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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第1章 俺は、安定した生活を望む
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17話目 2日目

 やぁ、おはよう。目を覚ましたら人間に戻っていました。今までのことは全て夢だったようで。何ともリアルな夢だったのか。テイマーになりたいと神様に願ったら、テイムされる方に転生する、そういう夢物語。初めに角を生やした兎と戦闘して、捕食。次も角を生やした兎を捕食。次に隠れ癖のある燕を捕食。その次は角兎を捕食。最後に狩りを生業としている巨大蛇を捕食しました。3回の進化を果たした後に、無理な魔力消費により気絶してしまった、という夢です。なんとも面白く、楽しい夢でしたねー。




 と、言うことにはなってないよ。夢オチとかじゃないんだよ。ちゃんとスライムに転生しているんだよ。


 いやぁ、ちょっとだけ疑っていたんだよね。夢なんじゃないのかってさ。寝て起きてみたら、Wow…俺の家...。とか、有り得るかなーって。段々と異世界ファンタジーブーストがかかり始めてきたんだ。ここでお預けと言うか、取り上げられたらさ。発狂どころじゃ済まない騒ぎを起こしていたよ。確実に。あー、現実で良かった。死んでよかったとは言わないけどね。割り切ったとは言え、死んで幸福とは言えない。楽しんでいるとか、それとこれとは話が違うじゃん?死んだことに間違いないし、どうでもいいけどさ...。



 まぁ、そんなこんなでスライム生活2日目。はじまり、はじまり〜。




 さぁて、先ずは現状についてまとめてみようかな。と言ってもほぼ変化なし、で終わるんだけどさ。



 昨晩は《風起こし》に残魔力を捧げて終えてしまった。確か10発近く打ったかな?段々と魔力消費も少なくなってきて、連発可能になってきたんよね。その甲斐あってスキルレベルは2から3へと上昇している。寝起きざまに《鑑定》して確認したからね。たぶんこれが唯一の変化。体は元のスライム──『リトルリブスライム』に《擬態》で戻ったからね。変化してはいないはず。...大丈夫だよね?気づいたら尻尾生えてると、蛇要素追加とか...無いよね?



 うん、きっと大丈夫。前世から引き継いでいるノリ、何とかなるさーで行こうじゃない。なにがと言われたら答えられないけど、という訳で、レベルの上がった《風起こし》をさっそく使ってみましょーかねーっ!



 とは流石に言わないよ。日中に魔力切れ起こすと生死に関わるからね。馬鹿な俺でも死にたくないという共通認識は備えていますよ。《風起こし》をやるなら寝る前。1日の最後に確認及びレベル上げをしようと思っている。寝るのも気絶するのも変わらないってもんよ。


 魔力使わない系のスキルなら何時でも使い続けるんだけどね。現に今も《鑑定》と《アイテムボックス》は乱用しているから。起きた瞬間に自分を《鑑定》した後、直ぐに開始させたよ。次々と視界に情報が浮き出てくることに、2日目にして慣れています。


 流石に同じことをやり続けるっていうのは飽きる。俺は割と損気な短気なもんで、同じことの繰り返しが苦手だ。生存のためにやってるけど、理由がそれ程重くないとやらないからね。


 んで、昨日とは趣向を変えてみて、《アイテムボックス》を"数"で攻めることにした。回数じゃないよ。出し入れする石の数のことだよ。


 自分より小さな石ころを数個、同時もしくは滞空中に出し入れをしようと思いついた。やってみると、これがかなり難しい。難易度の上がり方がエグいのよ。


 昨日までの「キャッチボール風2体DE出し入れ」は、イメージするならば2個のお手玉。まぁ、上手くなくともやろうと思えば誰でもできるよね?っていう難易度。前世の俺も2個のお手玉はできたし。


 次に石の数を3個にしてみると、難易度が一気に上がる。まぁ唐突に、同時に落ちてくる石を空中で掴んで、と言われるようなものだ。2個はいける。最後の3個目に手──なんて無いけど──が伸びないのだ。3個でお手玉をする、という難易度より若干難しい気がする。練習をすればなんとかなるさ?って感じかな。慣れたらいけるもん。


 問題は4個目以降です。どうやれば良いのか、皆目検討も付きません。4個を同時に出す、これは案外といける。視界の4箇所に脳内でポイントを置くイメージ。これさえできれば、出すことは容易に行える。むつかしいのは仕舞うこと。3つはいけるようになったけど、あと1個に手が...ってね。2個のお手玉から3個のお手玉に慣れ、次の4個、、を飛ばして5個のお手玉に挑戦している難易度。いきなり過ぎない!?てんてこ舞いだよぉっ。という感想を抱いたよ。


 結果的に言うと、できるようにはなった。なんだろうね。説明するなら両手と口と足で物を同時に掴む、感覚かな?とにかく俺の行動イメージは、人間だった頃を基本(ベース)としている。自分の人間という構造上、()()ことが可能な部位。それにより《アイテムボックス》でも掴み取ることができる、という訳だ。



 それからそれから頑張って5個の同時出し入れまでは慣れたんだ。一番イメージしにくかったことは、2本目の足をどう使うか、である。結局脳内のイメージで、仰向けになりながら両手両足を掲げて口で掴みに行く、という少し変な格好となった。恥ずかしい。1回できたらそんなイメージも必要無くなったけどね。因みに6個目は6本目は無いから無理だね。



 さて、これで移動を再開できるよ。大分時間をロスしてしまったなぁ。どんどん進もう。



 俺は疲労からのため息を洩らして、終わりなき草むら移動を開始した。

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