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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第1章 俺は、安定した生活を望む
40/152

40話目 最終進化種 4

区切りの良さを考えて短めです

 腹を裂かれて絶命した『オーク』を回収してから《気配察知》で周囲を警戒しながら分体達を帰還させた。結局一体で良かったな、とかあまり考えない。ネガティブ思考はなるべく排斥していく方針だ。


 本体の付近に『影狼(シャウル)』の形をした分体と普通のスライム型の分体が戻ってくる。速度にどれくらいの差が生まれるか検証をしてみた。結果、前者が後者の半分の時間で到達出来ることが分かった。森の中というステージだからなのか、四足歩行だからなのか。ここまで速度に差が出てしまうのだ。


 この2体が同じステータスだなんて信じられない。やはりスライムはステータスも含め、それ以外の点でも最弱設定されているのだろうか。まぁ《擬態》出来るからどうという事もないけど、少しだけ悔しい気がした。


 もしかしたらそれぞれの"形"には有利になるステータスが存在しているのかも。俺の感覚として、スライムモデルでは【魔力】、シャウルモデルでは【俊敏】が高まる気がする。他の形を今後研究していくのも良いかもな。


 さて、今日の狩りはこれくらいにしておこう。分体2体を消す必要はないから、茂みにでも隠しておこう。...いや、スライムモデルの方には仕事があるからステイだ。


 一日一狩り、このペースを守れば『インビジブルスライム』をレベルマックスにするまで相当の時間がかかるはず。進化すればランクも上がり、必要経験値は上がるし経験値効率は下がる。そうなれば1ヶ月近くは要するであろう。それを終えるまでに人里に降りる準備を整えるとするか。


 先ずは発見。村か町を見つける。今のところ人間を目撃出来ていないから、かなり森の奥深くに位置していると予想出来る。まぁ、もしかしたら凄く近いところにあって、たまたま人を見かけないだけかもしれないけど。


 これから経験値を集める事に執着する必要も無いし、人探しに努めていく事に決めた。


 次に、テイムされるにあたり性格の良い子を見つける。やっぱり優しい子だよな。あと、ひたむきに努力している子とか。そういう性格を持っていないとスライムなんて捨てられそうだし。


 そもそもテイマー居るよな?この世界。...え、唐突に不安になってきたんだけど。ま、まぁ、今気にしても仕方ないか。


 この2つをクリアさせたい。せめて1つ目な。生きる意味を見つけられんと、何時か精神可笑しくしちゃいそうだ。



 思案はこの辺にしておこう。さっさと『オーク』を食わないとだしな。暗くなったら直ぐに寝る。睡眠欲ぐらいしか俺に満たせるものは無い。食欲も性欲も解消出来ないんだ。目一杯寝るぞ。


 さぁ、食って寝ての生活を暫し満喫するぜーっ!


 慣れてきた《溶解液》を肉体にばら蒔いて、ちょっとドロリとすればOK。あんまりやり過ぎるとモザイクが必要になるからな。このくらい溶かしておけばあとは《吸収》だ。まさに吸い取る。体内へとズルズルと吸い込まれていくのだ。このスキルも工夫して使わないといけないのかな。《吸収》はまだレベル3だ。スキル獲得は30%だから失敗する事が多い。


 スキルのレベル上げか。確かにそれも必要だ。使用回数がレベル上げになるからかなりの時間を要する。この暇になった時間をそれに充てればやる事無い、という事にはならないだろう。


 なんか自己解決が多いな...いや、俺しか居ないしネットないから解決する時は自己解決か。こんな事を考えると虚しくなってきてしまう。


 自爆している間に『オーク』の肉体を喰い終えた...あ、そう言えばレベル最大だったや。なんか色々と抜けてしまって、アホやらかしちまった。


 ま、『オーク』なんてこの森にはうじゃうじゃ居やがる。一体くらい無駄にしたって大した事ないさ。


 スライム型の分体を叢に忍ばせてから、俺は意識を闇へと落とした。もう夕暮れを過ぎ、段々と暗くなってきたのだ。かなり早いが寝る時間だ。


 明日も一体狩って食って、スキル練習して寝よう。グータラな怠惰な堕落した生活を送ってりゃ、傷ついた心も治るだろ。




 そして、そんな生活が1週間経った。


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