15話目 3度目の進化
(いつもよりは)長めです
※4月16日訂正
コホン。では、進化先を提示してくれ。
〈現在可能な進化先を提示します〉
『リブスライム:E-』
『リトルウィキッドスライム:F+』
ふむ?分岐は2つか...。って、あまりランク高くないな。よくてE-とか、『ミドルコアスライム』のE+に負けてるんだけど。も、もしかして、希少種だけど高ランクとは限らないアレですか?
もう、ランクは気にしないでおこう。何時か最高ランクに至ればそれでいい。過程は気にしない。終わりよければなんとやら、だ。
それじゃ、取り敢えず情報を《鑑定》!
『リブスライム』
希少な下級魔物。
目撃情報はかなり少ない。
辛い、苦い、甘い、美味い、酸っぱいの何れかの味がする。
『リトルウィキッドスライム』
希少な下級魔物。
目撃情報はかなり少ない。
『リトルリブスライム』が変質した種族とされている。
悪戯好き。
食べると口の中でパチパチと弾ける。
ん、ん〜?説明文があんまり変わってないけど、『リブスライム』は『リトルリブスライム』の成長版だろ?『リトルウィキッドスライム』はよく分からないけど、変種ってことくらいしかな。...希少変種?気になるな。相変わらずの食べられる情報は要りません。消して欲しいよ、ほんと。この情報を俺に見せて何させたいの?生存本能が刺激されまくるけどさ。
よし、『リブスライム』になったらそれで終わりそうだし、ここは『リトルウィキッドスライム』にしよう。
『リトルウィキッドスライム』に進化する!
〈『リトルウィキッドスライム』に進化しました〉
うぉぉー......と、十秒ほど体が変化するのを体感する。今回の進化が今まで1番「変化した」感が強かった。それほど見た目に変化が起きたのかな?
まぁ、手っ取り早く《鑑定》するよね。
種族:リトルウィキッドスライム
称号:異世界からの来訪者
レベル:1/25
ランク:E-
体力:F+
魔力:D-
攻撃:F+
防御:F-
俊敏:E
運力:C
スキル:《鑑定 Lv.4》《アイテムボックス Lv.4》《言語理解 Lv.10》《溶解液 Lv.4》《吸収 Lv.3》《体当たり Lv.2》《疾駆 Lv.2》《風起こし Lv.2》《分裂 Lv.5》《潜伏 Lv.1》《擬態 Lv.1》
ふ〜ん。なんか凄い勢いで【魔力】が増えているんだけど、嬉しいからこのまま増えてってほしいね。あとは、【俊敏】が一気に飛び上がったことかな。これは、イタズラ好きのスライムであり、逃げ足が速いってことか?まぁ、俺としても戦いを避けるために足は速ければ速いほどいいと思うよ。【防御】についてはもう少し欲しいところだけどね。
さて、増えたスキルは《擬態》か。これって風景とかに擬態する虫とかの擬態なのかな?若しくは他のモンスターに化けられるとか、そういう擬態なのかな?俺としては後者の方が良いなぁ、と思っている。スライム以外の形になりたいじゃん?ドラゴンとかさ、憧れるよね。
まぁ、分からないことは《鑑定》して見れば良いのさ。ほいっ、《鑑定》〜。
《擬態》
魔力を消費する。
《吸収》により記憶した"形"に姿を変えることができる。
一度《擬態》すると次に《擬態》するまで"形"は変わらない。
変化するのは"形"だけ。
おおおぉっ!!まさかの俺が望む方の擬態だった!
でも、でも〜!これでドラゴンを《吸収》すれば、俺もドラゴンの姿になれるってことだよね?だよね?合ってるよね??
いぇーいっ!ドラゴン倒さなきゃならないけど、ドラゴンになれるなら死ぬ気でやるよ、殺っちゃうよ〜!うはー!本当の夢はドラゴンをテイムして背中に乗ることだけど、空を飛ぶだけでも夢だよね。飛ぶだけなら『リハス(略称)』でも可能かもしれないけどさ。あのドラゴンという巨体で飛ぶことが素晴らしいと思うんだよね。バッサバッサと豪快に飛ぶ姿。くぅ〜っ!そこに痺れる憧れるぅ〜っ!
まぁ、手始めに使ってみますかな。《擬態》!
〈現在記憶済みの"形"がありません〉
......な、なんですとーっ!?少なくとも2種類は完全吸収したはずなんだけど...!?どゆこと!?もしかして《擬態》習得後に《吸収》した"形"じゃないと受け付けません的な...!?あ、有り得る...。まぁ、これから倒して取り込めばいいんだけどさ。めんどくさいなぁ。
〈現在インストール可能な"形"を提示します〉
『ベイビーホーンラビット:G』
『リトルハイドスパロ:F-』
うぇ?インストール?取り込んだ後にそれをしなければならない、という事だったのか。よ、よかった...。少し焦った。
初めに闘った『ベホラ(略称)』からやろうかな。どうしようかな。それとも飛行可能ユニットである『リハス(略称)』にしようかな。それとも1番の大物、『ハンヴ(略称)』にしようかな。う〜ん、悩むなぁ。
悩む前に『ハンヴ(略称)』の残りを《吸収》。ピロリンピロリンとレベルが上がる音を聞きながら、死骸を全て平らげよう。さぁ、皆さん。やってしまいますよ〜。《溶解液》じゃ〜っ。
※ ※ ※
げぷーっ。食べてないけどご馳走様でした、と。結構時間掛かったな。慣れてきたと思うんだけど、やはり4体操作は難しい。もう少し簡単になってくれたらいいんだけど、そうはいかないのが現実かい。
さて、《鑑定》で自分のレベルを見てみれば[10/25]となっていた。まぁ、そこそこ上がったんじゃないか?折り返し地点には程遠いけど、これは臨時収入みたいなものだし。うん。色々意味でご馳走様でした。
さあ、《擬態》といこうか。インストール可能な"形"を提示してくれ。
〈現在インストール可能な"形"を提示します〉
『ベイビーホーンラビット:G』
『リトルハイドスパロ:F-』
『ハントヴァイパー:D+』
うっし。ちゃんと『ハンヴ(略称)』も入っているな。よかったよかった。これて自身より高ランクモンスターは不可能よ、とか言われたら嘆いていたもん。今のところは少し我慢するだけでいいけどさ。ドラゴンとか絶対高ランクでしょ?そんなドラゴンを倒さなきゃならないという現実は置いておいて、そんな高ランクドラゴンには《擬態》できませ〜ん、とか言われてみ?俺ショック死するで。確実に。
まぁ、いいや。取り敢えず初回だからね。派手に『ハンヴ(略称)』といきますかっ!それ、インストールじゃっ!
〈『ハントヴァイパー』の"形"をインストールします〉
おっ、おっ!体から力が抜けていく感覚...これは魔力を消費しているんだな。最近分かってきたんだよね。《溶解液》を使っていると、少しずつ疲れてくるんだもん。だから大体の残量も把握できるようになってきた。これも成長だよ。
よーしよし。今回の進化で俺の魔力も大分増えたからな。どんどん持ってけ。今のところ3割使われたってところだな。残り7割。まだ余裕があるね。
ほーれほーれ。まだ欲しいのか?仕方ないな......って、どんだけ持ってくの?まだ?ねぇ、また足りないの?もう半分近く取られた気がしますんけど...!?インストールってやつにこんなに使うもんなの!?
あ、これやっば!至急分体よ集合だ!はよ集まれ!うし、うし!すぐさま《吸収》!分体から魔力を取り戻し、これで足りるか!?と俺は構える。
た、足りないのかっ!?止まることを知らないかのように、俺の魔力はどんどんと抜けていく。そのまま残量が1割を切り、段々と体が重くなってきた。あの転生したてのダルさより酷い倦怠感!無い瞼も閉じかかってきている!
ぐぎぎ...せめて草むらに隠れろ...!このままだと...気絶する...!!
最後の力を振り絞り、俺はなんとか茂みの中に見を潜めることに成功した。地を這いずりながら、体をできるだけ平たくしていく。気絶した後に襲われたらお陀仏間違いなしだっ!死ぬのは御免!まだ初日だし!?絶対にやだっ!
はっ、そうだ!まだ内容見てないけど、使ってしまえ!『ハンヴ(略称)』から唯一奪えた《潜伏》発動っ!
─────きゅうぅぅっ
どうやら《潜伏》するためにも魔力を使うみたいで。俺は全ての魔力を使い切って気絶してしまった......。
今日、合格祝いということで家族にプレゼントを貰ったのですが...どうやらSAOの1番くじが残っていたらしいです。家族には推しキャラとか伝えてなかったんですけどね。まじでナイスです。




