68話 最後の依頼
〜前回のあらすじ〜
タミアに会ったよ!
戻ってまいりましたタミア宅。
「あとはマッサージだね。さあ、寝ろ」
「いやーん、だ・い・た・ん!」
「……」
「ちょ、無言は酷いよ?」
「……」
「ね、ねぇ?」
「……」
「ごめんて!もうしないから!」
「ふぅ、マッサージするから寝て。でも俺でいいの?マッサージ店とかあったけど」
「いやー、なんか怖くて。セクハラ紛いのことされそうで」
あー、そういうのあるんだ。女性ならではの悩みだな。タミアの背中をマッサージしながら考えた。
「なら女性がマッサージしてくれる店とかは?それなら安心じゃない?」
「前行った時、気がついたら男になってた。途中であれ?変な所触るなって思ったら男でね。気づいてさっさと帰ったけどね。」
そりゃ二度と行かないわな。
「冒険者なら安心なの?」
「追い返せばいいし」
背中が硬いな。力を入れて揉む。
「冒険者を追い返すなんて強いんだね」
「まあ、そこそこね。あー、そこそこ……」
「……俺はいいの?」
「まだそんな年齢じゃないでしょ?……んっ」
「まあね」
微弱に電気を流しながらマッサージしていく。
「お、いいね。もう少し強くてもいいよ」
「ん、了解」
「おー、いいね」
そのまましばらくマッサージを続けた。背中から始まり首、頭、腕、足と全てマッサージし終えた。
「終わったよ」
「……すぅ……」
寝てるな。依頼達成のサインが欲しいんだけど起こすのも嫌だよね。……待つか?
ん?机の上に依頼書があるな。あ、サインしてある!いつの間に!
まあいいや。
近くにあったブランケットをタミアにかけてあげる。
「……寝てたら綺麗な顔なのに」
「そりゃどうも」
「起きてたのかよ」
「イタズラしないかなって思って」
「はっ」
「鼻で笑ったね!?」
片付ける準備をする。
「もう帰るの?」
「まあ、依頼終わったし」
「そう……また遊びに来なよ。お茶くらいはだすよ?気が向いたら」
「寝ながら言われても説得力ないよ?」
「ふふふっ、そうかもね」
また来ようかな。タミアのことは気に入ったし。まだ少ししか話してないけど、また会いたいと思った。
「じゃ、帰るよ」
「ん、じゃあね。私は寝る」
寝たまま手だけ振ってきた。なんか憎めない奴だよな。俺はそのままタミア宅を出た。
♢
「依頼終わりました」
ギルドへ戻り今日の成果を渡す。
「え、全部達成したんですか!?」
「あらん、やるわねん。F級の最年少記録じゃないかしらん?」
「ドヤ」
最年少記録らしい。やったね!
「なら次はE級に挑戦ねん。モナ様に伝えるといいわん。きっと喜ぶわよん」
「ん、そうする。じゃ、帰るね」
今日は色々やったし早く帰ろ。
♢
ケイが帰った後のギルド。
「マミーさん、ケイ君のことですが……」
「ええ、そうねん」
確かに一日で10も依頼をこなすのはすごい。でもいないわけじゃない。しかし今回は依頼者の中にヤバイ人がいた。
タミア・スカーレット。紅蓮の魔術師と言われる現在最高位のB級冒険者の1人だ。流石に7歳児に手を上げるような人ではないが、気に入らない冒険者はボッコボコにする、別名、冒険者キラーだ。
依頼に行った冒険者は漏れなく一回は吹っ飛ばされる。マッサージの依頼なんてネタだと思われるくらい成功率が低い。って言うか0%だ。
それをまさか成功させるとは……
「ケイ君を気に入ったのでしょうか?」
「そうかもしれないわねん。モナ様と言い、タミアさんと言い、ケイには何か惹きつけるものがあるのかもねん」
「そうだといいですね。今のところ問題行動は見受けられないですし」
「三年前からよく来てたけど、良い子だものねん。将来はギルド的にも信頼できるようになると良いわねん」
大物とことごとく縁のある少年の将来を楽しみに思うマミーちゃんだった。
「……実は聴いてるんだけどね(笑)」
べ、別に褒められてるのを聴きたかったとかじゃないんだからね!なんてな(笑)。
「くっくっくっ、こういうのがモチベーションになるんだよね」
それにしてもタミアがすごい人だったとは。
……今度これを利用してイジろ。
うんち_:(´ཀ`」 ∠):




