中に居ることを思い出して動かし始める。せいぜい暴れさせてもらうとしよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] オーク好きだなこの作者(笑)
2020/08/02 15:15 退会済み
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