8話 衝撃の事実
最後まで読んでね!
「だから…………………………
……家を出ていってもらう。」
…………は?……
………え?は?…………意味がわからない……
家を出ていけ?
目の前が真っ暗になる。
脳が情報を処理するのを拒んでいる。
父さんはそのまま話しを続ける。
「なにも今すぐ出ていけとは言わない。7歳から、冒険者登録が出来るようになる。登録証があれば都市間だけでなく国家間も移動することが出来るようになる。」
…………この人たちはなにを言っているのだろう?冒険者登録?国家間の移動?そんなの自分で出て行けと言っているようなものじゃないか…。
「ごめんなさいねケイ、でももうこれは話し合って決まった事なの」
話し合った?
話し合っただと!?
怒りで喉が震える。
「お…俺はまだ何も聞いてません。話し合ってもいません」
その瞬間、頰に衝撃が走り、視界がぐらりと揺れた。
「ぐはっ………….ッ!!!???」
座っていた椅子ごと倒れ、床に投げ出される。
ぶたれたであろう頬は鋭い痛みを発していた。
「なんだその目は」
長机を挟んで反対側にいたはずの父さんはいつのまにかこちら側に来ていた。
「いいか、お前はまだ知らないだろうから今教えてやる。人は魔力総量が大きいほど優遇される。貴族であろうと平民であろうと、まして奴隷から生まれた子であろうともだ。それは魔力によって魔法だけでなく身体能力も左右されるからだ。さらにほとんどの主要機関は魔力を媒体にして動かされている。」
父さんの昨日までの優しい言葉遣いは見る影もなかった。
「だから魔力総量の低い者は無能者……‘ノーモーン’と呼ばれ蔑まれている。そんな無能をうちに置いておくことなど出来ない。」
淡々と言葉を紡ぐ父さんの目は俺を人として見ていなかった。
母さんの方を見ると父さんと全く同じ目をしていた。
「はぁ……まさかうちからノーモーンなどが出るとは……」
「ケビン、ごめんなさい。まさか私の産んだ子がこんな無能だったなんて」
そう言いながらこちらに歩いて来た母さんは見上げる俺の腹を蹴り上げた。
「がはっ………………ッ!!!!???
ゲホッ!!ゲホッ!ゲホッ!!」
「君は悪くないよメリンダ。僕の魔力総量は3000、君は5400もあるじゃないか。僕たちから産まれた筈なのに魔力総量が1しかないなんてどう考えてもアレのせいだ。そうだろう?」
アレと言われた時、俺は一瞬何にを指しているのか分からなかった。アレって俺のことかよ……。
最早、人として見てすらいない。
「それに子供ならまたつくればいいじゃないか」
「ケビン………」
父さんは俺の方を見ると言った。
「僕たちも鬼畜ではない。冒険者登録の出来る7歳迄のあと4年、その間は家に置いてやる。その後は何処へなりと行けばいい。あ、僕たちに迷惑だけはかけるなよ?」
そう言って見下ろしてくる2人の顔は人の物には見えなかった。
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それから俺の扱いは急激に変わった。
まず食事が変わった。以前はフランス料理のフルコースかと思うほど豪華なものをたべていた。
しかし現在は豆の入ったスープとパン、そして申し訳程度の干し肉となっていた。
部屋も変わった。以前は20畳はあろうかと言うほど広い部屋に大きなベット、沢山のおもちゃなどがあった。
しかし現在は三畳ほどの小さな部屋となっていた。どうやら、改装をしていた時に設計ミスで出来てしまった部屋らしい。
それを見て俺は………………………………
……………………………………なんか、ハリー○ッターぽくね?(笑)って感じで結構気楽にやっていた。
いやね?違うんだよ、まず食事なんだけど、マナーとか結構煩わしかったわけ。別に地球と同じマナーなら普通に出来てたよ?
でも異世界のマナーって結構違うんだよ!まず、ナイフとスプーンを使う。そう!フォークが無いんだよ!しかも食器にナイフとスプーンがついてはいけない。
いや、無理でしょ!スプーンめっちゃ滑るし!肉の料理なんてねらってるとしか思えない!
一通り習ったが、1人で食べた方が気が楽だ。
次に部屋だが、狭さを生かして最初に出てくるハリー○ッターの部屋みたいにした。
いやー、魔法の参考にと映画観まくってたら、内装とか覚えちゃったんだよね(笑)!ちなみに呪文は日本語と英語のどちらのバージョンでも言える。
さらに、今迄あった外出制限がなくなった。もちろん門限もない!
上京したての頃を思い出すね(笑)!
そんなわけで結構楽しくやってます。
え?お前の両親に対して何も思わないのかって?まぁ、何も思わないわけじゃないけどね〜。文化がまず違うし、しょうがないんじやないかなーって感じかな?
急に出ていけなんて言われたから(俺の魔法はどうなるんだ!!!!)って思ってキレかけたけど、なんか4年は面倒見てくれるっぽいし、いっかな〜って(笑)。
そもそもの話、地球の記憶がある時点でなんか遠慮しちゃうんだよね。産みの親って言うより彼女の親って感じ?と言えば分かりやすいかな?
…………………彼女いたこと無いけど(血涙)。
うるせぇ!!なぐさめの言葉なんていらねぇんだよ!!同情するなら彼女くれ!!!!…ぐすっ。
というわけで主人公に彼女がいなかったという衝撃の事実でした〜(笑)!
鬱展開になるわけないやん!
ここまで読んでくれてありがとう!
面白いならブックマークをくれ(笑)!ってね。