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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第1章 俺は、安定した生活を望む
41/152

41話目 1週間の成果

 俺が『インビジブルスライム』という最終進化種に気が付いた日から一週間が経過した。その次の日くらいには進化を果たし、俺は最後の進化形態である『インビジブルスライム』へと姿を変えた。


 進化してしからも生活はゆっくりとしたもの。一日一狩り、そう決めてはいたのだが、何故か遭遇するモンスターが『オーク』だけであり、それも2、3体が纏まって行動しているのだ。仕方なくその『オーク』を殲滅する事を1日の戦闘としていた。


 討伐手段についてはスキルの乱用だ。試した型は影狼形態(シャウルモデル)の《引っ掻く》、小強兜形態(スモロビーモデル)の《角突き》、そしてスライムモデルの《溶解液》だ。これらをベースに他のスキルを乗せまくって1つの技としている。


 《引っ掻く》には《死力》《部位強化:脚》《剛力》《硬化》を。最初は《鎌斬》も入れていたけど、これは特定部位の強化という事に気づいて取り消した。《部位強化:脚》は"前足"使って引っ掻いているから適用されるかな、と。威力は『オーク』を一撃で仕留められるという程。あれから何回か使ったけど、木の幹も抉れる事は確かめた。


 《角突き》には《死力》《部位強化:脚》《疾駆》《剛力》《硬化》そして《体当たり》。言わば先端の尖ったダンプカーを思い浮かべてくれれば良い。それがかなりの速度で迫ってくるのだ。末恐ろしいったらありゃしないだろ。《跳躍》も1度入れてみたけど、あれは中々にリスキーだったので取り止めた。無くても十分な威力を誇っている。1度岩めがけて発動させたのだが、木っ端微塵に粉砕してしまった。改善点としては凸凹の多い道ではやり難く、急には曲がったり止まったり出来ない。改善点は山ほどある。


 《溶解液》に関しては他の技を考えていた。自慢じゃないが【溶解液極細噴射(スライムレーザー)】は強い。コスパも良い最高の技だ。しかし、当て難く過ぎる。当たり判定は小さな点。これを的確に当てねば溶かし切れない。レーザーポインターのスペシャリストとは言え、毎回出来るかと言えば頷けない。咄嗟の敵に使えるものでは無い、という事だ。

 そこで威力は弱くとも広範囲に攻撃可能な技を開発してみた。技名は【溶解液霧状噴射(スライムミスト)】。その名の通り、溶解液を霧状に噴射するのだ。イメージは毒霧。ぶふぉっっとやる感じ。

 その霧を吸い込めば器官を溶かして苦しくなる、というかなり非道な技。目潰しにも使えるし、普通に皮膚も溶かせる。はっきり言ってえげつない。考えていた範囲攻撃では無いが、それなりに使える技となったので満足している。


 その他にも持ち合わせているスキルを組み合わせ、新たな技を開発中だ。今のところ単純な足し算による技しか出来ていないが、今後は奇想天外な技を作っていきたい。時間はあるからな。気楽に行こうぜ。



 さて、ここで俺の成果を見せるとしよう。




 種族:インビジブルスライム

 称号:異世界からの来訪者

 レベル:10/65

 ランク:C+


 体力:D+

 魔力:B+

 攻撃:D-

 防御:E+

 俊敏:B-

 運力:C


 スキル:《鑑定 Lv.5》《アイテムボックス Lv.6》《言語理解 Lv.10》《溶解液 Lv.7》《吸収 Lv.3》《体当たり Lv.5》《疾駆 Lv.5》《風起こし Lv.6》《分裂 Lv.7》《潜伏 Lv.5》《擬態 Lv.6》《引っ掻く Lv.5》《噛み付く Lv.3》《透明化 Lv.4》《角突き Lv.4》《剛力 Lv.5》《部位強化:脚 Lv.4》《跳躍 Lv.2》《硬化 Lv.4》《生成:糸 Lv.4》《悪食 Lv.5》《影潜み Lv.3》《気配察知 Lv.5》《鎌斬 Lv.2》《死力 Lv.4》《夜目 Lv.1》《転がる Lv.3》《完全透明化 Lv.--》




 レベルは全然上がっていない。ランクが爆上がりしたせいで『オーク』が不味くなったからだ。まぁ、その点は別にいい。むしろもっと遅くても良いくらいだ。これが最後なんだからな...。


 おっと、考えないようにしていた先行きの暗さが滲み出てしまった。最近1人で生活をし過ぎたせいか、楽天的な思考が出来なくなってしまっている。打開しないとな。


 そうするために見ていきたいのはスキル達だ。初期から持っているスキルは殆ど変わらないが、それ以外のスキルは程々に成長している。少し前まで使わないと考えていたものも、併用させればかなり化けると分かった。進化が無くとも成長出来ると証明されたのだ。


 最後にあるスキルは『インビジブルスライム』に進化した時のオプション。因みにまだ開花していないスキルであったりする。と言うのも説明を見れば分かるだろう。




《完全透明化》

 透明になる。

 《透明化》をレベル10にすると使用可能。

 【魔力】×100[秒]使用可能。




 というものだ。《透明化》を最大レベルにした時の10倍の効果を得ることが出来る、というスキルだ。魔力量が増え自然回復量も増えた今、《透明化》使い放題になる事だろう。まだ本格的な使い所を見つけてはいないので、無駄に透明になって過ごしていたりする。奇襲時も別に透明になるまでもなく、速やかに事が運んでしまうからまさかのお蔵入りを受けているのだ。早く使ってあげたい所存である。


 今回の事で予想したのだが、幼体でベースのスキルを得て成体でそれのグレードアップしたスキルを得るのだろう。魔物は己の本能に従うらしく、『リトルインビジブルスライム』ならば戦闘を避けて透明になり続けているのではないか。そして『インビジブルスライム』へと成った時には《透明化》がレベルマックスになっており、すぐ様《完全透明化》を使える、と。俺はちょっとアクティブ過ぎたって事かな。



他に得たものとして、新たに『イスニヒト』を2本食ったくらいかな。その時体にダルさを感じたけど、寝たら治ったし関係は無いだろう。毒キノコ、という話を信じられなくなってきている。


 他には......俺の住居を整えた。と言っても《溶解液》で溶かしてスペースを広げただけだ。やはり木の幹の中にすっぽりと埋まっている。本体は殆ど動かない生活を送っているけど、体が固まって動かなくなっちゃう事とかないよな?スライムの体だから何が起きても可笑しくないぞ。


 そうは思いながらもやはり分体しか動かなさい。最近は常に三体出しておき、それぞれ影狼(シャウル)小強兜(スモロビー)、スライムの形を取っている。前から偵察、護衛、スキル練習用だ。


 あれからまた操作も熟達してきており、3体までなら何不自由もなく操ることが出来る。まさに動かず最高の生活を堪能している。...分体を動かしているのは俺だけど。



 こんな風に、本当にのんびりうだうだした生活を送っていて、気持ちの整理も着いてきた。まだ少し悲しみと悔しさが残るが落ち着いた。



 よし。そしたら今日も一狩り行ってきますか。



 俺のスライム生活はまだまだ始まったばかりなのだから。


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