10話目 2度目の進化
文中で
『モンスター名』
[レベル表記]
《スキル》
に全て変更予定。見にくかったら直します。
ピロリンという電子音が鳴り響く。即座に自分を《鑑定》。
種族:リトルコアスライム
称号:異世界からの来訪者
レベル:5/7
ランク:G
体力:G
魔力:G+
攻撃:G-
防御:G-
俊敏:G
運力:C
スキル:《鑑定 Lv.4》《アイテムボックス Lv.3》《言語理解 Lv.10》《溶解液 Lv.3》《吸収 Lv.2》《体当たり Lv.2》《疾駆 Lv.2》《風起こし Lv.1》
おー。なんだかんだ、それなりに経験値はあったんだな。『ベイビーホーンラビット』より圧倒的に弱かったけど。本当ならあそこまで簡単に狩れないのかも。もっと警戒しているよね、普通なら。ごめんよ『リトルハイドスパロ』よ。君の本気とぶつかりたかった。《嘴撃》は結構、強そうだもんね。空から攻撃されると俺には反撃方法が無いからなぁ。確かに強敵になり得るのか。よし、次会った時もこうやろうと決意した。
スキルレベルに関しては、かなり上がったみたいだ。まぁ、《鑑定》と《アイテムボックス》ね。やはり俺の仮説は間違っていなかったようで、使い続けることがレベルを上げることに繋がっているようだ。このままこの二つのスキルは使い続けることにしよう。
他に変わった点は...《体当たり》が1から2に上がっているな。これ、使ってないんだけどなぁ。どうしてだろ。2回目の『ベイビーホーンラビット』の時にも奪えて、1が2個揃ったから〜〜みたいな感じ、かな?たぶんそうだろう。いや、無駄な運を使ってしまった。
次に『リトルハイドスパロ』から奪った《風起こし》。他の3つは失敗したようだ。まぁ、今のところの確率は20%。1/5で当たる確率なのだから、大体そんなものだよね。よし、《風起こし》の性能を《鑑定》!
《風起こし》
魔力を消費する。
風を起こす。
攻撃手段ではない。
だ、そうです。風起こすだけのスキルだってよ。まぁ、なにさね。魔法みたいな事ができるという訳だよね!?俺はそれだけでも十分嬉しい!
確かに鳥以外にはくそ使えなそうなスキルだよ。最後にしっかりと"攻撃手段ではない"と太鼓判を押されているからね。でも、でもさ?それとこれとは話が別じゃん?"使えない"と"使わない"が違うってことだよ。俺は使うの!使いたいの!ということで《風起こし》!
ヒュゥッと風が吹いた。
体内からかなりの力が抜けていった。魔力を消費したという事だ。《溶解液》も魔力を消費するんだけど、それを上回る消費魔力量だった。燃費最悪。効果ほぼ無し。想像以上に使えないスキルに驚いてはいるが、まぁ仕方ない。ランクG+の小物が持っているスキルって、大体こんなものっしょ。それにまだレベルも1だったしな。10になったら分からんぞ?竜巻起こせるかもしれ...いや、それはないか。
俺は魔力消費により疲弊した体に鞭打って先を進むことにした。
※ ※ ※
っと。これでいっちょ上がり。
合計3体目の『ベイビーホーンラビット』の死骸を《吸収》したあと、ピロリンというお馴染みの電子音が脳内に流れる。
あの『リトルハイドスパロ』からの戦闘後、間もなくこいつが現れたので戴いた。ウマウマです。経験値が。
あと、やはり《溶解液》のレベル上げは重要だと気づいたよ。溶かす威力が違うもん。『リハス(略称)』は初戦だったから気づかなかったけど、『ベホラ(略称)』に関してはもう3回目。個体差があるのだろうけど、明らかに溶解速度が上がっている。いつもは時間のかかる角まで、あっという間にぺろりンコしちゃったよ。末恐ろしや。こんなモンスターを食おうとする人間が。
さて、自分を《鑑定》。俺の感覚だとこれで──
そしてニヤリとほくそ笑む。口らしい口は無いけどね。気持ち的にニヤッとしているのよ。
そう、レベルが[7/7]になったのだーっ!進化じゃ、進化!何になれるか楽しみだなー。ま、結局はスライムなんだろうけど。どこまで突き詰めてもスライムなんだろうけどっ!
〈進化条件が整いました。進化が可能です。現在可能な進化先を提示します〉
『リトルリブスライム:F』
『リトルアシッドスライム:E-』
『ミドルコアスライム:E+』
と、謎の声はまくし立てる。
おおおぉっ!今回は分岐が3つもあるよ!前回は1つだったから悩むもくそもなかったけど、今回は悩むなぁ。う〜ん、この悩む時間好きだよ、俺。
まぁ、取り敢えず、それぞれの情報を教えてちょーだい。
俺は《鑑定》を発動させる。
『リトルリブスライム:F』
希少な下級魔物。
『リトルコアスライム』の突然変異種とされている。
目撃情報はかなり少ない。
辛い、苦い、甘い、美味い、酸っぱいの何れかの味がする。
『リトルアシッドスライム:E-』
下級魔物。
『リトルコアスライム』の突然変異種とされている。
目撃情報は少ない。
見た目は『リトルコアスライム』と変わらないが、有する《酸液》は強力。
酸味が強い。
『ミドルコアスライム:E+』
中級魔物。
『リトルコアスライム』が十数体集まってできたモンスターとされている。
体躯は人より大きく、大食らい。
核を体内に持ち、その核が破壊されると絶命する。
食べごたえ十分。パーティのデザートとして人気。
......ねぇ、なんで揃いも揃って、最後の一文は食べられる情報なわけ?それがスライムの運命だってか?ふっざけんなよっ!食われてたまるか!ぜったい、ぜーったいに、食われて死ぬのだけは嫌だ!!......美女美少女ならまだ話は別だけどね。
っと、スライム食べられる問題についてはこれ以上触れないでおこう。触れたくないし。
隣にあるのはランクだろうから、俺は最低でもFまで進化出来るのか。GからFだってよ。3段階上がっているぜ、うへへ。『ミドルコアスライム』になったら6段階だぞ...?なんだよ、なんだよ。案外スライム最強伝説も楽にいけんじゃないか?
いや、待てよ。生まれたての俺がここまで来てるんだし、他のスライムも大体は『ミドルコアスライム』になれているんじゃないか?...う、うん。あまり自分の力を過信しない方がいいか。
あーでも、『リトルベイビーコアスライム』って、最下級なモンスターなんだよな。それが『リトルコアスライム』になれる個体数ってのは、結構少ないのかもしれない。ほら、俺が勝てたのって、ちょっとした頭脳戦(笑)を使った故だし。そこから更に3回勝って、ようやく『ミドルコアスライム』となれる訳だ。数は少ないかもしれないな。
まぁ、他のスライムの事はさておき。進化先はどれにしようかな〜。とか考えたふりをして、実は初めから決めている。あの文字を見た時から、ね。
すぅ、はぁ。『リトルリブスライム』に進化だーーーっ!




