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俺は、王道ファンタジーを望む  作者: めぇりぃう
第1章 俺は、安定した生活を望む
13/152

13話目 狩蛇狩

(今までよりは)長いです

 いや、なにさ。GとかFとかでお話しているのに、飛んでDが出しゃばるなよ。今ここで闘うやつじゃねーだろ。まだ、『リトルリブスライム』に成り立てホヤホヤなんだぞ、我。もーすこし、さ。ランク落としてから出直せ?


 あーでもなー。危険度は中なんだよなー。これ、『リハス(略称)』と変わらないんだけど。もしかしなくともレベルの問題なのかな?でも、怖いなぁ。


 《体当たり》と《巻き付く》《噛み付く》は、[たいあたり]、[まきつく]、[かみつく]だからいいとして、《熱源探知》と《潜伏》と《狩猟》かー。アイツも真正面から戦う派ではなさそうだ。《熱源探知》で獲物を探して、隠れて襲ってバクり、ってとこかな。分からないけど。


 これって、アイツのスキルだけど情報の《鑑定》は......できなそうだ。ちぇっ、残念。もう少しレベル上げが必要みたいですなぁ。



 ふーむ、アイツよりも先に俺が発見できたら、まだ勝機はあるかもしれないな。けど、勝てなかったら終わりだしなぁ。...なら、分体にやらせるか。俺は様子見で、なんかいけそうだったら加勢するってことで。うし、そうしよっと。



 アイツはまだ〔6/50〕のレベル。成り立てと言って過言ではない。俺と同じなのだ。だから、まだ知能の高い俺の方が、ステータスは負けていても勝てるのでは?と過信しているわけです。まぁ、殺られるのは俺の分体かアイツだし。やってみてもいいよね?って話。



 歩いている途中に《分裂》について色々といじってみていた。その中で、やはり体力に関してはかなり融通が利く。俺の体力を100とした時、分体1体に持たせられる体力は1〜50。その分俺の体力も減るし、自然回復みたいなものもない。上限が下がると考えていい。


 次に分体を作るときの魔力だが、これは自然回復した。既に殆どは回復済みで、今なら更に2体まで《分裂》可能。


 また、分体を4体操る腕はないが、俺を停止させて3体操ることなら可能。これから『ハントヴァイパー』に対して、俺の体力20を持った分体が3体。つまり合計60の体力を分体に持たせている。この3体で、なんとかやってみましょうかね。無理だったら逃げりゃいいのさっ!



 さぁ、いざ行け我が分体達よ。ドキドキッ!『ハントヴァイパー』狩り(ハント)っ、じゃーっ!



 手始めに1体、『ハントヴァイパー』が潜伏していると思われる草むらから、少し離れた所を歩かせる。コイツは囮であり罠である。喰らい付いてきた瞬間、顔面に纏わり付いて《溶解液》を浴びせてやるのだ。その初撃が決まり次第、残りの2体を『ハントヴァイパー』へと向かわせ、皆で《溶解液》。魔力がギリギリであるが、勝機はある、はず。たぶん。



 ここで疑問。『ハントヴァイパー』はスライム()を食べるか否か。



 ......いや、食べてよ。人間には好まれてるんだぜ?食ってくれよ!お願いだ!



 今までとは逆のことを考えながら、俺は作戦遂行のために1体を前身させる。



 ぽよぽよと小さなスライムは歩く。あと数十センチ進ませれば、丁度『ハントヴァイパー』が潜む草陰の真横となる筈だ。《潜伏》のせいか、大雑把にしか分からないのが難点である。


 残りの2体もゆっくりと進める。但しこの2体はできるだけ平たくして、草に隠れるようにして進めさせる。元々の形でも草むらから出ないんだけどね。念のための匍匐前進(スニーキング)だよ。



 のそのそと囮兼罠役の分体が所定位置へと着いた。ここで食いつかれた瞬間、俺の『ハントヴァイパー』戦が始まる...!!



 ......しかし、襲われない...!!食いつかれない...!!



 な、何故だ...!?俺は人間からは愛されて止まない、甘味なんだぞ...!?た、確かに今は『リトルリブスライム』だ。情報によるとランダムな味であるらしい。が、それでも俺は美味しいんだろ...!?珍味として食らえよ...!?



そこで『ハントヴァイパー』に見てもらえるように、必死に跳ねる。跳ねる。とにかく跳ねる。飛べっ、飛べっ!今お前にできることは、『ハントヴァイパー』に発見されて食いつかれる、ことだっ!



 えいっ、とぉっ、やぁっ、えいっ、とぉっ、やぁっ!



 ぜぇ...はぁ...ぜぇ...はぁ...。くそぅ、全然食いつかねぇでやんの。疲れてないけど、疲れちゃった。


 これはもしかして、寝ているのかもしれないね?起きてたら、食う食わないに関わらず、目障りなはねとびスライムを殺りにくるもんね、たぶん。


 蛇の習性とかあんまり知らないけど、昼間は寝ているのかも?若しくは退屈で寝ちゃったとか?有り得そうだな。俺もあまり釣りとか好きじゃなくてさ。待っている時間が辛いんだよね。眠くなっちゃう気持ちは分かるなぁ。うんうん。



 だが、今はそれが命取りだぜ。



 俺は先の囮役を更に前へ進め、待機させたうちの1体を、囮役が進んだ方向とは逆方向へと進めさせる。これで『ハントヴァイパー』が潜んでいるであろう草むらを、3体の三角形(トライアングル)で囲むことができる。包囲網の完成さ、ってね。



 3体の位置取りを整えたことを確認。そこから同時に前へと進めさせ、段々と三角形を小さくしていく。草むらに割って入るのだから、多少の音は出る。これで目覚めたりしてしまうかもしれないが、食われるのはたったの1体だ。その時は他2体を使い、初めに考えていた作戦を実行するだけよ。目覚めなければ3体同時の《溶解液》を浴びせてやるのさ。そう!ここに完璧な形態(フォーメーション)が完成したのだ!我ながら天才だ。軍師と呼んでくれて構わんよ?



 さて、ジワリジワリと近づけていけば、ある1体の視界におそらく『ハントヴァイパー』であろうものの姿が映った。


 見た目は茶色い大蛇。頭の大きさから考えて、俺の分体なんて1口で丸呑みされてしまうだろう。...って、あれか。蛇って自分の口より大きいものも丸呑みできるんだっけ。なら俺も余裕か。上手く回避できれば顔面に貼り付けそうだけど、うーん、自信が無いな。やはり眠っていてくれて助かったな。ありがとよ、『ハントヴァイパー』。


 寝ていたという幸運に感謝しつつ、『ハントヴァイパー』の元へと3体を集結させる。カッコつけたフォーメーションも、無意味に終わってしまった。が、捜索のためと考えれば良いのだ。そう、草むらから効率良く見つけるためのフォーメーションだったのだ。



 さて、集めた分体を横に並べる。そこで改めて3体の視界から見て、『ハントヴァイパー』の大きさに驚いた。


 まず頭部。これが俺の分体の3倍近くあるのだ。俺はこんな化け物と殺り合う予定だったのだ。恐ろしいったらありゃしない。


 全長は分からない。そこまで長くはないが、俺の体が小さいためか、異様に長い大蛇に見えてしまう。



 俺には動物学の知識なんて無い。そのためこの蛇の心臓の場所なんて、分かるはずもない。ならば手っ取り早く、分かりやすい弱点、頭を狙うしかないだろう。



 3体同時に『ハントヴァイパー』の頭部に飛び付く。びょいっ、と飛び跳ねればギリギリで乗ることに成功した。よし、気づかれる前にさっさと殺っちゃいますか。《溶解液》ッ!



「ッ!?〜〜〜〜〜〜ッ!!!?」



 あ、おはよう。何喋ってんの?あー、何かが口ふさいじゃうから喋れないのね?そっかそっか。可哀想だなぁ。でもね、口塞がないと食べられるかもしれないっしょ?まぁ、内側から《溶解液》掛けても良いんだけど、絶命する前にやられそうだしさ。なら、3体で口を塞ぐようにガッシリと掴んで、《溶解液》で溶かしちゃえ、って話になりました。どうかご理解の程、宜しくお願いします。



「〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」



 はっはっは。なーにそんなに怒ってんのさ?たかがスライムにいいようにされてムカついているのか?それともたかがスライムの《溶解液(スキル)》が痛いのか?油断したな愚か者めっ!呑気に寝てるのが馬鹿なんだよっ!せめてレベルを上げておけ!



「ッ!ッ!ッ!」



 俺を引っペ剥がすためにか、『ハントヴァイパー』は自分の頭を地面に叩きつけた。バシンッバシンッと何度も地面を叩いている。


 その間俺は何をしていたか。答えは簡単、核を守っていた。正確には核を壊されないよう、叩きつけられない場所に移動させていた。


 スライムボディはほぼダメージを受けないことを確認していたのだ。ベホラ(略称)戦で体力が削れたような気がしたのは、俺の核にダメージが入っていたから。核さえ守れば俺は無事。その事実に気づいただけでも、俺の防御力は格段と上がったと思っている。攻撃を受ける箇所から核をできるだけ遠ざける。これができればほぼダメージは入らないのだ。


 だからこの『ハントヴァイパー』の足掻きも、俺の必死の操作によって無効化されたという訳だ。《溶解液》を出しっぱなしにしながら、3体の核を避難させる。中々難しいんだよ?まだ慣れてないんだろうなぁ。かなり疲れてきたよ。


 まぁ、そんな俺の頑張りのお陰でね。『ハントヴァイパー』は段々と力が無くなっていき、最後には地に伏して動かなくなりました。


 念のためにと思って《溶解液》を使い続けると、ピロリンという電子音が響いた。レベルアップの音。つまりは『ハントヴァイパー』の討伐を指している。



 うしっ!寝ていたからだけど、圧倒的な格上を倒したぜ!スライム最高っ!

やせいのハントヴァイパーがあらわれた!


リトルリブスライムの[ぶんれつ]!


リトルリブスライムはぶんたいをつくった!


ハントヴァイパーはぐっすりと寝ている。


リトルリブスライムの[ようかいえき]!


ハントヴァイパーにはこうかがばつぐんだ!


ハントヴァイパーは目を覚ました!


ハントヴァイパーの[たいあたり]!


リトルリブスライムにはこうかがなかった...。


リトルリブスライムの[ようかいえき]!


ハントヴァイパーにはこうかがばつぐんだ!


ハントヴァイパーの[まきつく]!


リトルリブスライムにはこうかがなかった...。


リトルリブスライムの[ようかいえき]!


ハントヴァイパーにはこうかがばつぐんだ!


ハントヴァイパーの[かみつく]!


リトルリブスライムにはこうかがなかった...。


リトルリブスライムの[ようかいえき]!


ハントヴァイパーにはこうかがばつぐんだ!


ハントヴァイパーはきぜつした!


リトルリブスライムは256けいけんちを得た!


リトルリブスライムはレベルが上がった!

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