34話目 新スキル達の使い道
久方ぶりの投稿です。これからも遅くなっていくかもしれませんが、何卒ご容赦くださいませ。
魔石を取り込み終えたあと、取り敢えずステータスを見てみる。
種族:リトルインビジブルスライム
称号:異世界からの来訪者
レベル:21/40
ランク:D-
体力:F+
魔力:C-
攻撃:F+
防御:F
俊敏:F-
運力:C
スキル:《鑑定 Lv.5》《アイテムボックス Lv.6》《言語理解 Lv.10》《溶解液 Lv.7》《吸収 Lv.3》《体当たり Lv.3》《疾駆 Lv.4》《風起こし Lv.3》《分裂 Lv.6》《潜伏 Lv.3》《擬態 Lv.3》《引っ掻く Lv.2》《噛み付く Lv.1》《透明化 Lv.2》《角突き Lv.1》《剛力 Lv.1》《部位強化:脚 Lv.2》《跳躍 Lv.1》《硬化 Lv.1》《生成:糸 Lv.1》《悪食 Lv.1》《影潜み Lv.2》《気配察知 Lv.1》《鎌斬 Lv.2》
なるほど。一種類のモンスターから、1つか2つのスキルを獲得出来たみたいだ。虫系の魔物達はスキル重視と言うより、ステータス重視みたいな感じだったからな。スキルを多く獲得出来るとは思っていなかった。と言うのに、そこそこ多くの新スキルを会得しているような気がする。
一つ一つ見ていくというのも面倒だ。気になるものだけを選んで見ていこう。
《剛力》
【筋力】を上昇させる。
上昇値は(レベル)に依存。
《部位強化:脚》
特定部位を強化する。
強化値は(レベル)に依存。
《生成:糸》
魔力を消費する。
糸を生成する。
粘度、硬度、長さは(レベル)に依存。
《悪食》
あらゆる物を食べる事が出来る。
食べたものは魔力に変換される。
《影潜み》
魔力を消費する。
影に潜り込むことが出来る。
(レベル)×【魔力】×1.0[秒]使用可能。
《気配察知》
一定距離内にいる生物の気配を探ることが出来る。
(レベル)により範囲と正確性が変動。
と、こんな感じらしい。俺としては《悪食》と《気配察知》が嬉しいかな。《悪食》と《吸収》を併用して使えば、かなり効率良く経験値と魔力を得ることが出来るだろう。《気配察知》は言わずもがな。魔力を使わないみたいだし、常時発動させておけば奇襲対策となるだろう。
アタリを引けた事に喜びつつ、他のスキルの用途を考える。
まず強化する類のスキル。これらは当分日の目を浴びないだろう。スライムの体では役に立つことは無いだろうから。いつの日か、ドラゴンにでも《擬態》出来るその日までお預けだ。
《生成:糸》は使えるスキルだと思う。これと《溶解液》を組み合わせて、何か新たな技を開発出来るかもしれない。暇を見つけて考えてみよう。
《影潜み》は役に立てるか怪しい。《潜伏》との併用を考えてみるが、俺にはもっと優秀なスキルを得てしまっている。これが《透明化》に勝るとは思えないよな。まぁ、実験してからの話かな。もしかしたら有用性を見つけられるかもしれないから。
他のスキル達も見つめてみる。
《跳躍》は飛びたくなったら使うとして、《硬化》はどうだろう。柔なスライムボディを硬くすることができるのだろうか。それはかなり優秀なものになりそうだ。何せ、俺の防御は核の移動による回避で成り立っている。その前にある肉体は無いようなものだからだ。それを硬くし、盾に使えるのなら、《気配察知》以上の生存力を得ることになる。
一応《鑑定》してみよう。
《硬化》
魔力を消費する。
任意の部位を硬くすることができる。
硬度は(レベル)に依存。
(レベル)×【魔力】×1.0[秒]使用可能。
うん。想像通りの説明だ。常時発動させて置くことは出来ないから、やはり《気配察知》に勝ることはない。が、面と向かって戦う時には優秀なものとなるだろう。任意の、というあたり核防御に役立てるような気がしてきた。
スキルが増えると可能性が広がる。その代わり、必要な時に必要スキルを発動させることが出来ないような気もしてくる。常に自分が有するスキルを把握する事がこの先重要になってくるかもしれないな。
※ ※ ※
さて。新たなスキル達の活躍に期待して、そろそろ本日の探索を始めていきたい。
ステータスとの睨み合いをしていたからか、時間は昼近くになっていそうだ。《気配察知》を得たとはいえ、まだ安全を保証できるレベルでは無い。なるべく明るい内に探索は終わらせたいところだ。
まぁ、それほど焦っても仕方ない事と理解している。今回の探索では、入手した新スキル達の活用法を見つける、という名目で進めたい。経験値や住所探しは二の次、という頭で探索しよう。
常に使い続けることの出来る《鑑定》と《アイテムボックス》、そして《気配察知》を同時に発動させてみる。
前2つは慣れたものだが、《気配察知》の発動に苦戦する。発動自体が出来ているか分からないのだ。
何分か使い続けていると、ぼんやりとした微かな気配を周囲5メートル位の地点で捉えることが出来た。しかし、これが魔物なのかどうか怪しい。勘違いのような気がする。
試しに分体を送ってみることにした。居なければ振り出しに戻る。何か居ればこの感覚が正しい事になる。
そこに居たのは角兎であった。
なるほど。この感覚で合っているのか。気配が小さかった原因は、角兎の存在が薄いということか?それとも魔力量に依るのか?どちらかが要因となっているはずだ。
今更角兎に要は無いので、無視して撤退することにした。
これで《気配察知》の要領は得た。この先慣れていけばいいが、《鑑定》達との並列起動は難しい。今は諦めて《気配察知》だけに絞るとしよう。
他に出来る事を模索する。
少し考えた結果、戦闘時にしか分からないだろうという結論に至る。《溶解液》×《生成:糸》のコンビネーションも、動かない物体に対してやっても意味が無いと思ったからだ。
因みに技としては成功した。俺の魔力で作った糸だからなのか、《溶解液》で溶けること無かったのだ。逆に良く馴染む、良く絡む、技に使えそうな糸が作られる。
試して見た事は幾つかある。糸を出して、巻き付けて、その糸を辿るように《溶解液》を噴出させる。糸に《溶解液》をべっとり付けて振り回す。など、色々な形で使えそうだ。
しかし、コスパはあまり良くない。これなら【溶解液極細噴射】の方が強いし燃費も良い。《生成:糸》に掛かる魔力は無視出来ない程だったのだ。
マンネリ化防止用の技だと思って、時々使うようにしていくと決めた。




