88話 街だーー!!でも眠い!!
〜前回のあらすじ〜
変態エルフと行動を共にする事に!
街明かりだ!!
着いたー!!!
さーて、街に着きました。まずは宿を探したいけど……どこか空いてる宿はあるかな?
「……ケイ?」
「どした?」
「おしっこ行きたい」
「え!?がまんできる!?」
「ゆ、揺らさないで……」
「おっと、ごめん。とりあえず近くに公園があるみたいだからそこに行くね」
一定以上の大きさの街には必ず公園がある。火事による延焼を防ぐためだ。ならそこにトイレもあるはずだ!
「……」
返事がない!限界っぽいな。早くしないと!
♢
「着いたよ!さあ、降りて!」
「……」
「どうしたの!早く!」
「……足が痺れた」
「ファ!?」
マジか!!そりゃ何時間も肩車してればそうなるか……。じゃなくて!
「なら、俺も入るしかない!いいか!?」
「……コクン」
頷いてるからいいか。
洋式便座の前に立つ!まだ肩車をしたままだ!どうする!?
①組体操のサボテン
これはない。足が痺れているって言ってるんだから!
②そのまま前に降ろす
これだ!!
「ショコラ!前に降ろすからな!」
「あっ……」
「なに!?」
「……」
「沈黙が怖い!!」
「……引かない?」
「そして嫌な予感しかしない!!……一応教えて?」
「……でちゃった」
「……そっかー」
「うん」
「じゃあこの温かいのは?」
「例のブツです」
「小便だろ?」
「うん」
あー、どうしよう。
「ぜんぜん止まらないーー」
「まだ途中かい!とりあえず降ろすよ?」
「りょ」
かがんでショコラを前に降ろす。
「あっ」
「おっと」
よろけるショコラをなんとか便座に座らせる。……とりあえず上着を脱ごうか。あと、ショコラも着替えさせないと。リュックに着替えを入れていたはずだ。それからショコラの精神的なケアもしないとね。
「あー、ショコラ。あんまり気にすんなよ。着替えればいいだけだから」
「心得た」
あれ?あんまり気にしてない?いいや、そんなはずはない……よね?でも落ち着いてはいるみたいだな。
「それじゃあ下を脱いで。洗うから。あ、着替え置いとくね。一応上下置いとくから」
「りょ。……はい、脱いだよ。パンツもよろしく」
「……遠慮ないね」
「?ケイが言ったこと」
「うん、そうだよね……まあいいや、手洗い場であらってくるよ」
「頼んだ」
とりあえずズボンとパンツを洗う。はぁ、子育てってこんな感じなのかな?世の中のお母さん達は大変だろうな……。俺も結婚したらなるべく手伝おう。
着替え終わったショコラが出てくる。
「あれ?上しか着てないよ?」
「フヒッ、服がダボダボだった。だから上だけ」
「なるほど?」
確かに上だけでも袖が通ってないし、下も隠れている。これでいっか。
「とりあえず水洗いしたから染みにはならないと思うよ」
「フヒッ、それは良かった」
「じゃあ宿を探そうか」
♢
俺たちが最初にした事は、門番さんに宿を聞きに行く事だった。この街のことをよく知っていると思ったからだ。
「宿ですか?それならこの通りを3ブロック進んで右に5ブロック進んだら左手にある店が良いですよ。フルフルの宿って言うんですが、料理が美味しいし、セキュリティーも堅い。夜もやってるから行ってみるといいですよ」
「ありがとうございます!」
「フヒッ、ありがと」
「いえいえ、仕事ですから。宿、空いてるといいですね」
フルフルの宿だっけ?行ってみようかな。
♢
「どうも。子供二人、二泊したい」
「二人部屋?それとも一人一部屋かな?」
部屋は空いているみたいだ。部屋?勿論、決まってる。
「勿論、二人部屋で。まだ子供だよ?それに金がもったいない。わざと聞いてるの?」
「ハハッ、悪い悪い。暇だったんだ」
「ほら、金だよ」
「どうも。304号室だ。朝食は7時から9時まで。昼は出ない。夕食は19時から21時まで。質問はある?」
「いや、ない。ありがとう」
「いえいえ」
「……子供だけなのに泊めていいの?」
「金さえ払えばそれは客さ。まあ、面倒ごとは勘弁だがね」
「ふーん、ありがとう。もう寝るよ」
「そうかい。いい夢を」
「どうも……あ、お湯もらえる?」
「はいよ」
「早っ!」
「それが売りなもんで。桶は明日返せばいいよ」
「ありがとう」
宿番との会話を終え、俺たちは階段を登っていった。
♢
バシャ、バザシャ……
まずはコートを洗う。そして着ていた服もついでに。それからショコラのズボンも一応洗っておいた。それを干してっと。
「よし!こんなもんかな」
「おー!器用!」
「どうも、器用な人です」
「フヒッ、何それ」
ショコラと軽口を交わし合う。ショコラはベッドで横になっている。だいぶ仲良くなったかな?まあ、これからも一緒にいるんだし、仲良くしていこう。
洗濯を済ませて俺もベッドで横になる。
あ、そういえば。
「ねぇ、ショコラ」
「フヒッ、なに?」
「なんでこんな所にいたの?」
「フヒヒッ、自分探しの旅?」
「なんで疑問系なんだよ(笑)」
「ケイはなんでいたの?」
「俺、魔力総量が小さいんだ。だからそれを何とかする為にどうしたらいいか師匠に聞いたんだ。そしたら竜の門に行けって言われて今ここにいる」
「グゴーー……」
「寝とるんかい(笑)」
「フヒヒッ、ウソウソ。寝てないよ」
「寝たふりかい(笑)」
「フヒヒッ」
今日会ったばかりだけど、なんか馴染むな……。これからの旅が楽しみだね!
「明日どうする?」
「フヒッ、どうするとは?」
「とりあえず二泊分のお金払ったから、明日は準備と街の下見。そして明後日は思いっきり遊ぶってのはどう?」
「フヒヒッ、いいね。楽しそう」
「だろ?だから明日は7時に起きない?」
「フヒッ?今、5時だよ?」
「マジか。じゃあ8時に起きない?ここのご飯、美味しいらしいじゃん?はやく朝食を食べてみたいんだ」
「フヒヒッ、それには同意。じゃあ明日は8時に起きようか」
「うん!そうと決まれば、さっさと寝ようか。おやすみ」
「フヒヒッ、おやすみ」
この後、俺たちは泥のように眠った。
それではまた明日。
ヴォンクレット_(:3 」∠)_




